涼しかった
さて、今年からやってきた交番のおまわりさんが結構ヤル気という情報を得ていたので、街なかを避けてちょっと移動することにした。
実験するにはたいへん残念なのだが、今日は涼しい。移動するにつれ肌寒いくらいになってきた。
いつのまにか霧で見通しが利かない。いかにも「ザ・湖畔」という雰囲気だ。湖畔じゃないけど。 まあ、霧はむしろ撮影に好都合という気もする。なにしろそんなにみられたい恰好ではないのだ。 とりあえず車をおりてあたりの様子をうかがう。
まずは帽子をかぶっていない状態で湿度を確認すると、
ではさっそく、除湿帽をかぶってみよう。
「うむ」以外、この時点でとくに感想はない。さて、これからどんな変化が訪れるのか、腰をおろしてじっと待っていたのだが、
ちょっと寒い。そして淋しい。網をかぶっただけで、世界と僕との間に大きな隔たりができてしまったような気持ちだ。
遠くから産直の売店をみつめる。あんな店、以前はなかったのに……と、人間界への恨みを募らせながら。
ちくしょう、早く人間になりたい! いやちがう。そうじゃなくて湿度だ。どうなんだ。除湿帽の効果は発揮されているのか。
あ、上がってる。
ネットの内側の湿度が外側よりも地味に高くなってしまった。こんなにもシリカゲルに囲まれているというのに。 吐息か。中に吐息がこもり、そのせいで湿っぽくなってしまったにちがいない。
結果その1: 湿度50%程度の場所では、こもった熱い吐息のほうがよっぽど湿っぽい
湿気の多い場所で実験
どうやら実験の環境が悪かった。高原の空気と夏の蒸し暑さでは、あまりにかけ離れている。 あのジメジメした状態を再現すべく帰宅。家で簡単に湿気らせることができる場所といえば、
ここで除湿帽の効果を再検証するのだ。
いいぞ、かなり蒸している。しばらく待って湿度計を確認すると、
もうちょっとありそうな気もするが、とりあえずはこの数字を基準としよう。 ここでネットを帽子にとりつける。この作業が案外と手間取り非常にイライラした。多湿の不快さがそういう精神状態を生んでいるのだ。
除湿剤が5個くらいボロボロと落ちたが、取りつけようとすると余計にイライラしそうなので放っておく。
帽子をかぶった途端、なんだかものすごく落ち込んだ。湯気とネットとシリカゲルとで視界がとても悪い。非常に不愉快だ。ただこれも、湿気がそういう気分にさせているだけで、除湿帽をかぶったからにはやがて改善されるはず……。そう信じてしばらく待ちつづけたのだが、
なんで逮捕直後の月亭可朝の写真が? と思ったらぼくだった。 しょんぼりにも程があろう。
風呂場の湿気はシリカゲルではなく、ぼくのTシャツがたっぷりと吸った。無念である。
結果その2: 湿度70%を超える場所で頭から網をかぶると落ち込む