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ちしきの金曜日
 
島原の世界ジオパークぶりを見に行く


 


長崎は島原半島が、世界遺産の地質版とも言うべき世界ジオパークに認定された。国内第一号だそうだ。

島原半島には何度も訪れたことがあるが、たしかにあの辺りの地質はすごいものがある。火砕流が流れた跡とか、地面の境界線がわかる場所とか。

というわけで、改めてそのジオパークぶりを見に行った。

T・斎藤



地球の割れ目

まずは、地面の境界線がわかる場所から見てみよう。

地球の表面には「プレート」と呼ばれる岩盤があり、それがじわじわ動いて押し引きした結果、「断層」と呼ばれる割れ目ができる。

なんともスケールのでかい話で普段はあまりピンとこない話だが、それがすごくわかりやすく見える場所がある。

これだ!


画像クリックで拡大。

ごめんなさい…。
いきなりウソをついてしまいました。

上の写真、山の真ん中にきれいに線が入っててすごい!
と思って写真に撮ったのだが、これは拡大図を見ればわかるように、電線を通すために木を切り開いたもののようだ。

本物はこちら。↓


千々石断層崖

わかるだろうか?
いや、普通はわからないと思う。少なくとも私は説明看板を見るまでわからなかったが、一度わかったら
「なるほどこれが地球の割れ目か!」
と思えるようになり、とても面白い。

下の画像をクリックすると、断層部分を赤線で表示します。


千々石断層(画像クリックで断層に赤線がつきます)

グーグルマップで、「地形表示」にして見るともっとよくわかる。

断層がクッキリと。(1コ上と2コ上の写真は、ここを左の方から撮ったもの) 大きな地図で見る

島原半島はこの線を境に、南側が年々沈んでいるのだという。
地図を少し縮小して見ても切れ目っぷりがよくわかり面白い。

すごいぞ、グーグルマップ!
じゃなかった、ジオパーク!

噴火の跡がすごい

次に見るのは、1990年から1995年の噴火でできた日本で最も新しい山、平成新山。溶岩や火山灰などが混じった火砕流がすべてを破壊しながら流れたわけだが、その流れた跡が分かりやすくてすごい。


平成新山

火砕流が流れたところは畑または荒野で、見ればすぐわかる。

現在、頂上まで行くことはできないが、いい道路ができていてすぐ横を車で通れるようになっている。(と言っても1km以上離れてるけど。。が、スケールがスケールだけにけっこう近い感じがする。)


火砕流の流れた跡がわかりやすい!

人工物がまったく何も写ってないのがすごい。

右側に小さく写ってる道路(車が通れる幅がある)からスケールを感じ取ってください。

こんな調子で海まで。下の方には畑が広がっていて幹線道路が走っている。

避難シェルター付き施設

上の方に行くと、平成新山ネイチャーセンターという資料館的な施設がある。ここには突然の噴火に備える避難シェルターもある。

しかし、火山の圧倒的スケールの前に、
「このシェルターのおかげで助かった!」
なんて事態には絶対なりたくない、と思った。


資料館的な施設もある
避難シェルター

平成新山は反対側から見たところもまたすごいので、
次はそちらを見てみよう。


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