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ロマンの木曜日
 
帽子は薬屋で買う


ドラッグ帽の特徴その1「ニット帽である」

これはドラッグ帽の特徴の紹介、というよりも前提の説明なのだが、ドラッグ帽というのは基本的にニット帽である。

なぜかというと、ドラッグ帽は「おしゃれな帽子」としてではなく、ただストイックに「防寒具」として売られていることが多いからだ。

冬場の防寒具としての帽子といえば、そう、ニット帽だ。


我が家にあるドラッグ帽もすべてニット帽

ドラッグ帽の特徴その2「オシャレではない」

特徴1にも通じることだが、防寒を追求しているので果たしてオシャレではないことが多い。

洋服屋や雑貨屋の商品と違ってドラッグストアが帽子を扱う目的はあくまでも防寒、ひいては健康なのである。

オシャレアイテムではなく防寒であるという潔さから来るデザインは、ただただ頭を毛糸(といっても化繊、もしくはフリースというのも多い)で覆うための帽子というシンプルな結果になっている。

帽子自身が「おれは薬屋で売られている商品なのである」という自覚を忘れていない感じは好感度大だ。


これはドラッグ帽にしてはオシャレ(縄編みになってるから)

が、かぶったら小さかった(古賀は頭が大きいです)

ドラッグ帽の特徴その3「ヘタすると、帽子以外にも使える」

これは今回の取材で初めて見つけた商品なのだが、ドラッグ帽はときとして帽子にとどまらない性能を持つ。

これもファッションを捨てて機能を重視するドラッグ帽ならではの発展か。

特にこのシリーズがすごい。そもそもは帽子ではなかったらしいのだが…


耳を温めたり、首を温めたり かと思えば、首と顔を温めたり

品番「W-8」ではいよいよ首・顔・頭を覆う多機能さを発揮した。頭。そう、帽子である。


ついに、帽子になった


こうしてかぶる。あ、なんかこういう人いるな

使用法「顔」。こういう人は…あんまりいないか

このシリーズもそうだが、ドラッグストアの防寒具は帽子・手袋・靴下という3本柱に近年「ネックウォーマー」つまり首巻き、というジャンルが確立されているようだ。スーパーマーケットなんかでも売ってるのを見かけた。

これは単なるマフラーではなく、かぶって着用するのが特徴。

確かに、部屋の中でマフラーを巻くとすごく温かいのだけど、マフラーは家事の動きで外れやすいと私も思っていたのだよ。マフラーをかぶれるというのは嬉しい。

もともとウィンタースポーツとかバイカーの方々が使うようなイメージだったが、ドラッグストアのおかげでウィンタースポーツにもバイクにも縁のない私の手元にも流れてきたという感がある。助かるわあ。

今回の帽子巡りではこのネックウォーマーの別形式でタートルネックの首だけみたいなものも売っていた。

「あら、なんだか便利そう」とうっかり買ってしまったのでご披露しよう。


黒い服の上に着てるので分かりにくいですが、なんとなく中世っぽくなった


ドラッグ帽の特徴その4「安い」

最後にして一番の特徴が、安さだ。

洋服がそうであるように、帽子も値段はピンキリだ。高い物はそりゃもうどうかと思うくらい高いだろう。安い物は、というと帽子の最安値っていくらくらいだろうか。

安めの服屋や雑貨屋でも1000円というのが限界なんじゃないか。

そこが、ドラッグ帽は500円〜400円というのが通常の値段帯なのだ。ものによっては300円台のものもある。

声を大にして言いたいのは、値引きしてこの価格なのではなく、シーズンインの秋口からこの価格で勝負しているということだ。いきなり安いのだ。


これは400円


ドラッグ帽の愛用者である夫も、まず安さでこの世界に入ったということだった。

上の写真の帽子はこのページ一番上の紺の帽子と色違い。夫はあまりの安さに一気に2色買ったようだ。いわゆる「イロチ買い」である。そんなのオシャレな人のすることだと思っていたが、身近にいた。しかも薬屋で。

夫は「これで酔っぱらってなくしても大丈夫」とホクホク顔であった。

ちなみに、安いといえば100円ショップだろうと思って偵察してみたら、315円で(100円ショップも店によっては少し高いものを売ってますよね)こんな帽子が売っていた。

いろんな意味で、ちょっとかなわないかも、とは思った。


個人的には狩人のイメージ

差し込む光も一段と強くなった

実は、ちょっと時期が悪かった

今回は帽子を探してドラッグストアを巡ったのだが、実はちょっと時期が悪かった。大きめのチェーンのドラッグストアで帽子をよく見かけるのでハシゴしたても、防寒具は春に向けて少しずつ整理してすでに片付けられているお店が多かったのだ。

帽子の所在を聞くと、「帽子ね、もうないんですよー」と普通にいわれることもあれば「帽子?(うち、薬屋なんだけどな…)」という反応だったりもして、薬局で帽子を探すという作業の受け止められ方の違いに自分でも途中で何をしているのか分からなくなったりしもた。

いやしかし、一番おどろいたのはドラッグストアが多いことで訪れた武蔵小山商店街の、ドラッグストアではなく服屋や雑貨屋なのだ。

めちゃくちゃに帽子を安売りしていた。

オシャレでかわいい帽子が300円くらいで売られているじゃないか。えー。1月も下旬の取材だったためのたたき売り価格とはいえ、ドラッグ帽の安さを信じていた私にはショックであった。

帽子は薬屋で買う。その気持ちは変わらない、けれど「1月も後半に入ったら、普通のお店で買ってもいいかもしれない」ということを知りました。

横断幕で店名が読めないという本気のセールモードで、帽子だけじゃなく服もえらい安さで売っていた

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