人間の基本的欲求:「低いところくぐる欲」
この乗り換えたボートですら、ふつうに座っていたら頭がぶつかる。なので、船底に身を横たえるようにして橋に臨んだ。
そして、みんな大はしゃぎ。なんだろう、この、いい大人が「低いところくぐる」ってだけで興奮するってのは。人間には「低いところくぐる欲」というものが備わっているに違いない。ちょう楽しい。サイテー!
もうひとつマズロー先生が知らなかったのは「橋の裏をぺたぺた触りたい欲」だ。
仰向けで寝ころんだ状態になったまま、わーわーいいながらみんなやおらぺたぺた茂森氏の裏側を触りだす。なんでしょう、これ。
いや、たしかに橋の裏触るって経験はなかなかできないからなあ。
いやはや、ほんとサイテーだった。
この茂森さんの高さは「A.P. +2.3メートル」というふうに表されている。
なんのことかというと、荒川の干潮時の水位を基準にして、そこから2.3メートルの高さしかないということだ。このゆかいな催しが行われたときは満潮時に近かったので、さらに低い橋感を味わったわけだ。ありがとう、満潮。
いや、というか、あとから聞いたところによると、本気の満潮だったこのボートでもくぐれなかったそうだ。水没じゃん。だいじょうぶか、茂森。
もちろん、サイテーな橋をつくろうとおもってつくったわけではなく、地下水のくみ上げで地盤沈下を起こしてしまったため、茂森橋はこのようになってしまったわけだ。
ちなみに沖のやたら標高の高いのは「チューボー」だ。
とにかく水の上って楽しい
茂森橋だけでなく、水の上を行くというのはそれだけで楽しい。でもふだんあまりこういう機会はない。残念なことだ。
今回案内してくれた BOAT PEOPLE Association の方々が強調していたのは「実は、水上は基本的に公道と同じ」ということ。船を降ろす場所に制限はあるものの、だれでも自由に水上を往来していいのだ。
車の免許よりさきに船の免許か
なんで水の上ってこんなに楽しんでしょうか。なのに一方でなかなか楽しむチャンスがない。残念なことだ。
車の免許より船の免許取ろうかな。