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はっけんの水曜日
 
釣りギターでテレビ「ザ・フィッシング」に出演だ!

魚を釣るのは大丈夫

今回はキスという魚を狙う釣りなのだが、今の時期ならまったく釣れないということはまずない釣りだ。

この日は風がけっこう強かったのだが、道具にダイワのいいやつをスタッフから借りているので普通に釣れる。


記念に収録中だけど写真撮影しちゃえ。今なら林家ペーの気持ちがよくわかるぜ。

秋間さんの仕掛けを作ったり、魚から針をはずしたりする作業は、ライブでのローディー(サポート係)になったような気分で、内心うれしすぎてドキドキしている。長く憧れている人に、自分の得意分野で頼られるという幸福論。

このような釣りはいつもやっていることなのでいいのだが、問題はそれ以外の部分である。

 

釣り以外の部分がどうにもならない

釣り番組といっても、ただ釣りをしていればいいのではない。カメラの前で秋間さんとの関係を説明したり、釣った魚をみせてなにか一言いったりするシーンが発生すのだが、カメラを向けられるたびに見事に頭の中が真っ白しろすけ。エサの付け方を説明するのも、アオイソメの頭をとるべきかとらないべきか、そういう基本的なこともわからなくなってしまう。

求められているのはどれも前にテレビで見たようなシーンなのだが、「この人ダメだなあ」と笑っていたその人よりもさらにダメな出演者だ。向き不向きでいったら、テレビはまるっきり向いていない。こういうのを自然体でこなす秋間さん、磯貝さんってすごい。


ローアングルで秋間さんに迫るカメラマン。船酔いで倒れている訳ではない。

基本的に文字と写真でしか表現をしないライターにとって、映像への出演というのは未知の領域。文章はいくらでもあとから直せるが、しゃべりはそのまま放送してもらうしかない。

話す内容はもちろん、目線、表情、声の大きさ、イントネーション、会話の間など、気にしなければいけないことが多すぎる。あるいはそんなの気にしなくてもこなせる経験や適性が必要だ。


上が本命のキス、下が外道のアカタチ。ロックと釣りの融合というテーマにふさわしい、普段は釣れない見た目が派手な魚が釣れた。

すべてがガチガチのカミカミ。失敗しても「もう一回やらせてください」という根性もなく、撮影は粛々と進んでいく。

なんだかスタッフの方に申し訳なくなってくるが、たぶん秋間さんが釣りをしている様子が全国に流れるということだけで、この放送はOKなのだと思うことにした。

 

緊急事態発生

船の上で一通りの撮影をして、ようやく気持ちが落ち着いてきたというタイミングで、緊急事態が我が身に降りかかってきた。

さてその緊急事態とはなんでしょう。

1:道具一式を海に落とした
2:うっかり海に落ちた
3:クラゲが目に入った
4:海ガメが釣れた
5:ひげが伸びてきた


ヒントはこの写真。

正解は3番の「クラゲが目に入った」でした。

クラゲが目に入るというシチュエーションが理解しづらいかと思うが、海から上げた仕掛けにクラゲの触手が引っ掛かっていることがたまにあり、これを外しているときに飛び散った一部が眼球向かって一直線。なんの呪いだ。

この日はけっこう触手が引っ掛かってくるので、「これが目に入ったり、触った手で目を触ると痛いので気を付けてください」と秋間さんと磯貝さんに説明しておいたのに、注意した自分がこのザマである。


みるみる真っ赤になる右目。その痛みでついでに赤くなる左目。鏡代わりにデジカメで状態をチェックしたので写真が残っていた。5番の「ひげが伸びてきた 」も正しいが、これは別に緊急事態ではない。

痛い。目がとても痛い。足が痛いとかなら自分が我慢すればいい話なのだが、「目が痛い=目が赤い」なのがよろしくない。 しばらくは黙って釣りを続けていたのだが、目の赤い男が映っているのも迷惑なので、さっさとカメラからフレームアウトさせていただく。


とりあえず怪我をしたのが私でよかった。クラゲの触手が目に入ったのなんて人生初。この辺の運の悪さと今後も付き合って生きていくのかと思うと、ちょっと海に飛び込みたくなった。でもライフジャケットを着ているから大丈夫!

 

釣りには目薬を持っていこう

さて困った。これが陸での個人的な釣りだったら、さっさと撤収して眼科へと行くところだが、残念ながらここは海の上。

とりあえず洗い流そうと、心配している番組スタッフにいただいたミネラルウォーターのキャップに水をためてアイボンのようにパチパチとやる。


俺のアイボン。

さらにカメラマンからVロートをお借りして、ボタボタと容器の半分くらい刺しまくり、どうにか痛みから回復。目薬ってすごい。

今後、釣りに行く時は、必ず目薬を持っていこうと思った。


いやあ、死ぬかと思った。みんなもクラゲの触手には気をつけよう!

それでもまだちょっと目が赤かったので、似合わないサングラスをして釣りに復帰した。偏光のサングラスは目の充血を隠せる上に、乱反射する海上でも釣り糸が見やすくてとても便利だ。


放送で似合わないサングラスをかけているシーンがあったら、「この下に赤い目があるんだな」と思ってください。

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