街中をさっそうと走る男はかっこいいと、かねてから思っていた。とくにスーツを着たサラリーマンが走る姿がかっこいい。 街中を走るサラリーマンは「商談の時間に遅れそう」など、何らかの緊迫した事情を抱えていることが多い。 人々が歩調を合わせる落ち着いた街の中で、ひとり緊迫感を漂わせるサラリーマン。そんな姿がかっこよさをにじませるのかもしれない。 ならば自分も一介のサラリーマンとして、そんなかっこよさに挑まずにはいられません。
(text by 榎並 紀行)