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ひらめきの月曜日
 

椎茸みたいなパン探し

この中にも、椎茸になるパンはあるだろうか

驚いた。パンが、椎茸になったのだ。

「あっ!」と叫んだ。本当にでかい声で叫んだのでそばにいた子どもが驚いて泣いた。でも仕方ない。だって、パンが一瞬にして椎茸になったのだ。実家に帰って、母の焼いたパンを何気なく横にスライスしたときのことだった。

今日は母の焼いたパン同様、椎茸のようになるパンを探して街を練り歩いてみたいと思うのだが、まずはその衝撃の写真からご覧下さい。

(text by 古賀及子

椎茸だ!

ショックですらあるこの椎茸っぽさ

もう、どう見ても椎茸なのだ。唐突に目覚めたパンの椎茸性(俺の野性、みたいな語感で読んで欲しい)。とにかくただ驚いた。こんなにもパンが椎茸になるなんて!!

驚くと同時に、ショッキングでもあった。だって、スライスする前まではごくごく普通のパンだったのだ。これが椎茸になるとは夢にも思わなかった(その証拠というか、スライスする前の写真は無い)。

ということは、だ。今まで気づいていなかっただけで、これまで普通に食べていたプチパンも、もしかして椎茸みたいなパンだったのではないか。

ひとしきり驚いた後は普通にパンとしてこの椎茸を食べたのだが、やはり興奮して食べている間中腰がイスから浮いていた。


ちなみに、こちらがキノコの椎茸

そして、こちらがパンの椎茸

キノコの椎茸

パンの椎茸

椎茸

椎茸

ちまたのパンの椎茸性を探る

もしかしたらあなたが今朝食べたパンも、椎茸だったかもしれない。どうですか、そう思うとなんだかそわそわしてきませんか。

いてもたってもいられず街に飛び出した、というのが今回の記事の発端だ。巷にあるパンも横にスライスしてみたら、あらびっくり、どれもこれもが椎茸だ、ということであれば、これは大変なニュースだと思う。

急ぎパンを求めて新宿へ飛んだ。


新宿のデパート番長、伊勢丹は地下道がサイバーでかっこよかった。パンコーナーもオール対面販売でオシャレさが爆発

これ、シャンピニオン。キノコというより、傘の部分が輪切りのにんじんっぽいな

新宿に来たのはデパ地下めあて

椎茸パンであった母のパンは、小麦粉に全粒粉を混ぜて少し固めに焼き上げたプチパンに、×の形に2本のクープ(切れ込み)を入れたものだった。よくあるプチパンの形だと思う。

全粒粉やクープの具合といったパンの特長からして、どちらかというと街のパン屋さんというより、ハード系のパンが揃うような“ブーランジェリー(フランスのパン屋を指す言葉らしい)”なんていわれるようなお店にたくさんあるのではないか。

そう推測し、それならデパ地下が手っ取り早かろうと目を付けた。

まずは新宿や渋谷のデパ地下を巡り、これはと思うものを片っ端から買ってみることにする。

「キノコ」と呼ばれるパンの存在

その前にちょいと触れておきたいのが、そもそも「キノコ」と呼ばれているパンがあることだ。「シャンピニオン」である。

店ごとに形は微妙に違うもののコロッとした形に平べったい円形の傘が乗っかっているのが普通。シャンピニオンとはフランス語でまんまキノコの意味らしい。

フランスの方にはドンピシャなのかもしれないが、日本人の感性からするとこれがキノコかといわれると正直「?」だ。

このままフランス人の感性に「コノ パン ガ キノコパン デース!」と言わせておいていいのか! いや、よくない! 日本人が心から「これはキノコである」といえるパンは、やはり椎茸の形をしているべきなのではないか!

型からあふれて膨らむ系のパンもキノコに例えられることがある。これはやや松茸っぽいが、椎茸に比べるともうぜんぜんパンだ
マフィンもキノコって言われることがあると思うが、こういったタイプは今回は除外する

椎茸パンを頂点としたピラミッドでジャッジ

ではあらためて、椎茸を求めてパンのお店をめぐっていこう。道中で買ったパンは、すべて以下のような早見表でその椎茸性をジャッジしていくことにする。

三角形の頂点に近いほど、椎茸である。

冒頭で紹介した椎茸パンのような完全な椎茸までたどり着くパンは現れるだろうか。

(図を作るに当たって椎茸の写真を切り抜いたら椎茸っぽさがさらに加速して、もうどうにも止まらない状態だ)




  はたして椎茸は現れるのか >
 

 
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