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フェティッシュの火曜日
 
ユビキタスですぐトイレに行ける時代が来る!

iphoneではありません

右の写真の機械、ユビキタスコミュニケーターという、なにやらかっこよさげな名前がついている。

調べてみると、これまたなにやらかっこよさげなことが書いてある。「ユビキタス環境での効率的なコミュニケーションを実現するための携帯情報ツール」「ユビキタス社会のカギを握るデバイス」…。

この機械を使った実証実験が、東京都により行われているそうなのだ。しかも申し込めば誰でも参加できるのだという。

これがなんであるかはともかく、すごげな機械を触らせてもらえるチャンスである。行ってみよう!

(text by 石川 大樹



実証実験ってなんじゃら

実証実験に参加すると、

・なんか最先端ぽいガジェット(!)を渡されて、好きに使って良いらしい
・なんかユビキタスなんとかっていうすごそうなプロジェクトの成果らしい
・なんか期間限定だし人数制限もあるので特別感もある!

当方、思わずすべての項目の頭に「なんか」をつけてしまうほどのよくわかってなさなのだが、とにかくなんかすごそうなのだ。すぐに実験参加の予約を入れた。(この段落、ほぼ情報量ゼロ)

 

ほんとに駅の構内の一角

始まりは駅の一角

そして迎えた取材当日、端末の貸出所は、駅の一角にあった。長机1台、予想を裏切る等身大の空間。研究室みたいな場所を想像していたので少し拍子抜けだ。

説明によると、今回の実験は「東京ユビキタス計画」というプロジェクトの一環で、あの端末(ユビキタスコミュニケーター)が銀座の街を案内してくれる、というものなのだそうだ。なるほど、だからアクセスのいい駅にあるのか。

さっそく申し込みの書類を記入し、端末を装着してもらう。


22で上京して8年、ついに僕にもユビキタス時代がやってきた
石川大樹(29・ユビキタス)

 

で、どうなるの?

話によると、ユビキタスとは、「どこでも当たり前のようにある状態」。

そして東京ユビキタス計画とは、いつでも、どこでも、だれでも必要な情報を得ることができることを目標とした、東京都のプロジェクトだ。

いま、実験的にではあるが、銀座の街にはユビキタス環境がつくられている。その実験に一般の人にも参加してもらおうというのが、今回の実証実験の趣旨である。

 

写真で見るより薄いです

これがユビキタスコミュニケーター

そのために活躍するのが、ユビキタスコミュニケーター。この端末が、いつでも、どこでも(ユビキタス!)「情報を提供してくれるわけだ。

見た目は本体と受信機、そしてイヤフォン部分に分かれている。

本体は携帯より二回りほど大きくて、PDAくらいのサイズ。画面はタッチパネルになっていて、手に持って画面に触って操作するようになっている。持ってないからわかんないけどたぶんiphoneみたいな感じである。

受信機の方はフリスクの容器くらいの大きさだろうか、クリップで胸元につけて使用。その先にイヤフォンがつながっている。持ってないからわかんないけど多分ipod shuffleみたいな感じである。

Appleが誇る2製品を(持ってない人が勝手に想像したのを)組み合わせたようなこの端末、いったいどんなことができるのか。

さっそく、銀座の街に繰り出します。


携帯より大きいけど葉書より小さい、くらいのサイズ
こちらは携帯より小さくて、まさにフリスクくらいな感じ


お前はもうすでにユビキタス

さっき「街に繰り出します」と言ったが、街に繰り出すところからすでに実験が始まっている。この端末のナビゲーション機能で、駅から地上への道案内をしてくれるのだ。


目的地を設定すると、googleのストリートビューみたいな感じで、自分視点の写真が出てくる
実際に見えている光景はこれ

自分が移動すると…
端末の写真も移動。場所にもよるが3〜10m間隔くらいで更新される。このとき同時に音声でもアナウンスが流れます

この画面が自分と連動する感覚は、どうにもおもしろい。まえにライターの萩原さんがiphoneの地図を見ながら新幹線に乗っていたけど、この自分視点の画面&更新間隔の短さだと、徒歩のスピードでも十分たのしめる。

もちろん屋外でも使えます

道案内機能についてはあとでじっくり試してみることにして、ほかにどんな機能があるか、ざっと見てもらおう。


銀座の街をムービーで案内してくれる、「銀座ガイド」

普通は女性のアナウンスで紹介してくれる「銀座ガイド」ですが、FM風に紹介してくれる「DJ風」も

せっかくなのでDJ風を選んでみた。ここでは音声と映像で、銀座の街・主に歴史についての情報がきける。地名の由来や、「銀ブラ」の語源なんかの紹介、その他もろもろ。中に僕がすごく気に入ったエピソードがある。

いわく、「1874年、銀座に日本初の街路樹が植えられたが、すぐ枯れた」。

なんか身も蓋もなくてすごくいい話である。

ちなみにこの話には後日談があって、そのあとに「より土地に適した植物を」っていうので選ばれたのが柳。それがいまの銀座の柳並木となったそうだ。

ユビキタスコミュニケーターの話に戻ろう。面白いのが、現在地に連動してこの説明が切り替わっていくこと。

調子のいい感じのDJがずっとマイクもってついてきて、「そういえばこのビルさあ」とか「あの銅像、ちょっと面白い話があるんだけど」とか延々話かけてくるところをイメージしてもらえれば、だいたいそんな感じです。

 

検索もできます

それ以外にも、普通に端末操作で現在地付近の情報を調べることもできる。


街の見どころを紹介したり
お店や建物の情報も見られる

あと、面白いのが、NHK提供の過去の銀座の映像が見られること。

個人的に歴史に興味が薄いので、たとえば昭和の映像をテレビでやっててもそんなに興味を持たないと思うのだけれども、この端末は別。なにしろ「いまいるこの場所」の映像が見られる。目の前の通りや建物の何十年前の姿が見られるとなると、これはがぜん面白い。


大人の事情でモザイクですが、昭和のファッションについての映像。このバックにある建物は…
ここだ!

あとは防災情報や、普通に天気予報とか路線図なんかも見られるみたいだ。

このユビキタスコミュニケーター、イメージ的には、美術館なんかにある音声ガイドの街版といった感じ。

ただ違うのは、とにかく全部の機能が自分の居場所と連動していて、ほおっておいても次々と「これをどうぞ!」って感じでその場所の情報が入ってくる。情報の至れり尽くせりだ。IT技術=Itareri Tsukuseri技術である。

 

 

使ってみよう

機能はだいたいわかったけど、使い心地はどうだろうか。次のページでは、道案内機能でいろんな場所に行ってみます。


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