お刺身にしても煮物にしても、焼いても揚げてもおいしい「イカ」。 しかも見た目もかっこいい。 イカは魚介類のマルチタレントである。 毎日の食卓はもちろん、おやつやおつまみの世界でもイカは羽ばたいている。 そんなイカの世界の幅広さを探ってみよう。
(工藤 考浩)
ようこそ!イカワールド
なぜイカのテーマパークがないのか。 泳ぎを見てもかわいいし、墨を吐いてコミカルだし、南太平洋で採れる巨大イカはスリリングだし、食べてもおいしい。 テーマパークの要素をすべて満たしているのに。 そう思うほどイカが好きだ。 しかし、世の中におけるイカの扱いは、エビやカニに比べてぐっと低い。 おかげで安く食べられるので、僕はうれしいが。
その安さのせいか、はたまたおいしさのせいか、イカはさまざまなお菓子に加工され、販売されている。 本日はイカの幅広さを紹介しよう。
焼きするめ
いわずものがなの、するめいかである。 ストレートにイカのおつまみだが、どのコンビニにも売っているのにはちゃんとした理由がある。 うまいからだ。 他のイカ加工品がその地位を猛追する中、いまだキングの座を譲らないのは、噛めば噛むほど染み出す味わいのためろう。 パッケージには「製品の表面に白い粉状のものが出る場合があります…」とある。 さすがの風格だなあ。 この世の中で、体から白い粉を出すのはサイババかイカくらいのものである。 まさに崇高なイカ加工品だ。
旨辛焼きいか
なにやらおいしそうなパッケージのイカ。 いままで前例のなかったタイプのおつまみだろうか。 パッケージを開けると、居酒屋で食べる焼きイカのしょう油が焦げた香ばしい風味と、青唐辛子のつーんとした香りが漂った。 食べた感触も、焼きイカそのものだ。 こいつはいいぞ。 西友で298円だ。 わずか3コインでイカパラダイス。すばらしい時代だ。
カライーカ
冒頭ではあえて触れなかったが、イカというのはよくダジャレに用いられる。 それもイカの役割のひとつだといえよう。 例を挙げるまでもないが、 「イカが?」 「イカ同文」 「そうはイカん」 「まあイッカ」 「たイカの改新」 などが有名である。 このカライーカもだじゃれを用いたネーミングだ。 そのネーミングも印象的だが、それ以上に驚くのがイカをイカの形に加工した発想の豊かさだ。 まさにクリエイティビティの賜物といえよう。 商品名と形状の親しみやすさから、イカ加工食品のなかでも群を抜く人気である。