つまり、この地域で地下水の水脈まで到達する井戸を掘るには、普通の井戸の深さプラス関東ローム層と多摩川の土砂の厚み分の深さが必要になる。しかし、井戸が造られた当時はそれほどの深さを掘る技術がなく、また堆積した土砂は崩れやすかったため、まずすり鉢状に広く掘り、本来の地面が出たところで垂直に井戸を掘った、ということらしい。
と、文章ばっかりの成り立ちや構造はこのくらいにして、実際まいまいず井戸がどんなものかを見てみよう。
羽村五ノ神の井戸
青梅線の羽村駅で降りると、駅のすぐ向かいに小さな森が見える。比較的整備された駅周辺にあって、明らかに土地の時代が違うことが分かるこの森は五ノ神社。この中にあるまいまいず井戸は、一説には鎌倉時代に造られたと言われている。こんな駅前の西友の脇に鎌倉時代からの井戸があるなんて! |