デイリーポータルZロゴ
このサイトについて


ロマンの木曜日
 
リッツでフルコース

コース開始

「まずパンを焼いてみました」

と言って出てきたのは茶色っぽいパン。まさか、このパンも...?

「リッツ入ってます」

すごい、ここまで徹底してくれるとは!もっとも、全部にリッツ使って、と言ったのは僕だけど。


リッツと同じ色のパン
味はどうなんだ

「リッツの油分が多くて、あまり発酵しなかったかも」

リッツを砕いた粉と小麦粉をだいたい1:2で混ぜて作ったパン。確かに内部はあまり空気が入っていなくて、見た目は蒸しパンのよう。でも肝心なのは味。

「リッツだ!」

食感はまったく違うのに、味は間違いなくリッツ。やっぱり内部は締まっていてパンらしくはないけど、しっかりした甘さがあって、何もつけなくてもふつうに食べられます。


見た目は違うけど味は同じ両者

どうやらリッツは見た目以上に油分を含んでいる様子。この油分を文字通りどう料理するかが、メニューの正否にかかってきそうです。

リッツパンを食べていると、一品目のスープが運ばれてきました。


仕上げにリッツの粉と
オリーブオイルをかけて完成

スープ:

リッツのポタージュ


見た目はごくふつうのポタージュ

最初のスープは、しんなりするまで炒めたタマネギをブイヨンで煮てミキサーにかけ、生クリームと牛乳、そして砕いて粉にしたリッツを加えたものを漉したポタージュ。リッツ以外はふつうのポタージュの作り方だと思いますが、果たして味の方は。

仕上げに振りかけたリッツ粉が、甘いポタージュの香りの中に香ばしさというアクセントを放っています。


いただきまーす...ん!?
ひとくち飲んでこの表情の変化

すっごいおいしい。

もともと濃厚なポタージュですが、甘い香ばしさがプラスされて、今までに体験したことのない深い味わい。リッツが加わることで、たぶん「コク」と表現されるものが増したのではないかと思います。

早川シェフも、これは「イメージ通りにおいしくできた」と満足気な表情。イメージでこんなおいしいものを作ってしまうのすごい。


リッツパンの上に載せて「リッツオンザリッツ」

続いてはサラダ。果たして若き天才シェフは、リッツと生野菜をどう組み合わせてくれるのでしょうか(何だか自然に「料理の鉄人」風の解説になってますね)。


ベーコンをカリカリに焼いて
リッツはパセリとニンニクとオリーブオイルを乗せて軽く焼き

その上にサラダとベーコンをわしゃっと
ドレッシングきたー!

サラダ:

リッツを使ったシーザーサラダ
ミルフィーユ仕立て


横に立てかかっているのは粉チーズと粉リッツを焼いたもの

いやー、これはかわいいし、見るからにおいしそう。でもどうやって食べようか、と思案していると、

「上からざっくりナイフ入れちゃってください」

とのことで、では思いきってざくっと。


若干の罪悪感がある
家族用はコブサラダ風盛りつけだった、こっちもうまそう

これは文句なし!

シャキッとしたサラダ、ジューシーなベーコン、そしてさくさくのリッツという完璧な組み合わせ。

「リッツをクルトンの代わりと考えました」

なるほど。だからナイフでざっくりいった方がおいしく感じるのか。あと、ベーコンがもっとカリカリかと思ったら、周りだけ火が入っている半生状態。これがちょうどいい感じ!

「リッツが固めだから、ベーコンもカリカリだと疲れちゃうかな、と思って」

聞きました?「疲れちゃうかな、と思って」。料理人というのは、その世界を知らない人々が思う以上の繊細さ、そして慈しみの心を持っているんですね。僕にはぜったい無理だ。何も考えずにカリッカリにしてしまう。

ここまでは順調。リッツは料理の中に文字通り溶け込んでいます。続いてはパスタ、そしてメイン料理、最後にデザートもあります。


取材うら話(2):実家の金魚が巨大すぎる

実家と僕の自宅には、それぞれ同じ時期に同じ場所でもらってきた金魚がいるのですが、自宅のに比べて実家の金魚があまりに巨大すぎてびっくりしました。どうやら数種類のエサを1日2回食べているようで、1日1回のウチの金魚とは比較にならない栄養状態です。妹曰く「この大きさなら3枚におろせる」。金魚に注がれる過剰な愛情、本来は孫に向けたいものなのかも、という若干のプレッシャーを感じますが、皆さんの実家はどうですか。過剰な愛情で肥大したペット、いませんか?

ほとんどこのままの大きさの違い(5倍くらい違う)

< もどる ▽この記事のトップへ つぎへ >
 

 
Ad by DailyPortalZ
 

▲トップに戻る バックナンバーいちらんへ
個人情報保護ポリシー
© DailyPortalZ Inc. All Rights Reserved.