むしろ怖がらせる、という新戦法
かわいらしさや、爽やかイメージの獲得へ心を砕く歯医者キャラが多勢のなか、逆の戦法に出たものもいる。こんなのは初めてだ。
左がそれ。手作り感あふれる描写のつたなさとあいまって非常にこわい。どうした、中沢クリニック。
「なんださんざんおどかされちゃったけど、怖くないじゃん」という「ハードルをあげておく」「ぬかがっかり」戦法か。いずれにせよ、受診するのに勇気がいる歯医者さんである。
抽象キャラ
歯医者キャラは歯やアニマルばかりではない。抽象的なモティーフのものもしばしば見られる。
左のものはその代表。おそらく、歯医者さんの名前である"IWANE"の"I"がモティーフなのだと思う。ややそつがなさすぎる感もあるが、こういうシンプルな者も楽しめてこそ歯医者キャラ鑑賞家として一人前。
今回新たに出会った抽象系歯医者キャラでは左のものが印象的であった。
写真に笑顔で写るときには歯を見せるぐらいの大げさな表情が良い、と教えられたことがあるが、おそらく彼らはその教えに忠実たらんとしているのだと思う。歯を強調しつつ、笑顔も。一石二鳥というわけである。
しかし。どうだろうか。なんだか怖くないか。
むかし、ある人類学者が「笑顔と怒りの表情はしばしば見分けがつかない」と言っていたが、その通りである。
院長、登場
さきほど、イルカに扮した院長がいらっしゃったが、ストレートに院長先生を表現したものもある。
描写、内容共になんか昭和な感じのタッチである。きらいじゃない。
電動ドリルみたいなものを持ち出して患者を驚かせる、というおどけたワンシーンを描いているが、これも歯医者さんへの恐怖心軽減という点ではまったく逆効果ではないだろうか。院長先生が微妙に真顔なのもこわい。
ひだりはマンガタッチの院長さん。ポップな雰囲気は歯医者さんへの恐怖心軽減上有効だと思う。
やや患者さんの正体が不明だが、歯医者キャラが本来果たすべき役割としては意外と王道であるといえる。
正体不明といえば、左の歯医者キャラが白眉だ。
これまでなんだかんだいって歯医者キャラが何者であるかは明らかであった。しかし、ここへきてなんだか分からないキャラの登場。歯医者キャラ界の懐の深さを実感した。ぼくもまだまだである。
ダジャレ---一つの可能性
さて、最後に今後の歯医者キャラの方向性を占うものとしてご紹介しておきたいものがある。
一見、いつものアニマル系か、とおもいきや。
歯に関係ないアニマルでも、そういう事例がたくさんあるため「まあ、そういうキャラもいるよね」とスルーしかけたのだが、これはもしかしてダジャレではないのか。ダジャレはないよなあ、ダジャレは。
聞けばナウ歯科という歯医者もあるそうだ。歯医者キャラにおけるダジャレの浸透も時間の問題かもしれない。これは監視していかねばならないと思う。