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ひらめきの月曜日
 
肉じゃがをスナックにしたのには理由がある

この秋「惣菜スナック」というものが発売された。その名のとおり、惣菜をスナックにしたものだという。

惣菜を、スナック菓子に!? しかも、発売したのが「無印良品」なのだ。

無印良品って、あの無印良品だ。シンプルで、ナチュラルで、例えていうならハンカチとティッシュをいつもちゃんと持ち歩いてるクラスのかわいいの女の子みたいな(私の勝手なイメージですけれどもね)、無印良品だ。

「あの無印が、ついに羽目を外してくれた!」

そんな、どこか歓迎するような気持ちになったのだが……、果たして本当に羽目は外れてしまったのだろうか。勇んでお話を聞いてきました。

(text/photo by 古賀及子 photo by安藤昌教



「惣菜スナック」各種。左上から時計回りに、里芋煮、卯の花、ひじき煮、肉じゃが

これが「惣菜スナック」4種!

無印良品の「惣菜スナック」発売は、ネットのニュースサイトで知った。すわ、という思いでお店へ走った。

かくして本当に、無印良品がお惣菜をスナックにしたものを売っていたのだった。正直、ニュースサイトを読んだときはエイプリルフールのうそ記事のアーカイブだと思ったくらい、私としては驚きの商品だった。


うそじゃない。いつもの無印のパッケージだ

本当に本気で惣菜の味がする!

さらに食べてみて、私は立ち上がった。


うおお!

これ、すごいぞ。

サクサクするのに、全部ちゃんとその惣菜の味がするのだ。どういうことだこれは。

茶色いカタマリなのに、噛むとジャガイモと肉の味がじわーっとしみてくる「肉じゃが」。

口に入れると乾物が水に戻るようにいつものあの味、あの食感に変わる「卯の花」。

サクサクしてるくせに、噛むうちにぬめりまでが出てくる「里芋煮」。

そしてそして、「ひじき煮」はひじきの食感もある上にしょうゆ、かつおの出汁の味がする。

どれも、全力でちゃんとお惣菜の味がするのだった。ここまでお惣菜そのものだとは思わなかった。


なんと、フリーズドライで作られているので、お湯で戻る。
しかも、冷めてもおいしいことを確認! ひゃー

無印が私たちに手を振っている

感じたのは「やっぱりこれ、変わってるよ」という戸惑いだ。だって、

・スナックなのに
・本気の惣菜の味がする
・お湯でもどすと本当の惣菜みたいに
・つまり、ちょっとヘンな商品だ
・なのに、出してるのは無印良品

なのだ。重ねて言うが無印良品から出ているところが一大ポイントだ。

これまで納豆を一万回かきまぜたりごはんを青くしてみたりライスバーガーの具をご飯にしてみたりといったアクロバティックな料理にチャレンジしてきた私たちとしては、これは大変な親近感。

対岸にいると思っていた無印良品が手を振っているような気がした。


オフィシャルにお湯でもどすのを推奨しているのは卯の花とひじき煮だが、うまくすると里芋煮と肉じゃがもお湯でまた別の食感に

意外すぎたので、素直に話を聞いてみた

いつもなら、この「惣菜スナック」の本気な惣菜再現度に敬意を表して私も新しい惣菜スナックを作ってみよう! となるところなのだが、今回は「無印良品がなぜ」というところに大きな興味があった。

なので、無印良品さんご本人に当たってみた。当たって砕けるかとも思っていたが、すんなり取材を受けてくれたのだった。

では、みんな一緒に声を揃えて聞いてみようじゃないか。せーの、

「なんで、こんな変わったものを作っちゃったんですか?!」


お伺いしたのは有楽町店。広くて楽しいんだここが

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