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ちしきの金曜日
 
夢を叶えるカクテル、僕が作ります!

『凍結果汁−196℃』


磁石も浮き上がる冷たさ。


上から見たところ。元はオレンジジュース。

わかりづらいので、動画を作りました

−196℃の液体窒素を使ったカクテルとなっている。
でも、写真だと何がどうなってるのか、どうやって作ったのかが全然わからないので、製法から完成まで、まとめて約1分の動画を作成してみた。このために、これまで体験版で済ませていた動画編集ソフトをわざわざ購入したので、ぜひ見て欲しい。



というわけで、液体ではあるが、このまま飲むと確実に口の中が凍ってしまう危険なカクテルとなっている。このあと30分ぐらいして様子を見てもまだ「冷凍庫オーラ」のようなものを放ち続けており、中のオレンジジュースは全く溶けていなかった。
飲むよりも、見て楽しむカクテルと言えるかもしれない。


30分後。冷凍庫のように霜がついてた。
流しに液体窒素を捨てたらスモークに!

※液体窒素は個人でも購入することはできますが、取り扱いを誤ると危険です。密閉空間での使用・保管は避け、使用の際には必ず皮手袋を着用しましょう。

美味しいものをおなかいっぱい食べたい。


筑波大学のすぐ脇にあるお店です。

と、ここまではさすがに非食品を扱うので、店での撮影をお願いすることは難しく、自宅でのムード感に欠ける撮影となってしまった。
ここからようやく、知人の店を借りての撮影となる。撮影したのはつくば市内にある「DALI」というバー。学生時代の後輩がやっている店だ。いつも他人に説明するのが面倒なデイリーの撮影だが、今回は後輩の店だったので、気兼ねなく説明抜きで撮影をすることができた。
というわけで、ここからはちょっと迫力の増した写真で、夢を叶えるカクテルをお届けします。まずは、おなかいっぱい美味しいものを食べたい、そんな願いを叶えるカクテルだ。


ムーディな店内。
ママ、と呼ばれるとまだ怒る歳の店長、平野景子さん。

塩が付いたグラスです。


これは「スノースタイル」と言われるグラス。
グラスのふちに、塩をまぶしてつけた状態なのだが、塩のアクセントがお酒の味を引き立てる役割をしてくれて、絶妙な味のバランスを生み出す。有名なところでは、ソルティードッグというカクテルで使われている。今日はこの名脇役である塩の助けを借りて僕が、ジャパニーズ・スタイルのカクテルに挑戦していきたいと思う。

 

「秋の恵み」


あきたこまちの新米です。


シンプルな塩味が、でしゃばりすぎずに新米の味を引き立たせてくれた。何よりも日本人である幸せを感じさせてくれる一杯に仕上がったと言ってもいいだろう。新米の季節である今の時期、なおさらにその甘味と深みが感じられる逸品だ。

 

シンプル過ぎるんじゃないのか。

そのカクテル、シンプル過ぎではないか。そんな声が僕のところへ聞こえてくる。そう、たしかにシンプル過ぎるかもしれない。戦後じゃないんだから、塩ご飯は無いだろうと。
オーケー、かしこまりましたお客様。
シンプルすぎず、派手すぎず、かつ華やかなスタイルで、日本の美を僕がカクテルグラスの中に表現しましょう。僕は心の中でそうつぶやき、10年ぶりとなるシェイカーをその手にとって振った。


今は亡き友のために、10年ぶりのシェイカーを僕は手に取った。(嘘)

 

『桃の節句』


 

ご飯に五目ちらしの素を大さじ2杯。

はい、ちらし寿司です

見てのとおりちらし寿司だが、錦糸卵と刻み海苔が色に華やぎを添え、食欲をそそる彩りとなった。そして何より、このちらし寿司、本当にシェイカーで作ったのだ。
最初振り始めたときはゴトゴトと音がして、おにぎりが出来上がるんじゃないかと思ったが、そこは経験。手首を使ってうまく振り混ぜ、ふたを開けてたら見事なちらし寿司に仕上がっていた。


シェイカーに対して申し訳ないことに。
店全体がすし飯の香りに包まれます。

お腹いっぱいにならないよ!

申し訳ない。たしかにここまで紹介したカクテルはどっちも多少小さすぎたかもしれない。僕も学生時代はこのショートサイズのカクテルの量の少なさには多少物足らない思いをしたものだった。学生さんたちではこんなカクテル、あっという間に無くなってしまうだろう。そこで次は、お腹をすかせた学生でも心までいっぱいになる、そんなカクテルを作ってみたいと思う。


この写真を見てオチが分かっても、次のページを見て下さい。

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