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ひらめきの月曜日
 
バターたっぷりスクランブルエッグの限界


いい卵を買ってきましたよ。

敬愛する某料理研究家が 「スクランブルエッグは、できるだけバターをたっぷり使った方がおいしくなるのよ」と言っているのを聞いて「おお!」と思った。

さらに「自分で食べるときはレシピで公表してる以上にバターを入れてるわ」と続けたもんだから、「そういうことは早く教えてよ! ケチ!」と憤った。

うん、そりゃあおいしいだろうさ。バターの香りが漂いまくるトロットロでフワッフワなスクランブルエッグなんて、想像しただけでうっとりしてしまう。涎が舌から勝手に滲み出てしまう。

でも「たっぷり」って、具体的にはどれくらいの量なんだろう。10グラム? 20グラム? もしやそれ以上?

答えはどこにも載ってない。ならば試すまでだ。

高瀬 克子



贅沢しまくろう

実は、朝の卵料理は95%の割合で目玉焼きを食べている。以前「目玉焼きに正解はない」の記事中で告白したように、デローッと流れる黄身が好き過ぎるが故の選択だ。待ってるだけで出来るという手間のかからなさも見逃せないポイントと言えよう。

そこに冒頭の「スクランブルエッグにはバターたっぷり発言」である。バターは好きだが残念ながら目玉焼きには使わないし、そもそも去年はバターが品薄だった。

しかしバター騒動も一段落したようだし、あれこれ試すには今がチャンスなのかもしれない。


ついでにフライパンを新調しました。2,310 円也。

オムレツやスクランブルエッグなどの卵料理が好きな人は、卵専門のフライパンを持っているらしいじゃないか。長年それに強い憧れを抱いていたが、ついにやった。やってやった。しかも南部鉄器ときた。

鉄だけに重いが、この大きさなら片手でも持てるし扱いも簡単そうだ。過去、鉄のフライパンを錆びさせた経験があるだけに、この子は大事に育てよう。

さらに贅沢は続く。


夢のカルピスバター。450 グラムで1,365 円也。
「幻のバター」とまで書かれてます。

まさか自分の人生に、カルピスバターを購入する日が訪れようとは…。

ちなみにカルピスバターとは、カルピスの製造工程で分離された脂肪分を使ったバターであり、カルピス30数本から450グラム分しか出来ないため大量生産できないという、非常に貴重で高価なバターである。

「記事で使うから」という免罪符さえあれば、どんな夢でも叶うのではないかと錯覚してしまいそうな浪費っぷりに我ながらビックリだ。(注:全て自腹です)

さようなら、私の定額給付金。


普段使ってる雪印(200 グラム)と並べてみました。

どうです、カルピスさながらのこの白さ!
いや、こっちもバターっぽくて好きですよ。

雪印でも十分だったとは思うが、今回は大量のバターを摂取することが使命である。「どうせなら、ちょっとでもいい物を」と望んだ私を、誰が責められよう。

バターの摂り過ぎで気持ちが悪くなる可能性もあるのだ。「それでもやって良かった」と言えるくらい価値ある買い物をした私を、それでも皆さんは責めるだろうか。

いや、そんな鬼のような読者は一人もいないと信じて先を進めたい。

 

3パターンくらいが限界か

「いかにして私は散財したか」についての弁明はこれくらいにして、さっそく企画を実行に移そう。


こんなにドキドキする入刀は初めてかも。
慎重に計量しましたよ。

バターは10グラム、その倍の20グラム、さらにその倍の40グラムを用意した。今回は、この3段階でそれぞれスクランブルエッグを作りたい。

普段なら数字をもっと細かく刻んで実験数を増やすところだが、今回はさすがに危機を感じる。なんたってバター&卵だ。いかにも体に悪そうじゃないか。

理想のスクランブルエッグを作るには、最低でも卵が2個要るという。卵1個ではすぐに固くなってしまい、フワフワな仕上がりにはならないというのだ。

揚げ物を好んで食べているにも関わらずHDL(善玉)コレステロール値が高く、医者に「それは長寿症候群と言ってね…」と羨ましがられた私であっても、 これ以上は譲れない。ここは3パターンで行かせてください。


卵に生クリーム(またも高脂肪!)と塩を入れ
まずは10 グラムのバターを溶かします。

泡が小さくなってきたら、卵を一気に投入、
あとはスクランブルするのみ!

卵を入れたら、あとはただ混ぜるだけだ。固まり始めた外側を内側に巻き込むようにして、鍋を小刻みに動かしながら混ぜ続ける。

鉄のフライパンは熱の伝導率も良く、ものの1分もかからずに完成した。


皿を用意してる間に卵がちょっと固くなってしまったが、それでもフワフワだ。

「おお、なるほど!」という味だった。バターの風味もしっかり感じられて普通においしい。10グラムに卵2個は、いかにも標準的な味と言えるだろう。


ただし、ものすごいレベルの高い標準ですからね。
さらにベーコンまで付けちゃって、もう「私をどうにでもして!」な状態に突入。そりゃパンも食べるさ。

これでも十分だとは思うが、これは料理研究家が語る「たっぷり」ではないような気がする。そもそもたったの10グラムを人は「たっぷり」と言わない。

では次の20グラムはたっぷりに該当するのだろうか?


さあ、ここからは倍々ゲームのスタートです。

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