さあさあ。ここからが見せ場だ、まあお聞きなさい。
敵に追われた家来が外から逃げ帰ってくるとしよう。すると左の戸を開けて入り、すぐUターンして右の戸を開けて別棟へ逃げ込む。そのとき、敵に見つからないようその戸をぴったりと戻す、という必要はない。
敵は重なった左右の戸を一緒に開けないと入れないことになるが、まさか自分が閉めた戸で別棟への入り口を隠してしまったとは思わない(上右の写真のようになる)。しかも慌てていることもあり、この辺の構造がどうなっているか知るよしもない。
というわけで、ここで追う者と追われる者の立場が瞬時に逆転するというわけだ。伝わったでしょうか?伝わったらどうかオフィスでも人前でも臆することなく感涙してほしい。
普段のお客様もここで皆感動するという。目に見える仕掛けということではなく、こういったロジカルな仕掛け、人間の行動や心理の隙をついた仕掛けに気づかされ、震えるほど感動し、この時の私は「いつの時代も飛びぬけた発想をする人っていますよね、信長なんかも・・・」と、関係ない人物の名前まで出して興奮を表してしまったのだった。 |