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はっけんの水曜日
 
氷柱に抱きつこう! もんべつ流氷まつり

氷柱ガマン抱きつき大会開始

さて、いよいよ「氷柱ガマン抱きつき大会」のエントリーが開始されました!

ボクらは取材申請をしていたので、あらかじめエントリーしておいてもらえたんですが……。

北村「名前、ハヤシシュウジって書いてありますね……」
林「まあ、別にいいかぁ……」

多少名前が違ったって困るような大会じゃないでしょうからね。ボクも名前が「ヂン」だろうが「ジン」だろうが何だっていいです。

そして、こちらがボクらの戦いの舞台! 地面からドーンとそそり立つ氷柱!

大きさはこんな感じです。

これに抱きついて、地面足が着いたら負け。どれだけ長い間抱きついていられるかを競う大会のようです。

しかしもっとこう、ご神木のように太くて長いものにワシッと抱きついている様を想像してたんで、ちょっと拍子抜け。

でも逆に小さい方がしがみつくのは難しいのかもしれないですね。すぐに足ついちゃいそうだし。

氷柱に抱きつくためだけに二泊三日で北海道に来て、2秒で終わっちゃったら目も当てられないですもんねぇ。

しかし事前に練習してみたところ、ふたりとも記録は約2〜3秒……。運動音痴っぷりを遺憾なく発揮してしまいました。

ツルツルすべる氷柱にしがみついているのは結構難しいんですよ。どうしよう……。

ちなみに1〜5位の商品はカニ!

参加者は25人。5人づつの組で予選を行い、各組で一位になった人で決勝戦を行います。……つまり、予選さえ突破できればカニをゲット出来るということ! カニ食いたい! そして記事的にもカニをゲット出来ればかなりいい感じなんですけどね。

若い人は「マドンナ旋風」とか言っても知らないでしょうね……

さて、遂に大会が開始! 予選第一組にいきなり林さん登場。

「東京から参加の、ハヤシシュウジさん」と呼び出されていきなり脱力しちゃいましたが、ここはがんばって欲しいところです。

スタート!

大の大人たちがワシッと氷柱に抱きついている様子は、「花見の席での新入社員の隠し芸」といった感じでものすごくマヌケに見えるんですが、現場はなかなかの熱気に包まれています。

はやくもふたりが脱落。

おっおっ、林さん、意外と健闘してるじゃないですか。ヒクヒクと苦しそうに身をよじりながらもなんとか氷にしがみついています。

それにしても、もんのすごく険しい表情! こんな怖い顔をした林さん、はじめて見ましたよ。もう顔が真っ赤っか!

……と思ってたら、紅潮していた顔色がみるみる青ざめてきて、なんか今にも死んじゃいそうな表情に変わりました。

む、ムリしないで! アナタが死んだらデイリーポータルZはどうなってしまうのッ!?

そして遂に……ドシーン。

尻から派手にすっころぶ林さん。ああー、やっぱりダメでしたか。でも結局、一分近くはしがみついていたので大健闘と言えるでしょう。

「いやあー、意外と本番に強いなぁ、俺」

脱落はしたものの「自分で自分をほめてあげたい」といった感じで清々しい笑顔を浮かべる林さん。よかった、林さんに笑顔が戻ってきた! ホントーによかった!

さて、つづいて予選第二組。……ボクの出番です。

この、お笑い記事の取材中とはとても思えない真剣な面持ち。我ながらどーなんだろうと思うくらい真顔ですね。

スタート!

とにかく目の前の氷柱に必死で抱きつく。意外なことに冷たさはあまり感じません。

実際にやる前は、氷柱の冷たさをどれだけガマン出来るか、という大会だと思ってたんですけど、どっちかというと体がすべり落ちてしまうのをガマンするという要素の方が大きそうですね。

そういう意味では、ボクの着ていたナイロン地のコートは最悪でした。もう氷ですべるすべる。

この写真はすべり落ちそうになる体を、両腕とアゴでなんとか支えているの図。

アッサリ脱落したらデイリーのライター切られるんじゃないかという恐怖心のみでしがみついています。

氷柱に抱きつく中年と青い空。

この時、考えていたのは「他のヤツら早く落ちないかな」ということです。

そんな願いもむなしく……。

ドスーン!

他の人たちは脱落するにしても、わりと普通に足から降りてるんですが、さっきの林さんとボクは無残に尻から落下しています。

コレは多分、他の人たちはまだ余裕があるのにリタイアしているのに対して、ボクらはホントに全身の力が抜けきるまでガマンしたってことだと思うんですよね。がんばりましたよ、ボクら。

氷柱抱きつきはスポーツだ!

「ま、そこそこがんばったし、いいかー」と緊張感の抜けきったボクたちを尻目に大会は進行していきます。

そして予選第四組。ボクらはとんでもないものを目撃することになるのです。

試合開始早々、他の参加者が次々と脱落していく中、このふたりが、今まで誰も見たことのないようなすさまじい抱きつきを見せてくれたのです。

まずはこの人、昨年の優勝者なんだそうで、さすがに安定感抜群で抱きついており微動だにしません。

あたかも氷柱と一体になってしまったかのような抱きつき方ですね。

彼こそ「Mr.パーフェクト」と呼ぶにふさわしい男でしょう。

一方、こちらの方は今年初参戦なんだとか。

Mr.パーフェクトと比べるとグラグラと動きが多く不安定に見えるのですが、実に絶妙なバランスで氷柱の上にひっかかっており、こちらもちょっとやそっとでは体勢が崩れそうにありません。

彼のことは「バランス・マスター」と呼んでいきたいと思います。

Mr.パーフェクト VS バランス・マスター。どちらも隙はナシ。果たして決着はつくのか……!?

というか、ただただ抱きついている時間を競う競技なんで、完璧に近いふたりが対決しちゃうといつまでも決着つかないんですよね。5分、10分と時だけが過ぎていきます。

観客たちも「こんなの見たことないよ!」とコーフン気味だったのが、時間が過ぎるにつれ「このままじゃホントに決着がつかないんじゃないか……」という不安に変わっていき「雪玉とか当てた方がいいんじゃないか」「もうこうなったらくすぐっちゃおう」などと無責任なアイデアが飛び出す始末。

さらにスタッフも、予想外のビッグゲームに「時間押しちゃうなぁ……」と困惑の表情を浮かべています。

そうこうしているうちに、ステージの方では他のイベントがはじまっちゃいましたよ、ヒドイ。

いい加減、まったく動きのない勝負に飽きちゃった子供たちがステージに気を取られている内に……。

ああっ! 全く危なげのなかったMr.パーフェクトの下半身がズリ落ちてきた!

まさかの前チャンピオン敗退という結末で試合終了!

いやあ、しかしすごい試合でしたよ。これはもう、どちらも勝者と言っていいでしょう、ありがとう! 感動した!

そして決勝戦。

こうなれば、大勝負を制したバランス・マスターの優勝は間違いないと誰もが思っていたのですが……。

あれ、アッサリ脱落。

「いやあ、さっきので疲れちゃったなぁ……」とバランス・マスター談。

勝負は時の運ですね。

結局、優勝をかっさらったのはこの人。

「さっきのおじさんが、予選で力を使い果たしちゃってたみたいで……助かりましたね!」

いやあ、氷柱ガマン抱きつき大会。自分で参加してマヌケな写真が撮れれば十分かな、と思っていたんですが、まさか勝負の行方をこれほど固唾を飲んで見守ることになるとは!

これはまさにスポーツです! ドラマです! オリンピックの種目にした方がいいですよ! 室伏広治とか、ものすごい抱きつきを見せてくれそうですもん!


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