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はっけんの水曜日
 
金沢にある“忍者寺”が面白かった!

いたたたた

きわめてナチュラルビューティな鍵に感心したあとも、引き続き内部を回る。


井戸の深さは24〜5mもあるが、水面から3〜4mのところにある横穴が、お城に続いているという。
井戸を囲んで、ぐるっと部屋が囲んでいる。

薄暗い廊下や階段を行くと、パッと明るい場所に出た。下左の写真。明かり取りの障子が、現代で言うところの“和モダン”かのような雰囲気を醸し出している。

「ここは、明かり取りの他にもうひとつ役割があるんです。敵の足が障子に映るので、そこを攻撃できるんです。」

明かり取り、和モダン、その次にいきなり「敵」という言葉が!まあここ忍者寺ではすっかりおなじみの言葉ではありますが。


ここ、実は階段を裏から見たところでした。
外から見ると、この通り。障子張りでちょっと変わってるな、くらいの印象。

敵、ここを知らずに駆け上がると、どうなっていたか…槍や刀が、足をめがけてザクザクと…あわわわ。ここ忍者寺で一番痛い想像をした場面である。

 

年を取ると涙もろくなります

や、また感動ポイントにさしかかるところだ。ここは私が今回最も感動し、しかも取材というのに思わず涙ぐんでしまったという素晴らしき仕掛けなのである。

が、最初に言っておくが、地味ではあるので、畳バーン!大凧ブーン!みたいな絵はくれぐれも想像しないように。


はい、おなじみ、戸板です。
向かって左側の戸を開けると、外です。

向かって右側は別棟に通じます。
敵が攻めて来ると、まずこうやって戸を開ける、ということは…。

さあさあ。ここからが見せ場だ、まあお聞きなさい。

敵に追われた家来が外から逃げ帰ってくるとしよう。すると左の戸を開けて入り、すぐUターンして右の戸を開けて別棟へ逃げ込む。そのとき、敵に見つからないようその戸をぴったりと戻す、という必要はない。

敵は重なった左右の戸を一緒に開けないと入れないことになるが、まさか自分が閉めた戸で別棟への入り口を隠してしまったとは思わない(上右の写真のようになる)。しかも慌てていることもあり、この辺の構造がどうなっているか知るよしもない。

というわけで、ここで追う者と追われる者の立場が瞬時に逆転するというわけだ。伝わったでしょうか?伝わったらどうかオフィスでも人前でも臆することなく感涙してほしい。

普段のお客様もここで皆感動するという。目に見える仕掛けということではなく、こういったロジカルな仕掛け、人間の行動や心理の隙をついた仕掛けに気づかされ、震えるほど感動し、この時の私は「いつの時代も飛びぬけた発想をする人っていますよね、信長なんかも・・・」と、関係ない人物の名前まで出して興奮を表してしまったのだった。


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