ここから先は、船の上でやったこと、思ったことです
船の上には16人の乗組員がいて、みんなやっていることが違う。船を動かしたり、網をあげたり、魚を仕分けしたり、その瞬間ごとにやるべき役割をそれぞれが担って、全体として淀みなく漁を行っている。
ただの肉体労働ではなく、常に頭も働かせていないと仕事にならない。
初めてテレビで見たアメフトの試合や、ドラゴンゲートというプロレス団体の六人タッグマッチのように、なにがどうなっているかルールや仕組みがまったくわからない状態なのだが、すごいことをやっているというのだけはわかる。
この時期に狙っているのはスズキだが、自然相手なので日によって水揚げ量はバラバラ。ちなみに昨日が800キロで、一昨日が4トン。
4トンといっても豚4匹分という話ではない。私なんかが遊びでやる魚獲りとは、文字通り桁が違う量である。
ところでお腹がすきました
移動しては魚を獲るという繰り返し。体力も使うし、なんといっても目の前の新鮮な魚を見ていると、当然お腹が減ってくる。
実は前に来た時に大野さんからスズキのうまさを力説されていたので、「漁師の賄い」というのを期待していたのだが、スズキの巻き網漁は網を入れる回数が多くて忙しいため、賄いの時間は特にないらしい。各自おにぎりなどを仕事の合間でつまむ程度なのだそうだ。残念。