早速そのしきたりにしたがって、まず麺を食べた。
ジャージャー麺とはちがってうどんのような麺だ。
肉味噌がそれほど甘くなく、僕は一般的なジャージャー麺よりもこの盛岡じゃじゃ麺のほうが好みだ。
ただ、非常にシンプルな味付けなので、テーブルに並んだ調味料を自分の好きなように加えて、味を作ってゆくのが地元の人の食べ方らしい。
僕もニンニクとお酢とラー油を入れて食べてみたところ、そのまま食べるのとは大きく違う、別の食べ物といってもいいくらいの変化があった。
これはこれでまたおいしい。
麺を食べ終わったところで、おもむろに卵を割り入れてとき、「すいません、チータンタン(鶏蛋湯)お願いします」と言うのだと櫻田さんに教わっていたので、それに従った。
店員さんはお皿を持って厨房に入り、数十秒後にふわふわ溶き卵汁の入ったお皿を持ってきてくれた。
なんだかものすごく楽しい。
アトラクション性のある食べ物だ。
この状態で汁に味はついていないので、また自分で肉味噌なり塩コショウなりを加えてからいただく。
うちのおじいちゃんは、ご飯を食べたあとの茶碗にお湯を入れて飲んでいた(その延長なのか、食べ終わったアイスの容器にお湯を入れて飲んでもいた)が、このチータンタンというのはそれに似ている。
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