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ひらめきの月曜日
 
心に残る「情けない顔」探し

さらなる情けなさ求めて

情けない顔探しの旅の最後は、寺社仏閣系をまわってみたい。旅先などでなんとなく訪れた神社やお寺で、ユーモラスな石像などを見かけたことはないだろうか。

そうした中には情けない系に分類されるものもあるはず。まず訪れたのは、新宿区にある鎧神社だ。


かっこいい名前、鎧神社
そばにある保育園もかっこいい

神社にある石像と言えばポピュラーなのが狛犬。本来は神様の守護獣である狛犬だが、様々な作風があったり、風雪に朽ちたりして味わい深い状態になっ たりしているものがありそうだ。

こちら鎧神社は名前こそ勇ましいが、そんな狛犬がいるらしい。


かっこいい「ザ・狛犬」もあるんだけど
こういうのもある

大きなお社の前には立派な狛犬があるのだが、もう一つの小さいお社の前にある狛犬がいい感じだ。なんというか、一般的なものと比べてこぶりでかわいらしい。

並ぶもう一体を真横から
がんばりは感じ取れる表情

2体いるうちのもう片方を横から撮ってみた。姿がつるんとしていて、あまり神獣らしい雰囲気ではない。表情は一応勇ましいのだが、「悔しいです!」と言っているようにも見える。

ただならぬ味わい

続いての狛犬は渋谷区の穏田神社にあるもの。すでにこの写真からして、普通の狛犬と違う雰囲気を漂わせていると思う。表情をよく見てみよう。

ガウガウ
バウバウ

年代の古いものなのだろうか、ディティールがわからないくらいに古びてしまっている。全体的にはぎりぎりで犬、という感じだろうか。

こういう犬、マンガで見たことがあるような気がする。狛犬というと大抵ピリッとした雰囲気のあるものだが、こうした味わいのものがたまにあるのもいいではないか。

超立派

最後にやってきたのは、港区にある青松寺。ご覧の通り、とても立派な門のあるお寺だ。

この門の中に、四天王の像がある。今でこそ「四天王」というと「ものまね四天王」のようなある分野での実力者4人をまとめて言う場合に使われることが多いが、ここにはもちろんその由来となった四天王像があるわけだ。


かっこいい部門担当
おっかない部門担当でもある

持国天・増長天・広目天・多聞天の四天王。仏法を守護すべく存在で、寿命は500年というから今回のテーマである情けなさとはほど遠い存在だ。

ではなぜこんなに勇ましい像のところに来たか。それは、その足下で踏まれている方を見たかったからだ。


主にあなたたちを見に来ました
確かに情けない表情

邪鬼である。仏法を犯す邪神として、四天王に踏みつけられて像になっているのだ。それぞれ完全にとっちめられて、なんとも言えない表情をしている。

とことんやられてます

中には顔を踏まれて表情を確認できないものもあった。立場的には相当情けない状況にあるこの邪鬼たち。本人たちからすれば、わざわざこんな場面を像にすんなと思っているかもしれない。

四天王は4体あるので、邪鬼も4体あることになる。今回最も情けなく見えたのはこれだ。


ホゲー
プギャー

情けない、という意味では最もその言葉に合う表情をしているように見えたこちらの邪鬼。各自お好みの悲鳴をつけてみていただきたい。

今回の情けない顔探しは、情けない顔を見てせつない気持ちになろうというものだったが、この邪鬼を見ると「悪いことはするもんじゃない…」と、背筋が伸びるような思いもしてきた。

ブリーフ履いてる?

世の中にあふれるかっこよさや美しさに対して、ひっそりと隠れてそこにある情けなさ。それは基本的に人に見せるものではないからこそ、たまたま見つけたときには妙なうれしさのようなものを感じるのかもしれない。

連れて帰れなくてごめん

恐竜展のおみやげ売場には、情けな恐竜「エクサエレトドン」のフィギュアもあった。展示品に負けない情けなさに打たれて買おうと思ったが、妻から「これ、部屋に置きたくない…」と言われて断念しました。


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