−−2代目ということはこちらのお店はけっこう長いんですか?
「今年で48年ですね。一番多い時期は渋谷だけでも3軒あったんですよ。昭和40年頃、そのうちの1軒で乱射事件なんかも起きたりしてね。今『渋谷 銃砲』でネット検索してもその事件が出るんだけど、警察の人でさえウチの事件と思っちゃってたりするから心外なんだけど(笑)」
−−今は都内だと何件くらい銃砲店ってあるんですか?
「こういう形で店をやってるのは40軒くらいかな」
−−すごい初歩的な質問させてほしいんですけど、今日本で一般の人が実際の銃を持つ場合はどういう用途で持ってるんですか?
「日本の場合だと狩猟か標的射撃かどっちかしかないです。あと狩猟の中に含まれるのに有害鳥獣駆除とか。ごくまれに『世の中物騒だから持ちたい』って人がいるけど、そういう人は持てないですよ(笑)」
−−そういう人の方が物騒ですね(笑)。
「大昔の話だと空気銃や散弾銃もデパートで売ってたりしたらしいですけどね。今は所持許可も厳しいので」
−−「銃を持つための許可」って何が必要なんですか?
「まずは銃の免許ですね。毎月一回ペーパーテストやってまして、それに受かったら本人の身辺調査が行われるんですよ。表だってはやらないですけど、前科とか調べられるわけです。傷害事件や薬物中毒の前歴があるとまず取れないですね」
−−扱うモノがモノですからねー。
「それが通ると実際の教習で、射撃の仕方とか安全な取り扱いとかを学ぶわけです。その後、ここが車の免許なんかと違うんですけど、まず最初の一丁を必ず買わなきゃいけないんです。自分用の特定の一丁を持たないとダメ。ペーパードライバーみたいなわけにはいかないんですよ」
−−へー!自分の銃しか撃っちゃダメなんですね。
「そう。ライセンス出てるからって他人の銃を使っちゃダメなんです」 |