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ロマンの木曜日
 
パンダとサソリのデッドヒート

サーキットに血が騒ぐ

すぐ隣のサーキットエリアでは、車両の性能別に分けたクラスごとにタイムトライアルが行われていて、エンジンとタイヤが鳴く音が響き渡っています。

出場台数は100台を越えているようで、ピットにもところ狭しといろんなクルマが並んでしました。コースの中以外は自由に観てまわれるようなので、とりあえず近くまで行ってみることにしました。


サーキット全景、今はちょうどランチア・デルタの走行時間

ピットに入っていってみる ちなみに後ろの土手の上が物販エリア

タイムトライアルとは言っても、普段使っているマイカーで、今日はちょっと頑張っちゃうぞー的なノリなのかと思っていましたが、実際そういう雰囲気のクルマも何台かありましたが、大半は後部座席がなかったり、ロールバー(横転しても屋根が潰れないように車内から補強するパイプ)を組んであったり、車高を落としてぶっといタイヤを履いていたり、お気に入りのレーシングカーのレプリカ塗装だったりして、かなり本気で楽しんでいる方々のようです。その代わりナンバーは取れないようで、会場の隅には積載車が大量に停めてありました。

一目見て古そうなクルマでもどれもピカピカで、細かい部品にまで改造の手が入っていて、本当に心の底から愛しています感が出まくりでした。


かわいいけどやる気全開の500チーム 尋常じゃない雰囲気を漂わせているX1/9
ほかとは違う凄みのあるランチアデルタ軍団 これでスポンサー料をもらってなかったら人が良すぎだと思う
ただでさえ珍しい初代ムルティプラ、ゼッケンついてるってことは…、走ったの!? 次のクラスコースインの瞬間、心臓バックバクだろうなあ

ラリーで何連覇もしたデルタからミニバンの祖先のようなムルティプラまで、どんなクルマでも「俺のレーシングカー」として走れるのがこのイベントの、そしてフィアット車の懐の深さだと思います。

流し撮りにハマる

せっかくカメラを持ってきたので、レースの写真のように、かっこいい流し撮りをしてみようと思います。

と思っていろいろ試したのですが、僕はふだんダムとか動かないものしか撮らないので、前後左右に激しく動くクルマを撮るのは想像以上に難しく、プロカメラマンのすごさを再確認しました。

でもたくさん撮ったので、出場車両の紹介も兼ねて、少しだけ載せたいと思います。


やっぱりレース塗装はサーキットに映える ランチアベータクーペ?本物初めて見ました
ものすごく獰猛そうなパンダ 純粋レース仕様かと思いきや車内にカップホルダーが見えるアルファ145
X1/9同士の熱いバトル いかにも速そうなデザインのクーペフィアット

つたない腕の写真ですが、もしこれを読んでいる方で当日走っていた方いましたら、車種とゼッケンNo.をご連絡いただければ写真探して送ります。といってもたぶん撮っていないクラスの方が多いと思うので、写真がない場合はごめんなさい。

さて、日も傾いてきたのでそろそろ帰ろうかと思っていると、最後にフィアット・パンダとアウトビアンキ・A112アバルトのクラスによるレースが行われるとのこと。それは楽しみだ。知り合いが出ているわけではありませんが、空いていたのでピットフェンスにかじりつきで見物することにします。

最後にパンダとサソリが白熱のバトル

このクラスだけ、タイムトライアルがそのまま予選になっていたようで、出場車がコース上に整列。アバルトがチューンしたA112はともかく、パンダはフィアットの中でもっとも大人しいクルマ、という印象だったので、まさかパンダでレースをしている人たちがいるなんて知りませんでした。


しかもポールポジションはパンダ! 総勢12台でレースが始まる

やがてレッドランプが灯り、各車のエグゾーストノートが高まったところでスタート!

ここは動画を撮ってみたのでぜひ見てください。


これを見ても血が騒がない奴は男じゃねえ

どうですかこの迫力!音とスピードだけ感じて、これがエンジン1リットルそこそこのクルマに見えますか!?

こんな迫力の光景を見せつけられて、僕も「来年は走るか…!」なんてちょっと真剣に考えてしまいました。

レースの方は、途中で接触事故があって1台が横転してしまうという大波乱により一時中断(驚きすぎて写真撮るのをすっかり忘れた)。しかしドライバーにケガはなく、2ヒート制で再スタート。結局ポールポジションのパンダが終始安定した走りでフィニッシュ!

しかし各ポジションで激しいバトルがあり、見ているこちらもすっかり熱くなりました。


パンダとサソリ(A112)が大乱戦 ヒートアップしすぎて赤旗中断
1位パンダ、2位サソリの順でゴール! 戦いを終えた戦士たちが戻ってきた

なんだかんだで結局1日楽しんでしまったフィアットフェスタ。

最近あまりクルマの面倒を見る時間がなかったのですが、いろいろなカタチで愛車と接している人たちを見て、もっと大事にしてやらなきゃなあ、と気持ちを新たにしました。

すごく楽しかったので、来年まで僕のクルマが壊れずに乗っていたら、また来たいと思います。


大事にするからな!

ぜったい欲しくなるよ

タイムトライアル出てみたいなあ、ヘルメット買わなきゃなあ、でもサーキット走るのなんて恐いなあ、などとすっかり感化されて帰ってきました。

もちろん、走らなくてもクルマ好きなら十分楽しめると思うので、フィアット乗っている人はもちろん、これから買う人も、乗っていない人も行ってみてください。

特に乗っていない人、ぜったいイタリア車欲しくなりますよ。

来年までごきげんよう!

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