タチウオという魚の表面は、ギラギラと銀色に輝くグアニン箔という膜で覆われており、昔はこれを使って模造真珠を作っていたそうだ。
別に模造真珠は必要ないのだが、タチウオからできると聞くと、つい作ってみたくなるのが人情というもの。
試してみた結果、エイリアンの卵みたいなものができました。
(玉置 豊)
タチウオを釣ってこよう
真珠を作るためには、まずピカピカした新鮮なタチウオを用意しなければならない。魚屋などでもタチウオは売っているが、すでにグアニン箔がはがれているものが多く、なによりタチウオは買うと高い。
そこでどうするかというと、船に乗って釣ってこようという話になる。そう、私はタチウオ釣りにいきたかったのだ。
浅場をライトタックルで攻める夏のタチウオ釣りはとても楽しい。ここで釣りレポートを4000文字くらい書きたいのだが我慢して、結論だけ書くとたくさん釣れた。
釣りたてのタチウオの輝きは素晴らしく、なるほどこれなら真珠が作れそうだ。
グアニンをとりだす
釣ってきたピカピカのタチウオをまな板に寝かせて、軽くキッチンペーパーを押し当てて水分を拭き取る。バターナイフ的なもの(ここではあさり剥きという道具を使用)を押し当てて、尾っぽの方からグアニン箔をはがしていく。
魚の一部とは思えない工業製品的なものが集まっていくのが楽しい。真珠もアコヤガイから採れるから、それと近い話ではある。
そのまま絵具として使えそうなグアニン。絵心があったらタチウオの絵でも描きたいところだ。