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ロマンの木曜日
 
パンダとサソリのデッドヒート

逃げるパンダを追うサソリ

 イタリア最大の自動車メーカー、フィアット。その名前は聞いたことがあっても、どんなクルマがあるのか、日本では自動車好き以外にはあまり知られていないような気がします。

ゴールデンウィークの初日、フィアットが好きな人や乗っている人が全国から集まる「フィアットフェスタ」という年に1度のお祭りが長野県にあるサーキットで開かれました。

僕もフィアットに乗っているひとりとして、ずっと行ってみたいと思っていたイベント。初体験してきました。

萩原 雅紀



フィアットだらけ

中央自動車道の伊那ICから会場の伊那サーキットに向かうと、前や後ろ、交差点の横から続々と派手なイタリア車が現れ、みな同じ方角を目指して走っていました。普段は滅多に見かけることがなくて、でもそんなところがいい、というのもあるのですが、だから余計に今日はお友達がたくさんいるような感じがして、気分が高揚してきます。

フィアットはイタリア最大の自動車メーカーで、ルパン三世の愛車であるフィアット500が有名。現在ではその傘下にフェラーリ、マセラティといったスーパーカーメーカー、アルファロメオ、ランチアなどの高級車メーカーを抱えています。つまり、ほとんどのイタリア車はフィアットグループのクルマというわけで、会場の駐車場にもいろいろなクルマが停まっていました。もちろん、イタリア車以外のヨーロッパ車や日本車で来ている方もたくさんいます。


会場への道はイタリア車がズラリ 中にはこんな珍しいクルマも(ハコスカだ!そして後ろはピアッツァ)

会場は大きく2つのエリアに分かれていて、サーキットではタイムトライアルが、駐車場ではクルマの展示やいろいろな物販が行われていました。

とりあえずまずは物販コーナーを覗いてみると、クルマのパーツや工具、ステッカーからおもちゃまでさまざまな品揃え。パーツはちょっと見ても何に使うものなのかまったく分かりませんが、ステッカーは30代半ばの大人になってもどうしてこんなに魅力的なんでしょうか。実際に自分のクルマに貼るかどうかは別として、何枚か購入してしまいました。

ま、僕にはドレスアップのセンスが欠片もないので貼らない方が無難でしょう。


いろんなお店がブースを出していた パーツは見ても何なのかまったく分からない
欲しいステッカーがいっぱい ステッカーチューンしたいけど、何をどう貼っていいか分からない

ブースの前には最新型のフィアットが展示されていました。

ルパン三世が乗っていたフィアット500の新型と、今やヨーロッパを代表する小型車となったグランデプントのアバルト仕様。

このアバルトというブランド、もともとはフィアット車をレース用に改造して販売するチューナーの名前でした。アバルトによって限界までチューンされたフィアットの小さなクルマが、レースで大きなクルマを倒して勝つことが多かったことから、フィアット好きにとっては伝説のブランド名で、そのシンボルであるサソリのエンブレムに対しては、ほとんど信仰に近い感情を持っています。

たぶん機械的には何もイジっていないクルマでも、このサソリのステッカーを貼るだけで気持ちの中では20馬力くらいアップしているはずです。


フィアット500の旧型(手前)と新型(奥) グランデプント・アバルト
フィアット乗りの精神的支柱「オレたちには、アバルトがある…!」 そんなシンボルがこんがり焼かれてせんべいに

そんなアバルトのブースではアンケートを実施していました。記念品がもらえるというので答えると、サソリのマークの入ったおせんべいが。信奉者的にこれはアリなのでしょうか。

企業ブースのほか、イタリアンレストランのケータリングや、一般の参加者によるフリーマーケットも行われていて、そのまわりをとり囲むようにみんなが乗ってきたイタリア車が停めてあって、それらを眺めながらベンチに座ってランチを食べたり、ブラブラしながら何周しても飽きない会場でした。


新しい500が気に入ってしまった ちゃんと鶏肉を炭火で焼いていておいしかった出張レストランのランチ
フランス車だけど雰囲気に合っていた移動喫茶店 柵代わりの旗もフィアットマークが
自信ないけどアバルト1000TCかな…? エンジンカバー開いてるけど整備中ではなくこれが通常らしい
アルファロメオ8C、まさか生で見られるとは これはエロい、すごくエロいクルマだ(褒めてます)

物欲も空腹も満たされたので、タイムトライアルが行われている隣のサーキットエリアに行ってみます。


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