もう全ての糖衣錠が信じられない
今、僕は非常に臆病になっている。
子供の頃の幻かと思っていたアリナミンの不味さが想像を絶するものだったからだ。当たり前のことだが、糖衣錠は、中身の味が不味いから砂糖でくるんである。それを僕はわざわざ噛み砕いている。バカだ。果たしてこの実験、僕は最後まで到達できるのだろうか。 続いては僕が実家で常用していたカゼ薬、「ルル」だ。
日本のカゼにはルルが効く
ルルは幼少時から慣れ親しんだ薬なのだが、アリナミンで手痛い仕打ちを受けたため、つい疑いの眼差しを向けてしまう。お前も、その甘い面構えの内に、何を隠しもっているか分かったもんじゃない。 とか何とか言いながら距離をとりたくなるが、僕は逃げるわけにはいかない。ルルと立ち向かうべく、薬を歯にかけた。
意を決して噛み砕く!
あれ、そんなに苦くない……
ルルは、確かに苦かったが、さほどでもなかった。中身のメキメキとした乾いた感じと、じんわりとした苦味は、子供の頃、食用に適さない種類のどんぐりを試食してみたときの味を思い出させ、むしろ懐かしい気持ちにさせてくれたくらいだった。王者アリナミンの足元にすら及ばない。グラフにするとこの程度である。
特徴の無い味だ
一抹の残念な気持ちも無くはないが、次の実験に進みたい。次はパブロンだ。