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土曜ワイド工場
 
会社のある日に観光をする


観光というのは休日にするもんだとアナタは決め付けてはいまいか。まあ僕もそう思うのだが、観光は楽しいのだから休日に限定しなくてもいい気がする。

ちゃんと定時に会社に行き職務さえまっとうすれば、会社がある平日だって積極的に観光を楽しんでいいはずだ。

榎並 紀行




観光の合間に仕事する

まわりくどく書いたが、ようするに

早起きして観光

会社で働く

退社して観光

ということだ。こう書くと、いかにも観光の合間に会社に行くようで印象が悪い(その通りなんだけど)。サラリーマンとしてはよくない姿勢かもしれないが、考えてみれば観光するのはサラリーが発生していない時間なのだから胸を張って楽しもうと思う。


まずは築地市場へ

勤めている会社の始業時間は9時45分。一般的な会社に比べやや遅めのスタートなので早起きすれば、会社が始まるまでに観光を楽しむ時間はたっぷりある。


只今、早朝5時21分

ふだんは電車に乗る5分前まで寝ているのだが、この日は早朝に目覚め、1時間後には最初の目的地である築地市場に到着。たまらなく眠い。

朝もはよから結構な数の観光客
築地市場観光の目玉ともいえるマグロのセリ見学はGW明けまで中止。そういえばニュースでやっていた

築地市場といえば日本最大級の魚河岸。東京を代表する名所だ。早朝にも関わらず最寄りの築地市場駅には多くの観光客がいた。外国人の姿も目立つ。

まさにプロの現場という雰囲気

場内が最も生き生きと活動するのは早朝の5時〜6時くらい。仲卸人と飲食業のやりとり、フォークリフトが行き交うプロの現場は眺めていて飽きない。

しかし、そうした情緒を楽しんでいるヒマはあまりない。じつは会社始業前の観光を効率よく楽しむために、まわる観光スポットの滞在時間を事前に決めていて築地市場の持ち時間は20分。ここでは朝食もとる予定なので、見学はほぼ10分で済ませた。

この時間からやっている店も多い(店内撮影不可)

場内には寿司屋や定食屋など食事処も点在し、5時台から営業している店も多い。そのうちの1軒で海鮮丼を(10分)で食べ、築地を後にした。

■築地市場/滞在時間20分


次の観光地へ急ぐ

早朝のゆりかもめ

築地市場駅から大江戸線で汐留駅まで行き、ゆりかもめに乗り換える。お台場など湾岸エリアを走るゆりかもめは無人で自動運転を行う「新交通システム」を採用していて、運転席がない。

よって車両の先頭部分の座席は目の前が窓という特等席。普段は埋まっていることが多いのだが、じつは前々からここに座ってみたかった。早朝で乗客は僕の他に数名。余裕で特等席を確保できた。

憧れていた先頭の座席
レインボーブリッジの下を通るときがハイライト

大江戸温泉物語

ゆりかもめに揺られ15分。やってきた次の観光スポットはお台場の「大江戸温泉物語」だ。グルメの次は温泉。これぞザ・観光といえる。

巨大な温泉テーマパークである「大江戸温泉物語」は午前11時から翌朝9時までの営業。入館は早朝7時までなので、ギリギリで間に合った。

始業時間までまだ3時間もある
江戸時代をモチーフにした温泉テーマパーク

館内で浴衣に着替え、早速風呂場へ

広々とした大浴槽に露天風呂、ジャグジー、サウナなどを備える浴場。寝湯のジャグジーで体を横たえながら目をとじると、心と体がゆっくりほぐされていくようだ。気持ちがようやく観光モードに切り替わってきた。

※浴場撮影禁止のため入浴イメージ(顔のみ)

湯上り後にはマッサージも堪能した。忙しい平日(今日も平日なんだけど)の疲れが優しく癒されていく。ここではたっぷり1時間30分、至福の時を過ごした。

■大江戸温泉物語/滞在時間90分


※マッサージイメージ

東京タワー

始業前観光の最後を飾るのは東京タワー。最近、新東京タワーことスカイツリーにすっかり押されている感もあるが、東京観光といえば欠かせないスポットだ。

時間的に、世間はだいぶ「平日」の様相を呈してきた

東京タワー

東京タワーといえば、都心を一望できる中腹の展望台であるが、オープンは9時。会社の始業に間に合うためには9時20分の電車に乗らなければならず、移動の時間も含めると滞在時間は10分くらいしかない。かなり急ぎ足の観光を余儀なくされる。

オープンと同時に
展望室へ一番のり

都心の眺望を一瞬で堪能
下が覗ける「ルックダウンウインドウ」

土産物屋をひやかして
観光終了。急ぎ地上へ戻る

かなりの駆け足だが10分なんてこんなもの。館内にある蝋人形館やトリックアートなど、本当はもっとタワーを堪能したいが、始業が迫っているので断念。会社にだけは遅れない。それが平日観光の唯一にして絶対的なルールなのだ。

■東京タワー/滞在時間10分


会社には間に合いました

ということで、始業時間には間に合った。ここからは通常の平日と同じくまじめに仕事に取り組む。

言っておくが観光の合間に仕事しているからといって、観光気分で仕事をしているわけではない。むしろいつもより真剣に取り組む所存である(誰に向けた所存なのか)

ということで、今日もよく働いた

いつもの平日と変わりなく業務と残業をこなし、会社を出たのは午後9時。すっかり夜も更けたが、晴れて自由の身だ。さあ心おきなく観光の続きをしよう。

やってきたのは浅草

やってきたのは浅草の浅草寺。ここを今回のラスト観光としたい。

昼間は大勢の人で賑わう雷門や仲見世もこの時間帯になると静まりかえっている。


浅草寺の参道にあたる仲見世もほとんどの店が閉まっていた

仲見世を歩いて浅草寺を参拝。いつもなら人混みをかき分け10分かかる本堂まで30秒で着いた。

回収工事中の本堂を参拝

背後では五重塔や仁王門が美しくライトアップされている。

回収工事中の本堂を参拝

夜の参拝もなかなかいいものだ。なんせ人がいないので落ち着いて観光できる。早朝もそうだが、観光のオンタイムを少し外すだけで人気スポットをこんなにも独り占めできるのだ。

■浅草浅草寺/滞在時間30分

平日の観光は意外と楽しかった。

平日観光のいいところは

・早朝や夜遅い時間なので観光スポットが空いている

・限られた時間を効率よく使おうとする

・ほとんどお店が開いていないのでお金をあまり使わない

浅草雷門にて

仕事術みたいな本を読むと「早起きして、朝の時間を有意義に使え」みたいなことがわりと書いてある。その意味では朝5時に起きて観光をし見聞を広めるのも、ビジネスマンとして有意義な時間の使い方かもしれない。


 
 

 

 
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