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ロマンの木曜日
 
開けにくいパッケージとの戦い


こういう写真を撮り貯めてました

21世紀に入って既に10年が経過した。この間、人類の発展はとどまることを知らず、国際宇宙ステーションの建設、世界中に張りめぐらされた情報ネットワーク、ガソリンを使わずに走る自動車、3Dの映画やテレビの普及など、気がつけば我々はかつての「未来」があたりまえに存在する空間に生きている。

しかし、世紀が変わってもいっこうに変わらないものも存在する!それは「開けにくいパッケージ」である!

世の中のパッケージは開けられやすく造られているだろうか?否!それは前世紀から何も変わっていない!我々はいつまで箱を開ける苦労を乗り越えなければならないのか!食べたいものを口に運ぶまでにいくつの苦難を味わわなければならないのか!

人類が進化を続けるは歴史の必然である。ならば、すべてのパッケージはストレスなく開封できるよう造られなければならない!

諸君!今こそ立ち上がるべき時だ!すべてのパッケージの開けにくさをここに示し、前に進もうではないか!開けにくいパッケージを過去のものとするために!

萩原 雅紀



プリンが開けにくかった

大仰なリードを書いてしまいましたが(気持ちよかったー)、つまりは開封しづらいパッケージってあるよね、その悔しさをみんなで共有しましょうということです。開けにくさ共有。

昔から開けにくいパッケージがすごく気になっていて(理由とか構造とかいつ改善されるのかとか)、開けるのを失敗するたびに写真に撮っていました。逆に言えば、ふつうは「すんなり開いて当然」なわけで、開けやすいかどうか自体考えることがないのですが、いざ開けにくいパッケージに遭遇したときに「開けにくさ」を思い出すのです。その分、印象に残りやすいといえるかも知れません。

画像ライブラリに残っていたいちばん古い写真は3年前に食べたプリン。今でも鮮明に覚えています。ビニールのようなフタを剥がそうとしたら途中で裂けてしまった。こうなると剥がしづらいんだよなあ。


楽しみから一転、やや気が滅入る瞬間
チョコアイスもフタの薄皮が残ってしまった

人の期待を挫くかのように、裂けたり破れたりして残ってしまうフタ。

もちろん、多少フタが残ったって食べるのに支障はないし味も変わらないのですが、100パーセント「楽しみ」だけで構成されていたその日のデザートに、数パーセント疑念のようなものが混入してしまうのが悔しいのです。

お菓子のフタと言えば、僕が今まで出会った中でいちばんの強敵があの外国製ポテトチップス。


あの髭のおじさん

これ好きでよく食べるのですが、いままで無事に開けられたことがほとんどありません。たいてい紙フタと筒の内側の紙がくっついて、筒の外側と内側の間に新しい空間を造り出してしまいます。あれが僕にとっていちばん身近なブラックホール。どうしてあそこの糊はあんなに強力なんだろう。アメリカ人はあのスキマを見て何も思わないのだろうか。


フタに内張りがはりつく
あたらしい空間を造り出してしまった

別の味でもはりつく
まるで最初からこういう構造であるように

ちなみに、紙ブタはお菓子だけでなく、たまに生活用品にも紛れて牙を剥くことがあるので注意が必要です。


洗剤の紙ブタがビリビリに
長期間使うものだけにへこむ

糊づけされた薄い紙を破らないよう、慎重に慎重を重ねて剥がしていくのですが、それでもある瞬間にそれと分かる手ごたえ。今までの自分の慎重な動作は何だったのか、と、休日の昼下がりに薄暗い洗濯機の前で思わず自問自答してしまうのです。

 

あの超人気アイスの秘密

最近発売され、あまりの人気ぶりに販売を一時中止してしまったあのアイス。皆さん食べました?


まさか開けにくいとは思わなかったので一旦開けてからあわてて写真を撮った

僕も一度だけ食べたのですが(おいしかった)、2010年に新発売されたアイスのパッケージが、実は少し開けにくいのです!

でもこれは紙の強度ではなく、外観に起因する構造的な問題(大げさすぎ)。パッケージに書かれた開け方の図を見ると簡単に開封できるように見えるけど、実はこの図は大きな矛盾を孕んでいる。


図を見たときは何の疑問も持たなかった

パッケージの真ん中へんをぐるりと1周切って、上側のフタをパッと取れば食べられる。簡単そうだけど、これが簡単じゃなかった。


ぐるりと1周剥いて...
スポッ、と下が抜けた

下側が抜けた瞬間、何が起こったのか理解できなくて、でもすぐに状況を把握した。

だってよく考えたら逆三角形を包んでいる紙が上に抜けるワケがないのだ。中身はどんどん太くなっていくのに、パッケージの出口は細いままなのだ。


だからこんな風にぶら下がる

結局、上側のパッケージの紙を全部破いて食べました。アイス自体はおいしかったので、早く発売再開しないかなと思っています。


アイスはおいしかった
まわりのパフが粉々になりやすいので気をつけよう

 

もうひとつの定番開けにくい箱

「剥がすときに破れやすいフタ」のほかにもうひとつ、僕が昔から悪戦苦闘している開けにくいものがあります。それは頭痛薬などの箱によくある、「開け口」のミシン目部分。

35年も生きてきて、あのミシン目をうまく開けられたことがおそらく一度もない。


これうまく開けられる人いたら尊敬する

わざわざ一部分凹ませて切れ目を入れているわけだから、ここを押して開いた穴に指を引っかけて開けてね、ということなのだと思うのですが、これが押してもうまく穴が開かないのですよ(ね?)。


こうやって穴が開いたためしがない
結局箱が少しよれよれになるだけ

中には、見るからに指を入れるだけの大きさがない切れ込みの箱もあって、ひょっとして僕の開け方が根本から間違っているのではないか、という気がしてくることもあります。

特にこういう箱を開けようとしてるときって、1秒でも早く薬を飲みたいときが多いので、余計にうまくいかないのかも知れません。


僕は手が小さい方だけどそれでも小さい開け口
なんだかすごくいけないことをしてる気になる

そもそも、紙箱に切ってあるミシン目を押し下げて切り離すということは、そのミシン目の外側にある程度の強度があって、そこが支えてくれなければ不可能なことは明らか。でも、たいていの場合、開け口は箱としての強度がいちばん低い長辺側の中心に造られている。これでは押し下げたって、まわりがすべてへこんでしまってミシン目が切り離されないのは仕方のないことなのです。


レトルトのパッケージにもよくある
押してもミシン目のまわりごとへこんでしまう

箱は潰れたがミシン目にはダメージなし
結局最初からこうやって開ければよかったという結果に

でも、薬やレトルトの箱はまだいい。箱の容積に対して中身が小さいから、箱の中にも空間があって押せばへこむし、へこめばいつかは穴が開くだろう。

しかし、諸君は気づいているだろうか!世の中には押し下げる空間がないほど中身がぎっしり詰まっているのに、この開け口方式を採っている箱が存在することを!


この中に押し下げる空間なんてあったっけ

それがこのバランス栄養食の箱。この箱も僕にとって強敵で、やっぱり一度もうまく開けられたことがなかったと思う。押しても中のブロックに当たって押し下げられないのだ。これでどうやって開けろと!


と思ったらあっさり開いた
ミシン目が細かく改良されている!

思い切って指を押し下げると、気持ちよく箱に穴が開いた。こんなの初めて!

よく見ると、ミシン目の内側が破れやすいように切れ目が入っているし、箱の内側にも少しだけスキマがあった。いつからこうなったのか分からないけど、もしこれが開けにくさを認識した上での改良だったら嬉しい。

思わず取り乱したりしてごめんなさい。カロリーメイトは世紀を超えたよ!

 

親切心の逆効果

もちろんメーカー側だって開けやすくするための改良は常に行っているでしょう。しかし、中には開けやすくしたはずの改良があまり嬉しくないものも存在すると思うのです。

コンビニで売っているお弁当のフタを止めるテープ。僕はいままでその存在を認識したことがほとんどありませんでした。すなわち、言い換えれば開けにくかったことがなかった、ということだと思います。

それが、最近登場した「横からでも切れるテープ」によってその存在を初めて認識したのです。



 


真ん中の黄色いテープです

これ、横から指で引っぱると簡単にちぎれるテープで、一見すごく便利そうなのですが、切れる場所が必ずしもフタと本体の境目とは限らないのです。フタの部分で切れてしまうと、結局フタと本体はまだ繋がったまま。1ヶ所のテープを剥がすのに2回くらいテープを切らなければならないこともしばしばです。


これはちゃんと切れたけど矢印のあたりで切れると意味がない

また、切れたテープが指に絡んだり、切れなくて結局底から剥がれたり、本来のテープの性能を、貼るお弁当の業者側も剥がす僕たち側もまだうまく使えていないなーと思っています。

ふつうのテープでも、つまみやすいように端を少し折り返してくれるだけで十分なんだけど。


べっとり指に巻きついたり(指から剥がそうとしてちぎれることもある)
切れずに底から剥がれたり

そのほか、これはどうしようもないことだけど、バナナを食べようとヘタを持って剥こうとしたら、ヘタの根元がちぎれずにくたっと折れてしまったり、ゆで卵を剥こうとしてゆでた後水に浸しておいたのに殻に白身がくっついてボロボロになってしまったり、といった経験も誰しもあると思います。これもある意味「開けにくいパッケージ」なんじゃないかなあと思っています。

永遠に続く戦い

きっとこれからも開けにくいパッケージは存在し続けることでしょう。

このまま時間が経ったとき、結局パッケージが開けやすくなるのか、それとも人間が進化して開けにくいパッケージも開けられるようになるのか、行く末をしっかり見届けたいと思います。

そして誰にとっても開けにくい原点はティッシュの箱だと思う

「開けにくいパッケージ見たいわ」募集

最初に書いた通り、開けにくさを共有したいので、皆さんが開けにくいと思っているパッケージを見せてください。「ちょっと見てきて」の「見たいわ」コーナーに「開けにくいパッケージ」トピックスを立ち上げたので、ぜひ投稿してください。みんなで開けにくさにやきもきしましょう!

投稿は > こちら < から


 
 

 

 
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