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フェティッシュの火曜日
 
未来の新・函館駅の今


現在、東京−八戸(青森)を結んでいる東北新幹線が、2010年中にはさらに北上し新青森駅まで到達する。ぼくが進学のため上京(※)した15年前は、まだ東京−盛岡(岩手)間の運行であり、盛岡以北は『はつかり』という名の特急が走っていた。乾物とトイレのにおいが漂う、愛すべき特急であった。

さて、その新幹線であるが、2015年にはいよいよ北海道の函館まで達する見込みだという。そのため、あらたに『新・函館駅』がつくられるとのこと。

5年後の北海道新幹線開通を見据え、未来の新函館駅となる場所は現在どんな様子なのか。みにいってみた。
※ 筆者は埼玉へ行くことを上京と呼んでいます

櫻田 智也



新函館駅建設地へ

現在の函館駅から在来線各駅停車でおおよそ25分、北斗市にある渡島大野という駅が、将来の新函館駅となる場所だ。


看板が一番大きな建て物なのでは

この写真1枚からもじゅうぶん感じとってもらえると思うが、田舎である。冗談ではなくキタキツネとかが駅のまわりを歩いているような場所だ。
ちなみに北斗市というのは数年前の町合併で誕生した、函館に隣接する市だ。


著作権に抵触しないレベルで描かれた北斗な看板

ぼくが子供の頃から、このあたりには「北海道新幹線の実現を!」という看板がみられた。当時は子供心に、まさか実現するとは思っていなかった。北海道に新幹線が来るだなんて!


そしてこちらが未来の新函館駅の現在

道の駅のトイレよりも小さいだろう駅舎。可愛らしい。北海道っぽいといえばそうかもしれない。


ちなみに駅に向かう道のりの途中

このあたりは大野平野と呼ばれる場所であり、平べったい土地が広くつづく。 「こんなに何もない場所に新幹線の駅が!」と思ったが、何もないからこそ、今から大きな駅を建てることができるわけだ。


未来の新函館駅前の現在

駅前の商店。話を聞きたかったがシャッターが下りていた。 駅近くを少しぶらついてみると、


駅近くにあったカール・レイモン工場跡の看板

函館土産として人気の高いカール・レイモンのソーセージ工場がかつて渡島大野にあったのだという。


ザ・カールレイモンズの皆さん

ここに新函館駅ができた暁には、あらたな観光スポットとしてこの工場跡も脚光を浴びることになるのだろうか。


一歩引いて撮ってみたら、浴びなさそうな雰囲気でした

 

駅の中へ

渡島大野駅は無人駅で改札はない。ただ、冬の間はストーブが焚かれており、日中は常駐の人がいるようだ。


駅舎内(ほぼ)全景

ストーブの周りにこぢんまりと椅子が並ぶ

たいして大きくないストーブだが、駅も小さいためじゅうぶん暖かい。
時刻表があったのでみてみると、


 

反射してみづらいが、上り下りとも各1時間に1本(未満)という淋しさ。新幹線が通った場合、函館市内への連絡線など増える計画もあるとのことで、ひとまず安心いただきたい。


北斗市と函館市の位置関係

南へとつづく線路は青函トンネルを通って青森県へと入る。こうしてみると、北海道新幹線の線路は函館市内をギリギリのところで通らないようだ。ちなみにこの先の計画では、


 

いつの話かわからないが、札幌までを新幹線で結ぶという。そうなると東京−札幌間がなんと4時間30分だと説明がある。4時間半! いや、コレすごいことなんですよ奥さん。函館−札幌間でさえ、現在最速の特急で3時間かかるんですから。

ただし、函館と札幌の間に長万部という駅があるのだが、


そうですね、かにめしの長万部ですね

そうですよ、かにめしの長万部ですよ

実は、長万部−札幌間は新幹線を走らせる計画があるのだが、その手前の函館−長万部間で実現の目途がたっていないらしく、函館まで新幹線できて、そこから長万部まで在来特急に乗り換えて向かい、そこでまた新幹線に乗り換えて札幌まで、ということになるかもしれないのだとか。
まあ、5年先でやっと函館まで開通という段階の話であり、この先どうなるかはまだ不透明なところなのだろう。

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