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はっけんの水曜日
 
揺れ具合を測定して寝台「北陸」にサヨナラ

カウントダウンはすでに始まっていた

上野に定刻30分前くらいに着き、飲料・食物を調達する前に出発ホームを覗いてみた。すると。


上野に着いた初めは、まあこんな感じ(それでも以前乗ったときよりかなり多い見物人・撮影人)。
そして列車が入ってきたあと。

いつの間にか、周囲には かなりの人だかりができていた。いよいよ廃止というその日より1ヶ月も前なので、さしたる混乱はなかったが、当日になったらどれほどの人が押し寄せてくるのだろうか。皆、理性を保ちつつ見送りできますように。

自分は取材で乗るんだ、惜別の1シーンを撮りに来たんじゃないんだ。と、かっこつけつつも、ついチラチラと写真を撮ってしまう自分がいる。



ゆ、浴衣の搬入なんて、珍しくないんだからねっ!
わ、私はホーム突端で待ち構えたりしないからねっ!たまたまいたところで適当な構図で、知らないおじさん入れて撮っちゃうんだからね!

こらえつつ自室にいそいそ滑り込むと、もうメロメロだ。せ、せま〜い!(狭いところ大好き)


ドア開けるなり目の前にドーン!

今回初めて2階に乗る。見よこのコンパクトっぷり。
2階なので、車体屋根のアールが室内を直撃だ!せま好き(セマズキ)にはこれでオールオッケーだ。

車窓には撮影青年、それを「いいだろー」的目線で上から撮り下ろす私。
いいだろー的自分撮り。仕事の前のひとときの贅沢である。

ちなみに、どれだけ揺れるものなのか動画を撮ったのでご覧いただこう。



カメラをなるべく固定して撮ったつもりだが、そこそこの揺れではないかと思う。もちろんずっとこの揺れではなくて、ところどころ連続的な場所があり、その場所がこれまたしばしば襲ってくるもんだから、浅い眠りで金沢に着くというわけである。

 

カウンティング・ホクリク・ナイト

さて、さあ、仕事だ。酔ってそのまま気持ちよく眠りにつくわけにはいかない、仕事だ仕事。これをかぶって眠りにつくぞ。結局眠りにはつくわけだな。


寝台揺れカウント帽「寝カウ(ネカウ)さん」。 ニカウさんと、かけています。

装着して、手でしかるべき位置に微調整。では…おやすみなさい…。
そして5時間後…高岡付近は、濃霧だった。

車内アナウンスの止まったあと、12時ごろには就寝。そしてアナウンスの始まる頃、朝5時に起きてみた。といっても、「頭に何かつけてる」「そこにはカウンタもついてる」「だいいち車体が揺れる」それらのコンボでほとんど寝てない。今日も白目旅行だなこりゃ。

さて…果たしてカウンタは機能していたのか?恐る恐る、薄明の中、数字を見てみる。



おお、数取れてるな。114回。
114回…5時間で…114回か…なるほど。

5時間で114回。1時間で約23回、2〜3分で1回の揺れ、という結果になった。「まあ、そんな感じじゃない?」ってな結果である。微妙だ。

しかし、途中ほぼ揺れのないところもあったと思うし、明け方に富山近くなってからガガガガガッと揺れが集中していた気もする。…だから何だってんだ。

カウンタ自体、もしかしたらカウントし過ぎだったりしなさ過ぎだったりするのかもしれないし、などと言い出すと世の中には確かなものなどなくなってくる気がするので、あとは最後の「北陸」を味わうとするか。

やっぱり個室では自由に過ごしたいやねー。

私なりの、「北陸」廃止までの“カウント”ダウンだ。実際、他の寝台車でもこんな感じなのかも知れず、ならこの企画はいったいなんだということにもなろうが、これが「北陸」の生きた証のひとつ、とでも思っていただければ幸いである。

他の寝台車でもやってみようとは思う。

 

おまけ

金沢に、「ビーバー」というびっくりな名前の“おかき”があった。


「ビーバーの歯の形と、菓子を2個並べた形がそっくりだったので名づけられた」とある。なぜそこでビーバーを思い起こせたのかが知りたい。
左のいい感じの段ボール細工は、このマークから。顔にタテ線。

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