デイリーポータルZロゴ
このサイトについて


フェティッシュの火曜日
 
漁師という仕事を体験してみてわかったこと

ここから先は、船の上でやったこと、思ったことです

船の上には16人の乗組員がいて、みんなやっていることが違う。船を動かしたり、網をあげたり、魚を仕分けしたり、その瞬間ごとにやるべき役割をそれぞれが担って、全体として淀みなく漁を行っている。

ただの肉体労働ではなく、常に頭も働かせていないと仕事にならない。


みんなやっていることはバラバラだけど、全体としてはひとつのことをやっている。

初めてテレビで見たアメフトの試合や、ドラゴンゲートというプロレス団体の六人タッグマッチのように、なにがどうなっているかルールや仕組みがまったくわからない状態なのだが、すごいことをやっているというのだけはわかる。


せっかく漁船に乗せてもらったからには、なにか仕事をしてみたいということで、魚の仕分けを教わってやることにした。 大量のクラゲと一緒に上がってきた魚を種類、サイズごとに仕分けするのだが、この中に毒針を持つエイが混ざっているのがおっかない。

この時期に狙っているのはスズキだが、自然相手なので日によって水揚げ量はバラバラ。ちなみに昨日が800キロで、一昨日が4トン。

4トンといっても豚4匹分という話ではない。私なんかが遊びでやる魚獲りとは、文字通り桁が違う量である。


サッパとシンコ(コノシロの子供)の違いがややこしいよ。似たような魚だが、卸値でゼロが二つくらい違う。 魚がいっぱい触れて、実は嬉しい。


ところでお腹がすきました

移動しては魚を獲るという繰り返し。体力も使うし、なんといっても目の前の新鮮な魚を見ていると、当然お腹が減ってくる。

実は前に来た時に大野さんからスズキのうまさを力説されていたので、「漁師の賄い」というのを期待していたのだが、スズキの巻き網漁は網を入れる回数が多くて忙しいため、賄いの時間は特にないらしい。各自おにぎりなどを仕事の合間でつまむ程度なのだそうだ。残念。


とても腹が減ったので、一匹だけ獲れたイカをもらってかじる。醤油なしでもうまい。※アニサキスに当たる場合があるので丸かじりはやめましょう。
 
< もどる ▽この記事のトップへ つぎへ >
 

 
Ad by DailyPortalZ
 

▲トップに戻る バックナンバーいちらんへ
個人情報保護ポリシー
© DailyPortalZ Inc. All Rights Reserved.