終着駅というとどんなイメージを持つだろうか。 最果ての地、行き止まり、末端などあまりポジティブな印象にはならない。 どちらかというとうらぶれた、わびしい感じの響きである。 そんな終着駅だが、東京の23区内にも存在するのだ。 大都会東京にある終着駅はどんな感じなのか、いくつか訪れてみた。
(工藤 考浩)
都営浅草線西馬込駅
終着駅というといろいろ定義もあるだろうが、今回はその先に駅がないところを見てゆこうと思う。 たとえば東京駅はいろんな路線の終点だが、ほかの路線とつながっているので除外する。 ようするに「ここでおしまい」という駅を回るのだ。 まず最初に向かったのが地下鉄都営浅草線の南の終点西馬込駅だ。
西馬込駅があるのは東京都大田区。 駅前には国道1号線が走っており、その周辺にはマンションが建ち並ぶ住宅街となっている。
やや広々としている
東京の都心部からみると、やはり西馬込は建物の密度が低い。 交通量の多い道路に面していることもあって、東京の郊外に見られるような景色とやや似ている。 しかし、「終着駅」というイメージほどに寂れているというわけでもない。
終着駅だということは始発駅でもあるわけで、朝の通勤の時は空いている電車に乗ることができ、そういう面では便利なのではないだろうか。
ジョナサンに入ります
ちょうどお昼前だったので、駅の少し先にあったファミレスに入ってご飯を食べることにした。 終着駅の前にある食堂で食事をするというのは映画のシーンにありそうだ。
店内では隣のテーブルで、僕と同年代くらいの、中年になり始め男女3人が、焼酎を飲んでいた。 話の内容から、どうやら普通のサラリーマンのようで、男性二人はきちんとスーツを着ているのだが、平日の昼間に焼酎を飲んでいるのだ。 小さいボトルの焼酎が何本か空になっていて、結構な量を飲んでいるように見える。 ふつうの会社員がなんでファミレスで焼酎を飲んでいるのか、とても気になるので、いっそのこと企画内容を変えて、僕も混ぜてもらって一緒に飲もうかと思った。
次の終着駅へ
西馬込には謎の昼宴会サラリーマンという強烈な印象が残った。 僕にとっては住みやすくて楽しい街というイメージを西馬込に持った。 さて続いては、チンチン電車の都電荒川線の終着駅へと向かおう。