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フェティッシュの火曜日
 
紅茶とコーヒーを混ぜたお茶、鴛鴦茶を作ってみる


 

昨年末と今年春と二度香港に行く機会があったのだけど、ある飲み物にすっかりハマってしまった。その名は「鴛鴦茶」(えんおうちゃ、現地読みだとヨンユンチャー)。

ほどよい甘さが疲れにしみるのもあって、気づくと一日2杯くらい飲んでた気がする…。あちらでは一般的な飲み物で、レシピを聞くかぎり簡単なはずなのに、日本では飲ませる店がぜんぜん見あたらない。

どうやら料理下手な自分でも近いものなら作れそうなので、試しに作ってみますか。

大坪ケムタ



コーヒー&ティー、そして大事なもう一丁

香港の随所にある「茶餐廳」と呼ばれる喫茶+レストランなら当たり前にメニューに載っている鴛鴦茶。あちらに遊びに行った時は飯ともう一品で結構頼んじゃいました。なんかもうクセになっちゃって。


メニューの種類が多くてテンション上がる茶餐廳。


で、これが鴛鴦茶。見た目はミルクティー。


で、鴛鴦茶とは何かというと一番上のメニュー写真の英訳「Coffee&Tea」でわかるとおり、コーヒーと紅茶を混ぜたもの。それにミルクがたっぷり…ぽい。この時点では具体的なレシピは知らなかったんですが、一日で結構歩く旅行中に飲むと甘みで体力回復してくれるんですよね。

以前香港に行ってからおよそ2ヶ月。美味かったことは覚えてても、味はずいぶん忘れかけなので、まずは味を思い出すべくおみやげで買った粉末版を飲んでみる。


海外って地元ならではの茶の粉末版て結構あるよね。ベトナムコーヒーとか。


粉から漂う甘い香り。ミルメークぽい。
数ヶ月ぶりの味は…。


…うむ、香りと味わいは紅茶、というかミルクティー。ふつうに「ミルクティーですよ」と言われて出されたら「こんなもんかな」と飲んでしまいそうな感じ。ただしコーヒーの重さというかコクみたいなのがあるんだよな。あと甘さはもうちょっと現地で飲んだものの方が甘かったような。しかしとりあえず何となくの味は思い出した。では作るとしてみますか。

レシピ本やネットで見つけたレシピを見てみると、基本の作り方は「コーヒー100ml、紅茶100mlを混ぜてそれにエバミルク100mlを足す」。あとは砂糖やガムシロップで甘さを調整。細かく言えばお茶を作る過程で茶葉から炒れたりとかいろいろと手順はあるけども、一番手っ取り早いのは3種を混ぜるだけ。でもエバミルクって?


これがエバミルク。
種類でいえば無糖練乳。


いわゆる練乳とは違ってかなり液体です。


ちなみに香港ではこのブランドのエバミルクが有名。


料理ぜんぜんやらない自分が知らないのは当然だけども、妻に聞いても「はじめて見た!」と言ってたエバミルク。「コーヒーやお料理のコク出しに」とある。ちなみにいつもより若干スーパー巡りました。

舐めてみると…「それほど甘くないミルキー(お菓子の)」って感じでしょうか。味はアレなんだけど、砂糖の甘みはないんだよな。

ちゃんと作るんんだったらコーヒーやセイロン茶を煎れたりするんでしょうが、ここではしない。あくまでコンビニで作れる感覚でいきますよ。男の鴛鴦茶だ。無精ってだけですが。


ということでまず用意するのは無糖のコーヒーと紅茶。


それぞれ100mlを混ぜて
先ほどのエバミルクを投入


あとは砂糖で甘みを調整しつつ…ちょい甘めくらいの方が自分が香港で飲んだ味っぽい気がします。ということで、自宅版鴛鴦茶の完成!


見た目はミルクティーですけどね。


で、飲んでみると…お、やっぱ粉末のより美味いなあ。味や香りはミルクティーなんだけど、ミルクの濃さとコーヒーのコクがとても相性がいい。夏にちょいと甘いの飲みたいなあ、て時にいいっすよ、こりゃ。

 

いろいろブレンド茶を作ってみる。茶?

しかし、コーヒーと紅茶ってどちらも日本では一般的な飲み物だけど「混ぜる」って発想はないよなあ。最近でこそ抹茶ミルクとかなんてのもあるけど、アレも海外的発想だし。

ということで、鴛鴦茶完成!終了!では芸がないので、コーヒー×紅茶×エバミルクの鴛鴦茶をベースにいろんなものを混ぜてみました。


緑山スタジオ、ではなく我が家に集いし勇者たち。


同じお茶っ葉から出来た別の茶、茶と名前はつくも別原料のもの、乳飲料、フルーツといろいろ混ぜてみよう。炭酸系は半分に割る時点で中途半端になりそうなので外しました。ではまずこのブレンドから。

 

紅茶も烏龍茶も元は同じ茶葉だしね。

烏龍茶×コーヒー×エバミルク 

・烏龍茶のミルクティー版。予想以上にそのまんま。

・最初に烏龍の味がして最後にミルクの濃さが来る。合わない。

・砂糖を足したらまだ飲めるけど、あくまでも砂糖効果。

ブレンド効果★★


同じ茶葉でも合わないもんだなあ…。紅茶はミルクティーだのレモンティーだのとバリエーションがあるけど、烏龍茶には少ないのが分かる気がする。混ぜればいいというもんでもない。じゃ、同じ茶でもこれはどうだ。

 

正直あまり期待できないそば茶。

そば茶×コーヒー×エバミルク 

・そば茶の味の残る感とか、合わなさそうだったけど意外と美味い。

・というか、ノーマル鴛鴦茶の若干風味薄い版とでもいうか。

・そば茶の独特の後味がミルクで相殺?

ブレンド効果★★★


烏龍茶以上に他とブレンドした味が想像がつきにくかったそば茶。しかし意外と美味かった!コーヒー+エバミルクのブレンドのベースとしてのフトコロの深さは予想以上だなあ。

さて次は緑茶・抹茶系も混ぜてみようと思い、どうせなら最初からほどよい甘みとミルクが入ったこれ。

 

抹茶ミルクにさらにミルク。美味そうだけど…。

抹茶ミルク×コーヒー×エバミルク 

・砂糖が抹茶ミルクに入ってるので混ぜただけで完成系な美味さ。

・予想通りミルクが濃厚。最後に抹茶の風味が来る。

・作るとしたら一番手っ取り早い。

ブレンド効果★★★★


おお、鴛鴦茶を除いては今のところベストかもしれない。まあ「抹茶ミルク」という時点でミルクとの相性は文句ないわけだけども。最近「濃厚ミルクティー」なんて飲み物もあるけど、濃厚抹茶ミルクっつうとこんな感じかもしれない。

さてこの辺からお茶からやや逸脱していきますよ。まずはこれならフレーバーティーぽくていいのでは?と思った組み合わせ。

 

ネクターと紅茶、合いそうだけども…。

うえ、意外とこれは…。

ネクター×紅茶×エバミルク 

・スイーツだ!ミルクと桃で濃厚すぎる!

・桃の香りのミルクティー、になると思ってたけどお茶らしさゼロ。

・飲み物としてはシンドいけども、凍らせたら美味そうではある。

ブレンド効果★★


ここで始めてコーヒー使わないブレンドを試してみたんですが、ただ甘いだけになってしまった。コーヒーって他飲料を混ぜるとそれほどコーヒーの味は残らないんですが、お茶っぽさの根幹だったりはするんだなあ。ではベースをコーヒーに戻しつつ、乳酸飲料はどうだ?

 

ビックルコーヒー。というだけでイヤだ。

ビックル×コーヒー×エバミルク 

・ビックルの酸味がしっかり残る。

・何か似てると思ったら…フルーツ牛乳?

・最初にビックルとコーヒーだけで飲んだらマズい駄菓子の味。

ブレンド効果★★


乳酸飲料独特の酸味ってのは消えないもんだなあ…。もはやお茶ではない。お茶ぽさを残してくれるはずのコーヒーもビックルの前では敗退。というかキワモノブレンド過ぎたか、ここまで来ると。しかし最後にこのミックス!

 

身体にいいのかすらわからない


「スッキリおいしい」をあえてくどく。

ウコンの力×紅茶×エバミルク 

・「ウコン」のドロっとした食感が前面に出てる。

・紅茶の渋みとウコンの味わい悪さだけが引き立って、正直マズイ。

・残った「ウコンの力」を飲むと本気でスッキリ感じた。

ブレンド効果★


うーん、美味くなるとは思ってなかったけど、これまで比較的頑張ってきたエバミルク効果もウコンには通じず…。

いろいろ試してみたけど、やはり鴛鴦茶が★5つですな。まだまだ残暑続くおり試して飲んでみてくださいませ。ブレンド編が思いっきり蛇足な気がするけどホント美味いです!香港気分を思い出したい方はぜひ。


最後に香港のオリジナル鴛鴦茶。美味いよ!

茶は鴛鴦、酒は青島。

最後に鮮やかなグリーンな飲み物写真で。

香港に行った時は鴛鴦茶の記事を書こうと思ってなかったので、延々茶色い飲み物の映像ばかりになってしまった…。見た目的には弱いよなあ。試しに作ってくれる人がいることを祈りますよ。


参考・協力

Mr.イトー様

「スイート・スイーツ・香港 香港スイーツ店ガイドとシンプルおいしいレシピ 」(白夜書房)


 
 

 

 
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