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東急メディアコミュニケーションズ


ちしきの金曜日
 
そのへんの枯れ草で納豆を作る

ドキドキの恒温器オープン!

24時間後。


水滴びっしりの恒温器。たのもしい。

恒温器を開けると、ふわっと漂う枯れ草の匂い。
そしてそれに混じって香る、かすかな納豆臭。
これは、できているのかもしれない。期待に胸を膨らませ、そうっと枯れ草わらづとを開いてみると、


できてる! ギャー! 納豆できてる!

驚くぐらいの納豆的なルックス。
てゆうか納豆だ。匂いも見た目も納豆だ。これはいけるかもしれない。
僕はおそるおそる枯れ草納豆を試食してみた。


喰えんのかな……。これ、喰えんのかな……。

うめぇ! これ納豆だ! うめぇ!

まるで、納豆をはじめて発明した人のような気分である。
うまいのだ。
煮た豆を枯れ草に包んで、一日あっためておいたものが、元の豆より格段においしくなっているのだ。感動である。

精製した納豆菌で作った市販の納豆を、近代納豆という。まっとうに稲のワラで作った場合でも、いわゆる「わらづと納豆」は、納豆菌以外の枯草菌が繁殖するため近代納豆に比較して粘りが劣る、と聞いていた。
たしかに枯れ草納豆、粘りは劣るが、想像よりもずっとよく粘る。触ってもねばっとするし、口に入れたときの食感もねっとりとしている。
納豆だ、これ納豆だ。

 

枯れ草1〜3まで比較。

せっかくなので、枯れ草1〜3までのちょっと大きな写真を載せよう。


左から順に枯れ草1(不明)、枯れ草2(ムギ系)、枯れ草3(ススキ系)。


枯れ草1。ちゃんと納豆。
枯れ草2。しっかり納豆。
枯れ草3。がっつり納豆。


混ぜると意外に粘ってくれる。

どれもしっかりと納豆になっていた。味のほうは正直、そんなに大きな差があったようには思えなかった。うまみの深い、納豆の味である。
折りしも昼飯時だったので、めんつゆをかけて食べてみた。
あらためて味わうと、市販の納豆とはまた、別の物のように感じる。納豆独特の臭みは全てワラに吸い込まれ、代わりに草の香りがほんのりと納豆に移っている。まさに自然の食品を食べているな、という味がして、にわかにナチュラリストな気持ちにさせられる。

ちょうど、昨日納豆を仕込んでいるところに居合わせた先輩の先生がいたので食べてもらったところ、評判は上々であった。枯れ草納豆、大成功と言えるだろう。

 


うまいうまい! 枯れ草納豆うまい!

悪くないね、と先輩の先生からも評判。
怖がって距離を置く生徒。でもこのあと少し食べてた。

試食から1日経った今、この原稿を書いているが、特に体に変調をきたした様子は無い。あれは、まごう事無き完璧な納豆だったと言えるだろう。

ただ、一点ぐらい反省するとすれば、枯れ草の煮汁の苦味が納豆に乗り移り、後味にえぐ味が残ってしまったことだろうか。でもこれは、枯れ草を二度煮すれば容易に解決できる問題だろう。

これを読んだ中高生のみんな、今すぐ枯れ草をゲットして、夏休みの自由研究に備えてくれ! どうにもこうにも発酵食品なので、100%安全とは言い切れないが、とりあえず伝統製法に従ってるので大丈夫だろう。雑草に多いイネ科の植物に、毒草はほとんどないから、そのへんに生えてるやつでたぶん平気だ。
さあ、やってみよう!

レッツ・メイク・ワラヅト、アーンド、枯れ草納豆!!

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