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ちしきの金曜日
 
珍しい地図記号「電子基準点」を巡る


大きな地図で見る

最後の「足立(93016)」は微妙な位置に

東京23区内に、電子基準点は3つしかない。どれだけ23区という区域が実際には狭いものなのかを示していると言えるだろう。
今回、その中でも「足立」を選んだのにはわけがある。「世田谷」「練馬」が例によって、明らかに学校の敷地内にあるのに対して、「足立」は微妙にニアミスなのだ。
左の地図を見れば分かるが、足立区立東栗原小学校、と思わせておいて微妙にずれている。
いったいここ、「東京都足立区一ツ家3−15−1」には何があるのか。電子基準点はどこなのか。googleストリートビューでもうまく確認できなかったので、実際に行ってみることにした。

 


ごく普通の公園だった。

お願●。落書きの意図が不明。

その場所は「一ツ家中央公園」

小学校の真向かいに位置していた公園は、大きさは一周200m程度、何の変哲もない町の公園だった。800万人も住んでいる東京で、特にゲートも障壁もないこの公園に設置してしまって、果たして大丈夫なのだろうか、という気にさせられる。

しかし地図は明らかにこの地点を指し示していたので、ふらふらと外周を回って電子基準点を探してみた。

これは違うな……。
あ! あのニョッキリだ!

「足立(93016)」
設置地点:一ツ家中央公園内、微妙な斜面の中腹


電波を頼りにしてUFOが着陸します(嘘)

なぜか斜面に設置

「足立」は、小学校の中に入れてもらえなかっただけでなく、ゆるやかな斜面に設置されていた。もしこの斜面が大雨で削られて、「足立」が10cmほど傾いたとしたら、「足立区が北に10cm動きました」というニュースになるんではないだろうか。大丈夫なのだろうか。

そしてこの脇の土俵のような高台は何だろう。UFOを呼ぶ祭壇のようだ。地元の子供たちの間で、電子基準点は宇宙からの物体だ、という都市伝説が生まれそうな組み合わせだった。

結論

電子基準点は、僕らの生活の中で、ゲートボールのおじいちゃんや小学生を見守りながら、24時間毎日、大地の動きを監視していた。遠くは「沖ノ鳥島(051140)」から、「稚内(940001)」まで。
国土地理院のサイト「GEONET」※リンク:https://terras.gsi.go.jp/gps/gps-based_control_station.htmlによると、日本の1200の電子基準点の中には、他にもいろんな形状のものがあるようだ。すごく気になる。見てみたい。
というわけで当サイト「見たいわ」のコーナーで「電子基準点見たいわ」を募集したいと思います! 別に特異な電子基準点でなくてもかまいません! 皆さんの身近な場所にある電子基準点を調べて、写真とその位置を報告してくれると嬉しいなと思います。 よろしくお願いします!

ミニ電子基準点の群れ(国土地理院にて)


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