そば屋と専門店
神社の前で売られているいなり寿司は、おそば屋さんが作っているケースと、いなり寿司専門のお店が作っているのと、大きく2タイプに分かれる。
いなり寿司専門なのがこちらの二ツ木さん。 持ち帰りの専門店で、まさにいなり一筋(のり巻きも作っている)。 初詣の時などはお店に行列ができるほどの人気だそうだ。
たべてもいいですか
というわけで、5軒で10種類のいなり寿司を買い求めた。 まだまだ他にいなり寿司をメニューに載せている店はあるのだが、食べきれる量の限界を考慮して、このくらいしにしておいた。
さて食べようか、と思ったのだが、そういえばまだ神社に参拝していなかった。 この神社の本殿は国の重要文化財だそうだ(上の写真は拝殿)。 いつもならこういう歴史のあるものにも興味を引かれるのだが、今はいなり寿司のことで頭がいっぱいだ。 空腹も限界に近づいているが、ここは手を合わせてからにしよう。
小船寿司
いきなり赤い毛氈の上で、急におめでたい感じになったが、境内のはじっこにあったお休みどころを借りて、いなり寿司をいただこうではないか。 最初に食べるのは、やはり最初に買った小船寿司のいなり寿司にしょう。
裏返っている方が「ゴマいなり」だ。 やや甘めの揚げに白ごま入りのごはんが合う。 これといって特別に珍しいというわけではないが、おいしいいなり寿司だ。 もう一つの「くるみいなり」は、ゴマと胡桃が入ったご飯になっている。 時々歯に当たるくるみの食感が目新しい。 ゴマとくるみの香りがうれしかった。
つの国や
続いては「つの国や」というそば屋さんのいなり寿司2種類。 まずは舞茸入りのいなり寿司。 舞茸も笠間の名物らしくて、他の店でも舞茸料理がメニューに並んでいた。 こちらの舞茸いなり寿司は、揚げは甘めに味付けされていて、舞茸がほんのり香る。 ちょっと高級感のあるいなり寿司だ。 ちなみにつの国やさんは、先代までは寿司屋だったそうで、いなり寿司はお手のものだと、元気のいいおかみさんが言っていた。
そしてもう一つはそばいなり寿司。 笠間のいなり寿司で、大きな二つの潮流になっているのが、くるみいなり寿司とそばいなり寿司のようだ。 そばいなり寿司というのは、その名のとおり酢飯のかわりに「そば」が入っているいなり寿司だ。 なんで揚げの中にそばを入れてしまうのか、どうにも理解できなかったが(詰まった酢飯のねっしりとした感じがいなり寿司のおいしさの重要な部分だと思う)、食べてみると意外においしい。 揚げの甘い感じが、たぶんさっと”つゆ“をからめてあるそばと混じりあうと、なるほどこれはアリですな。
松月庵
続いてもそばいなり寿司なのだが、松月庵さんのそばいなり寿司を食べた瞬間に、さっき感じた意外なおいしさの正体が見えた。 これは「冷やしきつねそば」だ。 松月庵のそばいなり寿司は、揚げがあまり甘くなく、それにキュウリが入っているので一層冷やしきつねっぽくなっている。 がぶっと噛みついて食べる冷やしきつねそばだ。