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ひらめきの月曜日
 
寒天でお弁当革命は起こせるか

慣れの問題なのか?

上から寒天液をかけ、軽く混ぜただけなのが災いしたらしく、納豆は完全にはコーティングされなかった。


表面はピッチリ固まったんですが、
パカッとひっくり返したらネバーッと糸が。あちゃー。

納豆があるなら、味噌汁も持参しよう。
はい、当然のように固めますよ。

お昼に食べるお弁当を想定しているのに、なぜか中身が朝食っぽくなってしまったが、まあ良しとしよう。


再び弁当箱に全てを詰めて…と。

「お弁当にはメッセージが込められている」という先ほどの説を踏襲するとしたら、この場合は一体どう解釈していいのだろう。

我ながら訳が分からないが、恐らくあまりいい関係じゃないような気がする。


「なんでも弁当にすればいいってもんじゃないだろう」と企画を根底から覆しかねない発言が自分の口から出た瞬間。

味は分かる。あの馴染みの味が、ただ固まっただけなのだ、ということも分かる。しかし今日の流れからいえば、「固まると、食感は意外な方向に変化する」というのは、どうやら確実のようじゃないか。

果たして納豆、そして味噌汁はどのように変化してしまうのだろう。


自分で作っておきながらこの反応。
ザ・恐る恐る。
予感的中の図。

よく知ってるあの味だ。しかし、これはいつも食べてる物と決して同じじゃない。

例えて言うなら「養子に出した双子の片割れと数十年ぶりに再開した」みたいな、そんな感じだろうか。同じであるはずなのに、何かが決定的に違う。


納豆は、豆がそれぞれパラパラしてて欲しいと初めて思った。

そして、味噌汁もかなり異質なものになった。「冷や汁」という物があるだけに冷たくても問題ないと思ったのだが、やっぱり何かが違う。

いや、決してマズイわけじゃない。強いて言うなら「慣れてない」というだけのことだと思うのだが…。



えのき、わかめ、小松菜という普段着感に溢れる具。
具が噛み切れずにこうなったりします。な、慣れない…

と、ここまで何も言わずに成り行きを見ていた夫が「あのさ…」と口を開いた。

「どうしてもお弁当に納豆を持って行きたいんなら…」まで聞いたところで「ちょっと待って!」と言葉を遮り、台所から次のの3点を持ってきて並べてみせた。


冷凍ごはん、納豆のパック、フリーズドライの味噌汁

「このまま持ってけって言いたいんでしょ?」
「そうそう」

そんなこたぁ百も承知なんですよ。ただ私は、お弁当革命を起こしたかっただけなんですよ…。

まずは意識の改革から

「蕎麦はすするもんだ」とか「味噌汁は飲むもんだ」とか「納豆はネバネバするもんだ」といった固定観念に私たちが支配されている限り、いくら料理を寒天で上手に固められたとしても、お弁当革命は永遠に起きないだろう、と思わされた。

秋田の寒天料理が、ほぼ全てにおいて甘かったことを思い出し「なるほど、そういうことだったのか」と今さらながらに膝を打った次第である。あれはおやつ、もしくはお茶うけだからこそ成立したのだ。

というわけで、電子レンジでチンできる環境にある人は、いろんな汁物を寒天で固めることをオススメします。チン出来ない人は、まずは意識を変革するところから始めるといいかもしれません。

鍋に放置して固まった寒天は黒蜜をかけて食べようっと。

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