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はっけんの水曜日
 
絵描き歌にならなそうなものを絵描き歌で描いてみる


絵描き歌って面白いな、と最近、あらためて思った。きっかけは、当サイトでの部活動「消しゴムはんこ部」で絵描き歌シリーズを彫ったときだ。「2−ちゃんが 3円もらって…」「棒がいっぽんあったとさ…」などと実に適当な、描画に貢献してない歌詞。それが、妙に記憶に残る。

しかも、できあがった絵は、実利をほとんど伴わない、のんきなものばかりだ。そこがいい。まあ、歌いながら仕上げるような絵だからな。

どうにものんきさの否めない絵描き歌だが、実生活に少しでも応用できないものだろうか。いや応用できなくても、もうちょっと現実性を加えてみたい。絵描き歌ルネッサンスの胎動を感じろ。

乙幡 啓子



絵描き歌序論

絵描き歌について、私などが今さら「絵描き歌とはなんぞ」と定義するのも気が引ける。

しかし、この記事を書くにあたって、ひとつ指針となるものをはっきりさせたく、よって世間によく知られている絵描き歌を分析してみたい。

以下の例を見てほしい。


あらためて、のんきだなあ。そういや「へのへのもへじ」って絵描き“歌”でいいんだったか。

これは先ほど申した「消しゴムはんこ部」でのひとコマだ。争いのない世界がそこにはある。

またもや今さらだが、その中から2つばかり、ご覧にいれたい。歌詞や絵のディテールは、私の小さい頃から慣れ親しんだものであることをご了承願いたい。メロディは、まあ、おわかりですよね。

まずはこちら。タイトルは、「こぶた」。


(クリックで、最初から再生されます。音は出ません。)

のっけから「まんまるちゃん」の壮大なコーラス(たぶん)で始まる。しぶとく反復したのち、いきなり「インドのお船」と来たもんだ。しかも両親に別れを告げている。売られるのか、こぶた?!

という緊迫した状況にもかかわらず、またも始まるのは「ろくろくちゃん」という、のんきなパート。そして突然、富士山描いて終わる。私はこの絵描き歌と絵が一番好きだ、テキトーで。

そして次は「コックさん」。こちらのほうが有名ではないだろうか。さん、はい。


(クリックで、最初から再生されます。音は出ません。)

2つばかり紹介してみたが、ここから強引に「絵描き歌のセオリー」とでもいうべきものを導き出してみたい。

・使われる音は、限られた高低差の範囲にありがち。単調でありがち。
・歌詞は七・五調であることが多い(「ぼうがいっぽん あったとさ」など)
・歌詞を貫く世界観は薄っすらあるが、いきなり状況が変わる(「…お母さん、さようなら〜 → ろくろくちゃん…」など)

いさんで箇条書きにしてみたが、そんなことしなくてもよかったかな、と思っている。

とにかく、絵描き歌の概要が何となくつかめた気がするので、まずは身の回りのもので応用してみよう。


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