ワッフルを食べていて、私は実家近くの山間を走る道路を思い出していた。
左側は谷で、川が流れている。そして、右側は崖だ。かなり垂直に近い崖を覆うのは……! そうか、その壁が「法枠工」をほどこされているのだ!
「法枠工」とは枠を崖に作って崖崩れを防ぐ工事のこと。高速道路などでもよく見かけるあの崖だ。
そういえば考えてみれば恐ろしいほどにワッフルそっくりだ。ならば、ワッフルで作るしかないじゃないか。
(text by 古賀及子)
これがワッフルの崖だ
あの崖をワッフルで作る前にまずは本物をごらんいただきたい。
写真は以前法枠の崖を取り上げたT・斎藤さんの記事「脳みそがぐにゃぐにゃになりそうな画像」)のもの。
斎藤さんの記事では白黒に加工して異様な雰囲気をかもし出しているが、今回はそのときに撮影したカラーの写真を提供してもらった。
似てる!
私のパソコン、いま「似てる!」とタイプしたら即座に「煮てる!」と変換した。そこを間違えるくらいなので、たぶんこのパソコンは斎藤さんの崖の写真とさっきファミリーマートで買ってきたワッフル(上)の写真を同じものととらえていると思う。
それくらい、あの崖とワッフルは似てる(煮てる)と思うのだ。これはどうしたことか。
どうしたことか、というか、崖の工事法もワッフルも、必要でそのような形になったら偶然似てしまっただけなんだろう。
崖とスイーツというものすごく遠いところにいる2人がドッペルゲンガーしたもんだ。
ここまで似ているだけに、あの崖のことを「ワッフル」と呼ぶ方は世の中に少なくないようだ。ネット検索でもちらほらと見つかった。
名前はわかんないけど、どう呼ぼう? と思ったときとっさに「ワッフル!」と思いつくぐらいの相似性なのだ。
もっともっとあの崖なワッフルを焼こう
私がこのそっくりさに「あっ」と気づいたのは先日、友人宅でワッフル焼き機で目の前で焼いてくれたワッフルを食べたときのこと。
ちょっと焼きに失敗したもののヨレ具合が絶妙にあの崖だったのだ。
そうだ、自分で焼けば、質感も色も(!)思い通りにあの崖を再現できる。
ワッフルは普通こんがり焼けたキツネ色だが、自分でならグレーのより法枠工風のワッフルが焼けるはずだ。
そう思っていそいそとワッフル焼き機を買おうとしていたら、なんと編集部安藤さん宅でお持ちというじゃないか。
なんの投資をしなくても、食材費だけであの崖が再現できる。すばらしい国、日本である(うれしくて気持ちが大きくなりすぎてますが、このテンションのまま先へ!)。