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ロマンの木曜日
 
ハンガー投げ


ハンガー型UFO。

ハンマー投げという競技があるが、素人にはなかなかハードルが高いと思う。そこで今回は代わりにハンガーを投げてみた。

安藤 昌教



ハンガーを買いに

ハンガー投げ、ハンガー投げ、ハンマー投げ。

口元をゆるめ、少し鼻にかけた感じでつぶやいてみてほしい。セイ、「ハンガー投げ」。ほら、ハンマー投げと聞き間違えないか。

というわけで(どういうわけだ)ハンマー投げの代わりに今回はハンガーを投げて距離を競うことにした。数あるハンガーの中で最も飛距離の出るのはどれなのだろう。


無印良品のハンガーコーナー。興奮の品揃え。

クリーニングの戻りについてくるハンガーを大切に使っている僕としては、これまであまりハンガーを買ったことがなかった。でもお店にはたくさんのハンガーが売られているんですね。みんな買っていたんだ。

本当ならば全てのハンガーを投げてみたいところだが、今回は中でも「飛びそう」なやつを選んでみた。


ダイソー(100円ショップ)のハンガー売り場。こちらも文句のない品揃え。

あとは投げるだけ

では早速投げよう。注意点としてはやはり他の人の迷惑にならない場所を選ぶことだ。道を歩いていて、飛んできたハンガーに当たってケガをしたらいろいろと納得できないだろう。今回は近所の海岸で投げることにした。


それでもなるべく人のいない時間帯を、と思い朝7時からやってきた。朝の海は気持ちがいいですね。

朝ならば人がいないだろう、と思ってやってきたのだが、犬の散歩の人たちが結構いた。

ハンガーを投げていれば人は寄ってこないが、犬は寄ってくる。今回の撮影中も大小さまざまな犬が興味を示して寄ってきて、そして飼い主たちに引っ張られ去っていった。


今回の主役、ハンガー。形的に飛びそうなやつを10種類ほど用意しました。新品なのにゴミっぽく見えるのはなぜか。
飛距離を測るための距離計。これを持って歩き回るだけでただの散歩が計測に変るという便利グッズ。一家に一台ほしいところ。

計測:ハンガーは重さ、大きさ、形などを計測して。
試技:投げる。

測定:投げたらおもむろに距離計を取り出して測る。
ここでーす。

驚くほどに手応えがない

ハンガー投げはフィンランドあたりですでに競技になっているんじゃないかと思って調べてみたのだが、そんなことはなかった。

「ハンガー投げ」で検索するとデイリーの記事がトップに出てくる。これ。しかもエイプリルフール用のうそ記事だ。こんなに投げやすい形をしているのに、なぜこれまでやられていないのか。

その理由は一本目のハンガーを投げたときになんとなくだがわかった。


ハンガーが飛んでいる絵は面白いんですけどね。

ハンガーは投げてもびっくりするほど「手応え」がないのだ。

ハンマーやヤリや鉄球のように「投げたった!」感が得られない。皆さんも一度投げてみてもらいたい。ふわっと上がってぽとりと落ちるぞ。そしてもちろんブーメランみたいに戻ってくることもない。その飛び方を見て、投げる瞬間に達する最高潮のテンションが一気に萎える感じがたまらなく物悲しいのだ。

それでも全部投げたらなにかわかるかと思ってやってみた。結果をダイジェストでどうぞ。


スタンダードな黒ハンガー。ダイソーにて2本100円。重さ61グラム。飛距離19.6m。
ハイテクブーメランのような形状のハンガー。ダイソーにて2本100円。重さ55グラム。飛距離13.5m。

無印良品のアルミ製ハンガー。重さ67グラム。いかにも飛びそうな形ではないか。
飛距離23.3m。現在までの最長飛距離をマーク。しっくりくる重さが回転力となって安定した飛びを見せた。

無印良品アルミ製ハンガー。3本320円。重さ36グラム。飛距離21.2m。
束ねられたプラのバンドは歯では食いちぎれませんでした(ハサミを取りに一回家に帰った)。

ハンガー投げコネタ。こうやって投げるよりも
こっち向きに持った方が投げやすい。

無印良品ポリプロピレン製ハンガー。260円。重さ130グラム。飛距離9.9m。
ダイソー木製ハンガー。100円。重さ129グラム。飛距離27.3m。

ハンガー投げコネタその2。フリスピーみたいな投げ方よりも
ブーメランみたいな投げ方の方がよく飛びます。あまり回転をかけようと意識しなくてもいいみたい。

ダイソー木製ハンガー。100円。重さ116グラム。飛距離29.6m。本日の最長飛距離をマーク。
無印良品ポリプロピレン製ハンガー。200円。重さ112グラム。飛距離13.4m。

結論

というわけで何本かハンガーを投げてみてわかったこと。

・ハンガーは軽いので投げる時に回転をかけづらい
・そのためか、ふわっと上がって風に流されてふらふらと落ちてくる感じの物が多かった
・ハンガーを投げると犬が寄ってくる
・ハンガーが空を飛んでいる絵はどこかおかしい


ハンガーを投げると犬が寄ってくることが判明。おかげで全部投げ終わるまでに3時間くらいかかった(その半分は犬待ちで過ぎた)。

ハンガーは投げる物じゃない

どのハンガーが投げるのに適しているかと聞かれれば、木でできた物がよく飛んだし投げたときの感触もしっかりしていてよかった、と答えるだろう。でも細いアルミ製のものやプラのハンガーのふわっと飛んでぽとんと落ちる感じも線香花火みたいな儚さがあって良いものだった。

全体を通して、結局ハンガーは投げるよりも服を吊すのに向いている、ということがよくわかりました。試してみたい方は人のいない広い場所で投げましょう。

この後熱中症で発熱しました。

 
 

 

 
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