デイリーポータルZロゴ
このサイトについて


ひらめきの月曜日
 
肉が旨くなるシートで生ベーコン作り


今回干し網は使いません。これは肉ではなく梅。

パンチェッタというイタリア料理などによく使われる食材があります。生ベーコンとも呼ばれ、豚肉バラ肉の塊に塩をすり込み、熟成、乾燥させて作ります。

肉を乾燥させるとなると、場所や衛生面の問題により、家庭で本格的に作るのはなかなか難しい。しかし、この乾燥工程。冷蔵庫で割りと簡単に出来ます。ある物を使って。

今回はその方法を紹介します。そして、他にも幾つか干してみました。

馬場 吉成



乾燥は2、3日から1ヶ月ぐらい 

パンチェッタはそもそもブタのバラ肉の意味で、料理に使う塩漬けの豚バラ肉も広い意味でパンチェッタと呼ばれています。燻製にしていないので(燻製する場合もある)、ベーコンに比べて柔らかく香りは穏やか。肉の旨味が濃厚です。そのまま焼いて食べても美味しく、パスタやスープのダシなどにも最適です。


デパートなどで買えます。元は豚バラ肉ですが、結構いいお値段です。焼いたときに脂身の所から出る旨味がとても美味しいので、脂身多めの方が好み。

このパンチェッタを自分で作る場合、1つ1つの工程でやる事は簡単なので、条件さえ揃えば簡単に作れます。ただ、この条件をそろえるのが都会では難しい。

 

都会は色々な物が飛んでいる

最初にも書きましたが、パンチェッタ作りでは塩漬け後に肉を干します。どこか風通しのいい場所に干すのですが、狭いキッチンや家の中に肉が吊るされているというのもちょっと困る。

外に吊るすのもいいですが、干すのに最低でも2、3日。都会では何が飛んでくるか分からない。干し網に入れておけば虫系は大丈夫ですが、冬でもなければ蒸し暑いよどんだ空気により肉が腐敗する可能性が高まります。


魚は数時間で干せますが、それでも網戸をした窓際に干すことが多い。まだ干し網を持っていなかった頃の映像。今は干し網に入れて窓際に吊るすことが多い。

そんな人もコレがあれば大丈夫

そんな外に干す事が困難な過酷な環境に住んでいる方でも、冷蔵庫内などで肉を干す事が出来る画期的な物があります。それがこちら。


これがあれば大丈夫!浸透圧脱水シート
the業務用!

この浸透圧脱水シートは、目に見えない微細な穴の開いた2枚の食品用シートの間に浸透圧の高い水飴成分と昆布成分が挟まれています。このシートで食品を包む事で、素材の水分や生臭み成分だけを取り除き、旨味成分だけを残す事が出来ます。


見た目は半透明のビニールシート。

箱に書いてある説明書きによると、水飴成分の浸透圧と半透明膜の分子選択性により分子の小さい水分や臭み成分のアンモニアなどが抜けて、分子の大きい旨味成分のアミノ酸などが残るとあります。


あの明るい家族計画で知られるオカモト株式会社の製品。東急ハンズで購入可能。オカモトのネットショップでも買えるようです。

難しい原理はさておき、このシートを使って作るパンチェッタの作り方を紹介します。

 

まずは下準備

必要な材料は以下の通り。

・豚バラ肉の塊
・豚バラ肉の重量に対して3%程度の塩
・ローリエ、タイム、ローズマリーなどのハーブ類と黒胡椒
・豚バラ肉が入るビニール袋
・浸透圧脱水シート

ハーブ類と黒胡椒は無くてもいいですが、有った方が美味しいです。

では作って行きましょう。まずは下準備から。


豚バラ肉の塊を計量。初めてなら300gぐらいの量が作りやすいです。
3%分塩を計量。塩辛い方が好きな方は少し多めで。5%を超えるとかなり塩辛くなります。

まずは肉と塩の計量。そんなに厳密でなくても大丈夫。


豚肉を袋に入れて塩を全体に振りかける。この辺りからあまり豚肉に直接触れない方がいい。カビや腐敗の原因になるので。
振りかけたら塩を擦り込む。全体を軽く揉むような感じで擦り込みます。

続いて計量した塩を豚肉に振りかけて擦り込みます。袋の中でやるのがいいです。ここまでやったら袋の口をしっかり閉じて1日冷蔵庫に入れておきます。


一日経過後。こんな感じで肉から水分でてくる。この時点で焼いても結構旨い。

塩を擦り込んで1日経つと肉から水分が出てきます。ここまで来たら、いよいよ脱水シートの登場です。



つぎへ >
 

 
Ad by DailyPortalZ
 

▲トップに戻る バックナンバーいちらんへ
個人情報保護ポリシー
© DailyPortalZ Inc. All Rights Reserved.