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ちしきの金曜日
 
東京、サイテーの橋

人間の基本的欲求:「低いところくぐる欲」

この乗り換えたボートですら、ふつうに座っていたら頭がぶつかる。なので、船底に身を横たえるようにして橋に臨んだ。


みんな、不自然な体制ながらおおはしゃぎ。

そして、みんな大はしゃぎ。なんだろう、この、いい大人が「低いところくぐる」ってだけで興奮するってのは。人間には「低いところくぐる欲」というものが備わっているに違いない。ちょう楽しい。サイテー!


そしてなぜかみんないっせいにぺたぺた触りだす。
わーわー、ぺたぺた。

もうひとつマズロー先生が知らなかったのは「橋の裏をぺたぺた触りたい欲」だ。

仰向けで寝ころんだ状態になったまま、わーわーいいながらみんなやおらぺたぺた茂森氏の裏側を触りだす。なんでしょう、これ。

いや、たしかに橋の裏触るって経験はなかなかできないからなあ。


リベットの並びも美しい。

みんな、なにかを成し遂げた表情。

いやはや、ほんとサイテーだった。

この茂森さんの高さは「A.P. +2.3メートル」というふうに表されている。

なんのことかというと、荒川の干潮時の水位を基準にして、そこから2.3メートルの高さしかないということだ。このゆかいな催しが行われたときは満潮時に近かったので、さらに低い橋感を味わったわけだ。ありがとう、満潮。

いや、というか、あとから聞いたところによると、本気の満潮だったこのボートでもくぐれなかったそうだ。水没じゃん。だいじょうぶか、茂森。


灰色の部分が0メートル以下。茂森橋もどんどん沈んでしまって、あの姿に。(国土地理院数値地図5mメッシュをカシミール3Dで表示)

もちろん、サイテーな橋をつくろうとおもってつくったわけではなく、地下水のくみ上げで地盤沈下を起こしてしまったため、茂森橋はこのようになってしまったわけだ。

ちなみに沖のやたら標高の高いのは「チューボー」だ。



今回のコース。また行きたいなー。(より大きな地図で表示

 

とにかく水の上って楽しい

茂森橋だけでなく、水の上を行くというのはそれだけで楽しい。でもふだんあまりこういう機会はない。残念なことだ。

今回案内してくれた BOAT PEOPLE Association の方々が強調していたのは「実は、水上は基本的に公道と同じ」ということ。船を降ろす場所に制限はあるものの、だれでも自由に水上を往来していいのだ。


水管橋もいいよねー!

いいよねー!
すてきよねー!

あー、こういうクレーンもいいよねえ!

水路上の京葉線のかっこよさときたら!


鉄道高架と高速道路高架と水門と水路の奇跡のコラボレーション。これが東京だ。

そしてすばらしい団地。

車の免許よりさきに船の免許か

なんで水の上ってこんなに楽しんでしょうか。なのに一方でなかなか楽しむチャンスがない。残念なことだ。

車の免許より船の免許取ろうかな。

あと謎なのは、船に乗ってるとみんな手を振ってくること。物理的に隔てられている「一期一会」が安心感を生み、人をやさしくさせるのか。ほんとか。

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