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ひらめきの月曜日
 
みたらしのタレは揚げ物に合う

そうだ、商店街に行こう

完全にミタラーとして壁にぶちあたってしまった。そうだ、こんなときマヨラーの人だったらどうするだろう。

いや、マヨラーの人がマヨラーとして壁にぶち当たるということはあまりないことかもしれないけど、なにかいいヒントはないものか。

そうだ、外に出るということじゃないか。

マヨラーの人というのは、“どこにでもマヨネーズを持ち歩く”からマヨラーなのであって、お家で食べるものにマヨネーズかけるというのだったらそれはマヨラーでも何でもなく、普通にマヨネーズ好きというくらいのものだろう。

外に持ち出してこその「ラー」なのだ。

部活の後とかにマックに行って、そいでポテトとかにマヨネーズつけて食べる。これこそがマヨラーの姿なのではないか。

ハッとした私は、すぐに商店街へ急行した!


うおー

つまみ食いの街、戸越銀座商店街

戸越銀座商店街は商店街としての直線距離の長さで有名な商店街。コロッケを名物として押し出したりもしていて、私にとってはちょっとしたつまみ食いの街というイメージがある。

ここで、ポイポイ買い食い品を買って、みたらしのタレをかけて食べてみようじゃないのさ。


お肉屋さんのお総菜はお昼時を過ぎて品薄! ギリギリセーフでコロッケゲット こちらはオーダーしてから揚げてくれる大分式から揚げやさん。小量のオーダーも快く揚げてくれた

こちらは台に中華お総菜が出しっぱなしになってて誰もいなかった。みたらしに合いそうなもんはねーが 八百屋さんは横の広がりがかっこいい

なんなら買ったらその場でみたらしタレをつけて食べるくらいの勢いで行ったのだったが、平日の真昼間とあって街のテンションは至って平熱。

ひとりではしゃぐのもどうかと思い、これはというものを買い集めて近所の公園でゆっくり試食することにした。

それにしても戸越公園の立派さときたら

戸越銀座の近所の公園といえば、やはり戸越公園だろう。初めて行ってみたのだが、なんだかえらく立派な公園で恐縮した。普通公園に門ってないだろう。あと、木に紐みたいのが吊ってあったりって。


時代劇だったら入ったら裁かれそうな雰囲気 雪つり、というやつですな

なんだかもう、みたらすとかみたらさないとかどうでもよくなるような公園に来てしまったもんだが、入れば平和な公園だった。よし、思う存分ミタラーをやるぞ。


中もかっこよかったけど、普通にみんなのんびりしていた

カンで買ってきたものたち

さて、買ってきたものものだ。


左上から時計回りに、大分式のから揚げ、マックポテト、おでんのこんにゃくとはんぺん、じゃがいもとかぼちゃのコロッケ


買いながら自分でも気づいたのだが、揚げ物が多い。

「みたらしのタレは甘いものにしか合わないだろう」と思ってたくせに、いざ始まると完全におかずの揚げ物をぶつけてくるのだから我ながらいい度胸をしているなと思う。

でも実際、心のどこかに「揚げ物は大丈夫だ」という変な自信があった。

この自信の根拠は、最初にかまぼこ屋さんで買った おでんのこんにゃくを食べてみたときに分かった。


まずはそのまま一口。ダシが染みしみで美味しい
箸を忘れまして、手で失礼しますよ
いけ、みたらし

そうか、そうだったのか。

これはあれだ。みそおでんだ。

みたらしのタレは、名古屋に売ってる「つけてみそかけてみそ」みたいな意味合いでいけるのだ。可能性がぶわーっと開いた。

「つけてみそかけてみそ」は何につけてもおいしい味噌だれで、それこそ名古屋にはこれを持ち歩いて何にでもかける人がいるのだと何かで見たことがある。

心のどこかで、みたらしのタレを揚げ物にかけてもOKだと思ったのは、どうやら味噌だれと同じような扱いでいけるのではという思いが心のどこかにあったから、かもしれない。

商店街を歩いていて魅力的なものというとたいがいが揚げ物だったというだけかもしれないけど、そういうことにしておこう。


はんぺんは、はんぺん自体が美味しくてうなった こんにゃくの方が合うか、でも無くはない

猫がすんごい見てた


そして怒涛の揚げ物の成功

この時点で、もう揚げ物も間違いなくいけるだろうという確信がほとんどあって、食べるのもおそるおそるではなくなった。

遠慮無くがーっとかけていきましょうじゃないの。


カボチャのコロッケは何もかけなくてもおいしいよ、とのお話だったが みたらしをかけても当然おいしい!

カボチャコロッケは素材のカボチャ自体にかなりしっかりした甘みがあるらしくシンプルな味だった。当然みたらしは抜群にあう。

ポテトのほうはカボチャとは打って変わって突き抜けた素朴さ。そもそも個人的にジャガイモは甘味と愛称がいいと思っていたんだよ。これも大当たり。


いやあ、これはおいしいです


コロッケを食べて気づいたのは、みたらしのタレと油の愛称の良さ。みたらしのタレの活躍の場は本当に団子だけじゃなかったのだ。

マックポテトが和惣菜になった

商店街にまで来てマックかい、とも思ったが、買い食いといえばやっぱりマックポテトは外せないと思って買ってきた。こちらはどうか。


単品で買ったら210円だった。高級品だ


ポテトのSサイズを食べるのはいつぶりだろう。

小学校5年生のころ、同級生にお父さんが近所のマック(といっても、ひとつ山を越えた向こう)のオーナーという子がいて、その子と行って何かしらのハンバーガーを買うとよくSサイズのポテトをサービスしてもらった。

あれから20年。当時はまさかこれにみたらし団子のタレをかけるとは思いもしなかったよ。ワカちゃん元気かな。

で、このポテトがみたらしで結構な化学変化を起こした。


このようにかけてみました

お惣菜っぽくなったのだ。

煮豆だとか、和惣菜にはちょっと「それデザートなんじゃ?」という甘い系のもののがあるだろう。あんな感じ。

確かにやってることは揚げた芋にあまじょっぱいタレをからめているのだから、ほぼ大学芋だ。そうか、そういうことになるのか。


美味しくて嬉しくて立ち上がった写真を撮ったら、逆光だわぶれるわ、でも早く次を食べたいから撮り直さないわという状況

から揚げは、まずから揚げが美味しい

最後に、こればかりはちょっとどうかと思う から揚げが残った。

このから揚げ、大分スタイルのから揚げ屋さんで売られていたもの。

大分のから揚げといえば、にんにくやしょうがを効かせたタレに漬け込んだ鶏肉を、これまたしっかり味のついた衣をつけて揚る独自のスタイル(以前食べ歩いたこともありました)。普通のから揚げよりも、味がかなりしっかりしている。

これぞパンチの効いた味という味だ。そこへみたらしのタレ。大丈夫だろうか。

不安になって、とりあえずは何もつけずにから揚げを食べる。


いい景色

ものすごく、美味しかった。

そうだ、大分のから揚げの実力、ハンパないんだった。久しぶりに思い出すと同時に、これからは戸越銀座に行けばいつでもこの味を味わえるのだと思ってうれしくなって、一瞬(いや、もっと長い。10秒くらい)みたらしのことを忘れた。ごめん。

でもここまでの健闘ぶりを考えれば みたらしのタレだって十分に戦える可能性はある。よし。


よいしょとかけて 食べる

おおっ! おいしいおいしい。

ガツンとくるから揚げの味にややかき消されながらも、みたらしの甘さが油の美味しさときっちりドッキングしてる。やりおった。

何もかけなくても120%おいしいから揚げだが、柚子胡椒とかつけたりするついでに みたらしという選択肢があってもいいんじゃないかという味だ。

みたらしのタレを信じてよかった

揚げ物に合うとはまさかという展開で、そもそもかけようと思っていたバニラアイスやら食パンやらはすっかり後回しになってしまった。あと、そうだ。ソフトクリームもだ。チーズケーキもだ。

まだまだみたらしのタレはあるので、じっくり甘いものにもかけていきたいと思います。


しかし、保存に向かないらしい

まさか揚げ物に合うとは驚きの結果だった。ぜひともこれはどこかで商品化してもらえないものだろうか、そもそもなぜ今まで商品化されていなかったのか、と考えてみたら、どうも保存にあまり向かないらしいのだ。

がーん!

保存性を高めるにはかなり甘くしないといけないらしい。今回作った分も(これは明らかに私の作り方が悪かったせいなのだが)、2、3日置いたらう分離してしまった。

とりあえずはたまに思い出して小量作って揚げ物にかけたいと思います。

戸越公園は、夕方に近づくにつれ水辺の木々でカラスがギャワギャワ鳴いてちょっとした祭りになってました

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