同じだけど、違う
3種類、外見を眺めそして食べた。結果からいうと、全部「ゴーフル」であった。えー!
3種がそれぞれにゴーフルであって、それ以上でも以下でもない。いや、そもそも時点でゴーフルに以上も以下もないか。
なんというか、こう、同じなのだ、全部。確かに細かな違いはたくさんある。けれど、違うのだが、同じなのだ。
とりあえず、冷静に各店のゴーフルを写真で見てみましょう。
どうだろう。このちょっと違うけど、でも同じ感じ。
心が静かになりませんか。
まずは外見を比較
いやいやしかし、食べ比べをしようと思い立ったのだから、違いをつまびらかにしなければ使命は果たされない。
実際、小さな違いはたくさんあるのだ。表にしてみよう。
※厚みはせんべい1枚の厚み
上野がほんの少し大きい。そして、神戸はクリームがもったりしていて少し多いようだ。
さらにクリームの色には、とくにストロベリーで顕著に違いがあった。
また、上野と神戸には表面の文字が「GAUFRE」のほかに「FUGETSUDO」となっているものがある。
東京(イチゴは裏表で「FUGETSUDO」と「GAUFRE」。チョコは裏表ともに「FUGETSUDO」)
どうだろう。わりと細部に違いがあるのが分かる。
小さな間違いが積み重なると、やがて大きな間違いになる。よく聞く話だ。が、ことゴーフルにおいてはこの小さな違いが全体の違いに影響しない。
細部が違っても、全体を見ると「ああ、ゴーフルだなあ」という一言に尽きてしまうのだった。
何者でもない、圧倒的で既成的な統一感がそこにある。
皮とクリームの味にも違い
とはいえ、味も結構に違うのだ。味も、皮、クリームともに3店それぞれの個性がある。こちらも表にしてみよう。
さわやか
皮の薄甘さが全体を支配する上野、クリームの甘みがギュンと際立つ東京、食感が強いものの味としては全体的にバランスのいい味わいの神戸。
ちゃんと個性はある。あるのだが、やっぱり行き着く感想は「おお、ゴーフル」だ。
もうおもしろいくらい全部ゴーフルなのだった。実際、食べ比べながらちょっと笑ってしまった。
ゴーフルには、そのミニサイズのよく「ゴーフレット」と呼ばれるものがある。今回は各店でそちらも買って比較しようと思ったのだが、よして良かった。
だって、きっとどれも同じように「ゴーフレット」なのだろう。
だれかたすけて
こうなるともう私には「ただただゴーフルだ」としかいえそうにない。今回、風月堂に種類があることを教えてくれた方でもある先輩社員の阿部さんに食べ比べてもらうことにした。
阿部さんは食べ比べをして結果をチャートにまとめ、その上できっちり「私の好みは神戸!」ときっちりしたジャッジをしてくれた。
チャートの感想は私とほぼ同じだが、データをもとに冷静に神戸をナンバーワンと決定したところは、さすが先輩だ。
「昔から食べているのが神戸のだからということもあるかもしれないけど」と、阿部さん。
そういえば、私が子どものころ食べていたゴーフルは東京風月堂のものだった。それだけは今回の食べ比べでなんとなく分かった。
どれが一番美味しいかは決められなかったが、思い出のゴーフルが突き止められたから、いいか。
迫り来る違いの微妙さ
私には妹が2人いて、顔も髪型も服の趣味もちょっとづつ違うのだが「声がでかい」「せっかち」というところだけは昔も今も共通している。
ちょっと違うが、根本は同じ。3種のゴーフルも、つまりそういうことだろうか。
そもそも、何か似たものを食べ比べたとき、いつも「でも結局は○○(食べ比べたもの)」なんだよなあ、と思ってしまう私の判断能力の弱さがあぶりだされた結果のような気もしますが、その事実からは心静かに目をそらそうと思います。