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ロマンの木曜日
 
ホッピーに合う焼酎はどれだ


ミニ五郎

次に試したのは、とにかく飲めればいいという方にはおなじみの大五郎のカップサイズ、ミニ五郎だ。
焼酎のワンカップを飲むようになったらステージアップだな、と僕は思っている。
 
それはさておき、先ほどのキンミヤもこのミニ五郎も、どちらも甲類と言われる焼酎だ。
芋焼酎とか麦焼酎とか、本格焼酎に当たるのが乙類で、その違いは蒸留方法にある。
 
乙類は単式蒸留という、1回しか蒸留しない方法でつくられているので、素材の味や香りが残っている。
それに対して甲類の焼酎は何度も蒸留されるので、素材の味がのこりにくい。
 
ということは、安い材料を使って作っても味に影響が少ないので、結果的に(他にもいろいろ理由はあるが)安い焼酎を作ることができる。
なので「とにかく」というタイプの人に愛されているのだ。
 
甲類の焼酎を日常的に飲む人なら説明するまでもない当たり前のことなのだが、たぶん世の中は僕のような人ばかりではないと思うので一応解説した。


味なんてみんな一緒なんじゃねえの

とはいうものの、甲類の焼酎にもすこし味の違いがある。
大五郎よりももっと安い焼酎は、そのまま飲むとやっぱりまずい。そして大五郎より高い焼酎はそのまま飲むとやっぱりうまい。
でも、その差は乙類焼酎に比べるとぐっと小さいものだ。
 
だから、大五郎でもキンミヤでも、ホッピーで割っちゃえばおんなじだろう、と思っていたのだが…


あ、ちがう


思ったよりも味の差が

ミニ五郎のホッピーを一口飲んで、はっきりと味の違いがわかった。
ミニ五郎のほうが淡泊だ。
だんぜんキンミヤのほうがうまい。
甘みがあって、飲み物としてのまとまりがいいような気がする。
もちろんミニ五郎割りがまずいわけではないのだが、こんなに違うものなのか。
試しに割らずに飲み比べてみたが、ホッピーで割ったのほど味の違いはなかった。
たぶんアルコールの強さに風味がごまかされてしまうんだろう。



眞露


キンミヤと同じくらいの価格帯

とはいうものの大五郎とキンミヤでは価格帯が違う(キンミヤのほうがちょっと高い)。
それでは不公平だということで、キンミヤとだいたい同じランクの焼酎「眞露」で味を比べてみよう。


見た目はほぼ同じ

驚いたことに、眞露ホッピーもかなり味に違いがあった。
ホッピーの苦みが強いように感じた。
眞露が苦い焼酎だというわけではないのに、この違いはなんだろう。
やはりホッピーはキンミヤと合わせたときのバランスがいいということなのだろうか。
ふしぎなのだが、キンミヤがうまい。


芋焼酎


お湯割はすごくうまい

では乙類の焼酎ではどうなのだろうか。
甲類に比べて風味が強く、味の差が出やすいはずだ。
ひょっとするとキンミヤを越える相棒が見つかるかもしれない。
まずは本場鹿児島の芋焼酎「さつまおはら」で試してみた。


これはなしだわ

僕は芋焼酎も好きなのだが、ホッピーとの相性はイマイチだった。
というか、完全にアウトだ。
せっかくのさつまおはらがもったいない。
芋の香りがありすぎて、ホッピーの苦みと大げんかしている。


そば焼酎 雲海


飲むといつも川中美幸の歌が聞こえる

続いては、たまたま家にあったそば焼酎雲海を割ってみる。
さっきの芋がだめだったのであまり期待していなかったのだが、これがうまいのだ。
ホッピーの味がくっきりする感じだ。
キンミヤとはまた違った調和で、そば焼酎の香りがほんのりと残っているのが、ホッピーを引き立てている。
思いがけない偶然だ。
街中でばったり幼なじみに会ったような味である。

お、いけるねこりゃ

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