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土曜ワイド工場
 
ジンジャーエールは手作りに限る


シュワシュワまで自作!

ジンジャーエールは家でも簡単に作ることができるという。

それを聞いたときには、たぶん生姜を砂糖で煮詰めたものを炭酸で割るんだろうな、と思っていたのだが、よくよく調べてみると炭酸まで込みで自作できちゃうらしいのだ。

ここまでくるとちょっと興味がわくだろう。さっそく作ってみた。

安藤 昌教



作り方は簡単

夏の飲み物ジンジャーエール。いやべつに夏に限らずいつでもうまいのだけれど、生姜のすっきりとした辛さがなんどなく暑さでバテた体に効くような気がする。

今回はジンジャーエールを手作りしてみようと思う。材料は以下の通り。


砂糖と生姜を30グラム、ドライイースト小さじ4分の1、レモン少々。

あらかじめ少量の砂糖とドライイーストをぬるま湯で溶かしておく。こうすることでイーストが活性化するのだとか。

あとは生姜をすり下ろして全ての材料を混ぜてペットボトルに詰めるだけ。そのまま8時間くらい常温で放っておくとジンジャーエールが出来上がる。

※この材料と時間だとアルコールが生成されることはないので安心です

炭酸はどこで入れるのか、とお思いだろう。ここがマジック、イーストが発酵して勝手に炭酸になるというのだ。ほんとうか!こんなしょぼくれた薄茶色い粉が僕らの夢をかなえるというのか!


すり下ろした生姜を
砂糖水の中にどさっと投入します

少し空気を残しておくのがポイント。

とにかく仕込みはできた。超簡単。

本で調べたレシピ通りに作ったので8時間後にはジンジャーエールができているはずだ。

情報っぽい部分は書き終えたので、あとは出来上がったものを飲んで終わればいいわけだが、せっかくだから待つ8時間も有効に使いたい。

夏といえば海だろう。

 

というわけで、いきなり話は変ります

ジンジャーエールの作り方を知りたくて読んでくれた方には申し訳ないが、そんなことより僕はかねてより海水浴場によって海の水の味が違うような気がしていたのだ。

甘かったり辛かったり、潮の香りが強かったり、コクがあったり。ひとくちに海水と言ってしまうにはバリエーションがありすぎると思う。

ジンジャーエールが出来るまでの間、まわれるだけ海水浴場を回って海の水をなめてきたのでお伝えしたい。


気持ち的にはこっちがメインだったりする。

調査方法はいたってシンプル。海に入って水をなめるのだ。ジンジャーエールを手作りするより簡単。


方法としては、海に入って

水を
なめる

するともちろんショッパイ。

しかししょっぱさの中にも確実に味がある。今回は何カ所もなめ回るので、その差を比較するため、基準となる味を用意した。

スーパーで買ってきた海水から作られた塩だ。これを使って海水と同じくらいの濃さ(3%くらい)の食塩水を作り、これを基準の味として調査をすすめることにする。


なるべく加工していない塩を選びました。
これをチェイサーとして海水をなめ回ります。

今回は都内からも気軽になめに行ける海、ということで湘南近辺の海水浴場を回ることにした。日本のビーチカルチャーの発信地だ。どんな出汁が出ているのか。

まず初めはここ、辻堂海岸海水浴場。江ノ島や鎌倉ほどメジャーではない分、のんびりと海水浴をたのしむことができるお勧めのビーチだ。

まあそんなことはどうでもいい、味はどうか。


No.1 辻堂海岸海水浴場
水をなめていても特に注意とかされませんでした。

辻堂海岸海水浴場の味

味インプレッション

甘み、塩気ともにマイルドなあっさり系。近くにはサーファーが多いので日焼け止めかワックスか、そんな科学的な香りを鼻の奥に感じるが、特に不味いわけではなく、透明度も十分。

チェイサー代わりの塩水にくらべるとやはりなにかしらの個性を感じた。どんどん行きたい。


No.2 サザンビーチちがさき海水浴場
とてもきれいな海水浴場です。

サザンビーチちがさき海水浴場

味インプレッション

漂着昆布類がまったくなくてビーチがとてもきれい。水はというと、塩の味もコクも薄く、なんとなく水っぽいか。ということでこちらもあっさり系、さらりとした淡泊な旨味。

ビーチは徐々に賑やかなゾーンへと入っていく。


No.3 片瀬海岸西浜海水浴場
テレビでよく見る人がビーチバレーの練習をしていました。

片瀬海岸西浜海水浴場

江ノ島水族館の裏手にあるビーチだ。人も多く、真夏のうかれた海水浴場のイメージをそのまま焼き付けた感じの場所。味の方はどうか。

味インプレッション

なめた瞬間潮というか魚のいる海のにおいを感じた。塩味自体はマイルドだけど、そういう意味で荒々しい印象が残る。


No.4 片瀬海岸東浜海水浴場
江ノ島のすぐ脇です

片瀬海岸東浜海水浴場

先ほどとおなじ片瀬海岸の江ノ島を挟んだ西側。ここは東浜に比べて遊泳客は少なく、どちらかというとストイックに体を焼く人々の姿が多く見られた。玄人向けか。

味インプレッション

なめた瞬間、これまでにはない甘みを感じた。昆布とか漂着物が多いことも影響しているかもしれない。


No.5 由比ヶ浜海水浴場
周りがとにかくウキウキしているので、自分撮りするのが一番ためらわれたビーチでした。

由比ヶ浜海水浴場

この付近で最も賑わいを見せていたのがここ、由比ヶ浜。パラソルもビキニもかき氷も、思い描きうる全ての夏がここにはある。海の家やトイレなどの設備も他と比べるてあか抜けていて、芸能人などの目撃情報も多数。味も期待できそうだ。

味インプレッション

ダシがきいていてコクがあるのはだんぜんここ由比ヶ浜だった。カドがとれた丸い味も人気の所以か。人も多いが昆布などの漂着物も多い。


海水浴場味マップ。海選びの参考に。赤いピンをクリックすると味が出ます。

江ノ島からなんか出てる説

湘南の海岸を移動しながら海水をなめ比べたわけだが、全体の傾向としては江ノ島を中心に東西に離れるにつれ味のカドがとれて甘みがましていく印象だった。つまりは江ノ島から出汁が出ているのかもしれない。

あくまでも個人の感想ですが。


そういえばジンジャーエールどうした。

あっという間に8時間が経過した

忘れていたがジンジャーエールだ。なんの話だったか思い出せない方のために言うと、8時間前に僕はジンジャーエールを仕込んでおいたのだ。そろそろできているはず。

家に帰るとペットボトルがカチコチになっていた。これは内部で炭酸が発生している証拠だ(いない間に爆発するのが恐かったので風呂場に置いておいた)。

疲れた体にジンジャーエール、さあ飲んでみよう。


ジュブッジャアアーーー。

ジュゴゴゴーーーー(しばらく継続)。

ふたを開けた瞬間に弾けるようにジンジャーエールが吹き出した。いくらなんでも炭酸出すぎだ。あたりに生姜のすがすがしい香りが広がる。

全部吹き出すんじゃないかという勢いだったが、無事3分の2ほど残っていたので飲んでみた。


生姜の辛さが鮮烈、甘さ控えめ、炭酸もばっちり。うまいジンジャーエールでした。

夏はやっぱりジンジャーエールと海だと思う。


ジンジャーエールは自作がいい

ジンジャーエールは簡単に自作できるのでお勧めです。砂糖や生姜の量を自分で調節できるのもグッド。疲れた体にぜひどうぞ。

一度カリブ海とかもなめてみたい。

 
 

 

 
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