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ロマンの木曜日
 
地下水を川まで運ぶパイプライン


地下水が流されている

デイリーポータルZ編集部のある東京大森の近くに立会川という川がある。
コンクリートで護岸され、大部分が暗渠となっている典型的な都市河川なのだが、流れている水の多くは、この川の水ではないというのだ。
なんでも東京駅付近の地下水が流れているらしい。

工藤 考浩



水中の駅

千葉と横須賀を結ぶ「総武・横須賀線」という鉄道路線がある。
この路線は東京駅とその前後が地下トンネルになっている。
そのトンネルが、地下水の影響で大変なことになっているらしい。
その大変なことになっている地下水を、わざわざパイプラインを引いて、立会川に流しているというのだ。



より大きな地図で 総武・東京トンネル を表示
 

地下水上昇問題

東京駅は、もともと海に近いこともあり、地下水位が相対的に高く、地下水上昇によるホームの浮上問題にさらされている。

特に地下総武線ホームは、丸の内側ロータリー直下にあり、上に建物などの構造物がない(地下水浮力による地下駅部分の浮き上がりを押さえ付けるおもりがない)という構造上の条件から、特に浮上の影響が顕著である。
かつての相次ぐ地盤沈下により地下水の汲み上げが条例により禁止されており、このことも地下水位上昇の理由となっている。
地下総武ホームではホームが地下5階なのに対し、地下水は地下3階付近まで達している。

1999年9月には、浮上防止策として、ホーム階に鉄製おもりを置いたり、アンカーを打ち込む工事が行われた。

その後、当駅から品川区の立会川まで導水管が敷設されている。
湧出地下水をそのまま下水に流すと下水道料金が課金されるため、支払料金を軽減したいJR東日本と、典型的都市型中小河川で通常は水量が少なく悪臭などを発生する立会川の問題を解決したい東京都の思惑が一致した。東京駅から立会川上流部までの導水管建設費用をJRが負担する代わりに、湧出地下水を立会川に放水することで下水道料金負担がなくなり、結果として水量の増加と悪臭の発生防止が図れるという仕組みである。
同様に、上野駅新幹線地下ホームの湧出地下水が、不忍池への導水管により放流されている。

Wikipedia「東京駅#地下水上昇問題」(2010/3/28 09:04 UTCの版) より引用


ほんとにつながっている

なるほど、それは大変だ。
どうぞ立会川に流しておくれ。
ということで、そのパイプラインがどうなっているのか、確認してきた。


左の青いパイプが地下水導水管

確かに地下トンネルの脇に青いパイプがずっと走っている。
これがどうやらその導水管らしい。
トンネルの壁際、いちばん膨らんでいるところに沿って、ずっとどこまでも続いている。


言われてみると、あとから取り付けたっぽい

トンネルが切れる品川駅付近から、このパイプは京浜東北線・東海道線という別の路線に沿うようになる。
電車の窓からみても、青いパイプはよく目立つ。
僕は通勤に京浜東北線を使っているのだが、これが地下水を運ぶパイプラインだと知ったときは驚いた。


障害物を避けつつ
ときどき地下に潜もぐったりしながら

地上に出て4.5kmほど線路沿いを併走している。
そうとは知らずに眺めていたが、東京駅を守る生命線だったのだ。


ずっと続いていた

立会川が暗渠から流れが顔を見せる付近で、青いパイプラインは地中に隠れた。


ここが最後
地中へと向かっている

そして、恐らく下の写真のような経路をたどって、立会川に近づいて行く。


想像図

より大きな地図で 月見橋付近 を表示
 

ここで地下水は立会川に注がれるのだが、残念ながらその様子はシートに目隠しされていて見ることができない。


あの幕の向こうで排水されている

ゴーッと言う大きな水の音が聞こえる

このシートの向こうで、東京駅からはるばる旅してきた地下水は、立会川に注いでいるのだ。
ここより下流の立会川は水量もあり、とくに悪臭のようなものは感じられなかったので、地下水は功を奏しているのだろう。


監視カメラがあった
なにかの作業をする人たち

その証拠に、といっていいのだろうが、排水事業がスタートした翌年に、立会川にボラの大群が遡上し、ちょっとしたフィーバーになった。
ワイドショーや当サイトでも取り上げていたので、ご記憶の方も多いだろう。
(当時の様子を解説した記事が読売新聞のサイトに掲載されている→こちら


静かに流れている



やらないよりはいい

東京駅から運ばれてきた地下水には、少しだが塩分が含まれていて、本来の立会川とは違う水質になっているそうだ。
立会川の水質問題の、根本的な解決策にはならないのかもしれないが、川に魚の姿が戻ったのは、何もしないよりはいいことなのではないだろうか。

この記事はエイプリルフール企画のために作ったうその記事です
本文中、黒太字の箇所が嘘なのでご留意ください


 

 
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