僕の頭のサイズは63センチ。市販の帽子はたいてい入らない。
そんな僕が帽子をさがす様子を7年前に書いた。「大きな帽子をさがして」という記事だ。
あの記事に登場したもうひとりの頭が大きい人は横山さん。その後、勤めていた新宿のライブハウスを辞めてニフティに入社した。デイリーポータルZもあのころから比べるとずいぶん大きくなった。それに僕も横山さんもふけた。
だけど頭は大きいままだ。
でも、大きな帽子しかない場所を見つけたのだ。(林 雄司)
それは岐阜だ
岐阜に大きいサイズ専門の通販サイトを運営している会社がある。そこは服だけではなくアクセサリー類も充実している。帽子もあるのだ。
でかい帽子がもう都内には手に入りにくいことを知っている我々は躊躇なく新幹線に乗った。
「頭は大きいままだ」。
英語の現在完了みたいな表現である。中学生のころ現在完了のニュアンスが理解できなかったが、いまならよく分かる。僕の頭のことだ。have been 大きいまま。
帽子専門ではなく、すべてが大きいのだ。僕の頭はすでにこのサイズなんだろうか。いや、ここまででは…。
これだけだとジャケットの大きさがわからないので比較の対象として僕が横に立ってもう1枚撮ってみた。
「林くんの頭の大きさ、後ろのジャケットとあんまり違和感ないかも…」
横山さんがショックなことを言うのでカメラのモニターを確認するとたしかにそんな気もする。いや、遠近感だ。近くにあるものが大きく見えるだけだ。横山さんはきっとまだルネッサンスが来てないから遠近感を知らないのだ。
遠近感、遠近感…。つぶやきながら入っていった。