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ちしきの金曜日
 
ずっと気になってたガードレール


これがずっと気になってた。

通るたびにずっと気になっていたガードレールがある。

それがこれだ。

T・斎藤



ガードしてほしいところにガードレールがない。

向こう側はたぶん断崖絶壁。
ここから落ちたらひとたまりも無いだろう。
なのに無い。

いわば“最もガードしてほしいところ”にガードレールが無いのだ。


「ガードレールの落ちたっぽいもの」とかならある。

誰かがぶつかってガードレールごと落ちたのだろうか?

くわばらくわばら。

でも、いずれまた修理されて新しいガードレールが付くに違いない。・・・と思っていたのだが、その後何度通ってもいっこうに直る気配がない。何年もずっとこのままなのだ。


反対車線から下ってきた時は、こういうアングルで見える。

やがてあることに気がついた。
ガードレールが無い部分の先に、道があったりして?
という考えかたもあると思うようになったのだ。

ガードレールがずっと無いままなのも、修理をサボってたわけはなく、これでOK。…なのではないか?(ホントか?)

が、車で通りかかった時に見えるアングルからはそれが確認できない。


矢印の向こうがどうなってるかが、車内からは確認できない。

気になる。

けどわざわざ車を止めて見に行くほどではない。

でも気になる。

いや。
もし、その先に道があるのだとしたら、車を降りずともそのまま車で進めばいいだけの話だ。簡単に確認できるじゃないか。

 

が、行ってみてやっぱり道なんかなかったら?
  ↓
そのまま車ごと断崖絶壁から落下。
  ↓
なんという罠だ!その手には乗らないぞ!


これは罠なのか?!

・・・と、このカーブを通るたびに
さまざまな思いがよぎっていたわけだが、ある日
「もうこんなに気持ちがモヤモヤしてたら勉強なんて手につかないよ!」
じゃないけど、確認しに行ってみることにした。

 

ちょっと降りてみれば済む話だ

件のカーブは、海沿いのワインディングロード(くねくね道)のさなかにある。


こんな感じの

海沿いの道をひたすら行く。

この坂を登ると…

来た!これこれ。

ココです!

 

こんなだった

いったん通り過ぎた後、近くに車を停め徒歩で現場に接近。

すると…


長年のモヤモヤがあっさり解決。

行ってみたら、今までのモヤモヤはなんだったのだろう?と思うほど、あっけなく疑問は解決した。



そこは断崖絶壁ではなく、普通乗用車がぎりぎり一台通れるくらいの幅の細い下り坂になっていた。その下に車を数台とめられるくらいの空き地と、民家が2軒ほどあった。


その先はこんな景色。

かつてガードレールがあった跡が

かつてガードレールがあった痕跡もあった。
もしかすると、この細い道から出てくる車の見通しを確保するために、あえてガードレールを外したのかもしれない…と推測。


逆側から見上げたところ。(赤矢印みたいになるのを危惧してた)

断崖絶壁ではなかったので、間違ってカーブを飛び出してしまっても、まぁ大丈夫・・・とは言い切れないけど、速度によっては大丈夫だろう。


こちらは同じ箇所を少し高いところから見下ろした図。
こういう角度で見ても下に行く道があるようには見えないのだから、車内から確認できなかったのも無理はない。

わかってしまえばなんてことない

ほんのちょっと視点を変えて見れば、今まであれこれ想像していたのがバカらしいくらい、実になんてことないことだった。

しかしこういう、コロンブスの卵とか手品の種明かしみたいな、答えを知ってしまえば「な〜んだ」ということでも知る前は大きな謎であったわけで、実は世の中の大半はそういうものでできてるのかもしれない…と思ったりしている。


 
 

 

 
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