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土曜ワイド工場
 
すごすぎる日本酒フェス@広島(前編)


どっちかっていえば値段高めで、フカフカ座席の深夜バスだったのに、あまり眠れなかった。
椅子と自分の身体の形の、相性が悪かったらしい。
ここだけの話、当サイトは、出張取材時、1人分の電車交通費と1泊分の宿泊費を出してもらえる。でも、1人ではちょっと行きにくい取材が多いので、友人を誘って「通常の半額で旅行に行かな〜い?」ともちかけることが多い。遠出すると食事だの何だのかかり、赤字が大きくなるので、深夜バスを使って節約する。今回も物好きの友人を誘った。友人Fはタフで、座席でグースカ寝ていた。うらやましい。
「ああ、お金がさえあればなあ、なんでこんな大人なのにお金がないのかなあ」と思いながら、SAで止まるたび、トイレに降りる。
車窓から、明けて行く夜空を見ながら、寝不足のまま、早朝の広島駅に着いた。

大塚 幸代



開いてる店が「すき家」位しかなかったので、朝定食を食べながら、Fと作戦会議。


旅行先でチェーン店に行くと、虚しいのはなぜだろう。いや、すき家自体は嫌いじゃないんですけど。

Fは元気元気で、牛皿の付いた、1000キロカロリーくらいのセットを食べていた。
「ここから、酒まつりの会場、西条まで、電車で40分くらいか」
「ちょうど、祭り開始の10時前には着くかな」
「全然、混み具合とかわかんないね」
「さっき、駅員さんに『酒まつり行きたいんですけど、この電車でいいスか?』って訊いたら、『酒まつり』自体を知らなかったもんね」
「有名じゃないのかなあ。一体、どんな祭りなんだろ…」
「とりあえず現地行くしかないねえ」
「まずはザラッと会場の様子をみて、決めよう」

検索エンジンで、「酒まつり」と検索すると、
トップに上がってくるのが、この東広島・西条のイベントだ。
酒! まつり!
なんという、シンプルで力強いネーミング。
今年で第20回目。80年代から始まった、意外に若い祭りだ。

西条は、この春、広島に旅行した際に、寄ってみた町だった。
ここは酒蔵だらけ。お祭り以外の時期でも、試飲をやっている。そして酒蔵ごとにTシャツが売っている。しかも価格帯低め(1枚1500円)。
少し不思議だったので、店番をしていたおかみさんに、「ここのへんの酒蔵は、どこでもTシャツ売ってますね、変わってますよね?」と訊いたらば、
「ああこれは、フェスTシャツなんです」
と答えたのだ。
フェスT!?
「年に1回のお祭りの時に、作って売るんです。街中、お酒だらけになるんですよ。外国人観光客の方も多いから、日本語の書いてあるTシャツって売れるんですよー」
え、町じゅう? 外国人? 売れる?
ていうか、国内でそんな有名じゃない祭りなのに? 外人? 来るの?
「去年、ウチ、緑色のTシャツ作っちゃったら、あんまり売れなかったんですよー。外国人には、紺とか黒とか、渋い日本っぽい色がウケるみたいで」
そ、そういうもんなんですか?
「お祭りの時はねえ、日本酒は飲み口がいいし、おちょこで少しづつ試飲出来るので、自分の限界が分からなくなっちゃう人が多いみたいで、グデングデンになる方も多いんですよ、うふふふ」
うふふふ…、って、そんな祭りが!?

と、いろいろひっかかる情報を聞いていたので、今年の夏休みはどこにも行かずお金をキープ、酒まつりだけは行くことに決めていたのだ。

広島から、わりと混んだ電車に乗って、山の中を走り抜け、現地に到着。
駅構内では「混んでいるのでお気をつけくださーい!」と駅員さんが叫ぶ。でも首都圏のクレイジーな混み方と比べると緩やかだ。


やっぱり電車内には、男性が多め…だったかな?

駅を降りると、うわー。
屋台がずらーっと並んでいた。


カキの解禁はまだの時期だったけれど、養殖のカキは売っていた。1個150円。関東者の感覚だと、ものすごく安いんですけど…。

祭りのマップをもらって、さっそくチェック。
ステージがあって、飲み食いしながらライブ等が見れるメイン会場、
1300円払っていろんな酒の試飲がし放題の広場、
美酒鍋という酒を使った鍋が食べられる野外お座敷、
これが3本軸のようだった。もちろん、町内に点在する全酒蔵でも、試飲やら物販やらが行われる。


美酒鍋の区域はこんな感じ。4人で食べるのが基本セットだったので行けなかったけれど、屋外で食べる鍋は、とても美味しいんだろうなあ、と想像した。

このほかに、近くの広島大学でもイベントがあったり、公民館でお茶会や写真展示をしていたり、おみこしが出たり餅つきしたりして、要は「日本酒」を中心にした、町全体の秋祭り、ということみたいだった。
規模がでかい。子供連れも楽しそうだ。
日本酒飲んでる大人がウロウロしていても、許されるワンダーランドが、そこにあった。
Fは、「よっしゃー!」と、駅前で、さっそくウコン系飲料を飲んでいた。私はお酒が強い(つもりだった)ので、飲まなかった。


駅前には、いくつも「肝臓を保護」するドリンク屋台が出ていた。

しかし…、私は、ウコンを飲まなかったことを、後で後悔することになる。

メイン会場では、フェス用の生酒が売っていた。
コップ一杯200円。当然買う。


発泡している。そして、信じられないほど飲みやすい。なんじゃこりゃ。シャンパーニュか。
こんな日本酒は、東京じゃ飲めない。

メイン会場にも、つまみ関係屋台がずらり。タコのてんぷら、美味しかったですよ。

よしもっと飲むぞ、と、ついにメインイベント、有料試飲会場の「酒ひろば」へ突撃。かなりの列だったが、わりとすぐに入れた。


ちなみに前売り券は、普通に東京のチケットぴあで買った。

さあ、飲み放題試飲会場に突入ざんすよ!
 

 
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