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フェティッシュの火曜日
 
おばあちゃんと作る箱寿司と五平餅

先ほどのハランを敷いた箱に寿司飯投入

斜めにいろどりよく乗せる

ひとつの箱に2合の寿司飯、のはずが

寿司を詰める箱は全部で5つ。1つの箱に2合のご飯を詰めるそうで、全部の箱を使うと一升分のお寿司が作れる。

祭りをやるわけでもなくさすがに食べきれないので4合で2箱作ろうという話だった。

が、話すそばから「今日は具がたくさんあるから3箱に分けるか」ということで、ご飯を少なめに3箱に分けて作ることに。やっぱり適当だ。

具は7種類。数は縁起を担いで奇数でさえあれば何種類でもいいそう。それぞれを、いろどりよくなるような順番で箱に対して斜めになるように帯状に配置する。こうすると切り分けたときに、ひとつのブロックにいろいろな具が乗るのですね。なるほどなるほど。

具がご飯を覆い隠したら、上から紅生姜を乗せるのがおばあちゃん流。

ちなみに、具には蜂の子を入れることも多いのだとあとで聞いたが、今回は私がびっくりするかもしれないから、と今回は入れなかったそうだ。

裸馬とおばあちゃん

いやいや、蜂の子、ぜんぜん大丈夫ですよ! といったものの、ガッとつまんで寿司飯の上に配置できるかといわれたら軟弱な私は確かにちょっとひるむ具ではある。

「昔は結核の人が蜂の子で元気になったりしたんだよ」と教えてくれた。料理の裏にさすが歴史がある。

そうだ、軟弱な私で思い出したが、祖母はむかし軟弱とは真逆を行くキャラクターで、地元の岐阜瑞浪では裸馬を乗りこなしていたそうだ。

時代劇でもそんな荒くれ者見たことない。

こちらは私がチャレンジしてみたもの。やっぱりなんかぼんやり
3箱目も任せてもらえたので、ここは自由に縦に配置
具の上からもハランを乗せて、その上から押し蓋をする

例の器具に重ねて
つまみでギュギュッと固定、これで半日寝かす
どこで寝かすのかと思ったら、思いっきり「その辺」だった。そしてテーブルには豪快に余った具が(お昼に食べた)
寝かせている間、近所のサティーへ。フードコートにあった「鉄板オムライス」という店。やはり全体的に過剰なのが名古屋風
お、「かんてん」だ! 地元の人はこれ、東京には売ってないってご存知だろうか

そして半日が経った

何かにつけて、ちらちらと仕込んでいる箱寿司のことを考えながら半日をやりすごし家に戻ると、祖母宅には静岡から叔父夫婦もやってきて、ぐっと連休に親戚が集まってる感が増していた。

そこへ郷土料理なのだ。シチュエーションもばっちりである。わくわく。


叔母も愛知育ちで箱寿司経験は豊富、ではお願いします! 具を下にして箱から出すのがコツだそう。そのために箱は底も枠から取れるようになっている

叔母が来ると台所仕事はいつも祖母と叔母の2人体制で行われるのがこの家の常だ。おばあちゃん同様、手早な叔母が箱寿司を切り分けてくれたのだが、開けた叔母、第一声はこうだった。

「薄いお寿司ね!」

そうなのだ。ひとつの箱に2合入れるところ、4合の具を3つの箱に入れたため、やけに薄っぺらいお寿司になってしまったのだった。おばあちゃんと私は苦笑いだ。えへへ。


本当はハランの上から切るらしいが、葉が固かったのではずして切った

切ったらまた蓋をして、上下を揃えてひっくり返し…… 底の板をはずしてお皿へ

おおっ!

素人目でも分かる。これは確かに薄い!

整いまして、本当に「食いしん坊万歳」っぽい食卓に

叔母の箱寿司まめ知識

・具はもう少し多くてもいい
・もっと細いラインを何本も配置する
・もうすこし斜めの角度を急にする

叔母によると、上記を気をつけると見栄えも美しく小分けにして銘々皿に取り分けたときに華やかになるということだった。なるほどなるほど。

それから、ご飯が足りないと薄くなる上に箱の構造上押しの力がしっかりかからず、十分に押せないそうだ。

昔は保存食として1週間から10日間くらい食べ続けることもあったそうで、そのために空気をしっかり抜く必要があったという。

おばあちゃんから出てこなかった(多分知ってたけどまあいいかと思って言わなかった)豆知識がぞろぞろと出てきた。

ちなみに叔母は箱寿司の機材として寿司を詰める箱は持っているものの、箱を設置する例の枠は持っていないという。

「だから、うちでは重しを乗せて押すのよね。重しは6kgぐらいかな」

あ、なんか今この箱寿司作りにおいて初めて具体的な数字が出てきた気がしますよ! 6kgかあ。あの箱だけでも売っているならうちにもぜひ欲しい。

当然おいしいです

祖母の味付けは間違いなくとても美味しかった。とりあえずと2箱分をあけたが、大人5人+子ども1人では足りず、結局3箱分全部食べた。

保存食にする必要がなかったので、平べったい押しの足りないお寿司でも問題なかったというわけだ。おばあちゃんの目分量に間違いはなかった。

笑い止らず
やはり縦に配置するのは具が偏ってよくなかった

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