色つきもあります
当時は写真が白黒で当たり前なのだが、白黒写真に着色した絵はがきもたくさんある。 きっと昔の人はこれを見てよろこんだのだろう。 色を塗ったらきれいになるという、なんとも単純明瞭な理屈を実践してしまった当時の人は偉いと思う。
この絵はがきには「旧(正しくは舊)芝離宮庭園(東京市管理)」と書いてある。 着物の模様がありえない色になっている。
こちらは「平和記念東京博覧会」の絵はがき。 そういう催しが1922年(大正11)に上野公園で開催されたらしい。 どんな博覧会だったのかなと思って検索してみたら、絵はがきばかりがヒットした。
どうでもいい気がする絵はがきも
これまで紹介したのは、歴史的に「ふーん」と思うところの多い絵はがきだが、そうではない物もたくさんある。 単なるスナップみたいな写真が絵はがきになっていて、それはそれで、見ていて楽しい。
ずいぶん立派な五月飾りだ。 こんなにすごいのが普通の家庭にあったとは思えないので、名家なのだろう。 ひとんちのこどもの日の写真が絵はがきになって後世に伝えられる、というか僕がお金を出して買っているというのが何とも面白い。 それにしても、これは写真に着色するのが大変だったろうと思う。
これは箱根の温泉場の絵はがきなのだが、ほとんど木しか写っていない。 もうすこしアングルを考えればいいのにと思ってしまう。 楕円に切り抜いてあるのは、枠の外はもっと木ばっかりだからなんじゃないだろうか。
この絵はがきはナニがなにやらだ。 和歌浦の根上り松というのは有名な物だったらしいが、なんで知らない人が中途半端なポーズをとっているのか。 大きさを表現するために写っているにしても、もうちょっとなにかしらの方法があったのではないかと思う。
オレも絵はがき作ろう
こんな風に絵はがき、それもわりとどうでもいい物を題材にしているのを見ていると、僕も絵はがきを残すべきなんじゃないかと思えてくる。 なんていうことのない風景も、時間が経てば別の価値が出てくるのではないかと思うのだ。
近所を絵はがきに
僕の家の最寄り駅は「西大井」という駅だ。 横須賀線で品川の次なのに、東京の人でも知らない人がいるくらいマイナーな駅だ。 駅周辺には、これといって何もない。 スターバックスも、吉野家もツタヤもない。 このままではひょっとすると歴史の中に埋もれてしまうかもしれないので、絵はがきにして残しておいた方がいいだろう。