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フェティッシュの火曜日
 
スノーボードができるに決まっている


あ、おれの「できる」スポーツだな、やらないけど

 やったことはないのだが、スノーボードができない気がしない。できるに決まっている。だからやらない。

スキーもスケートボードもかじったことがある。ならできるでしょ。そんな心持でいる。

冬も終わりになり、そういえばあれおれできるんだよな、と思い出してしまったがため、今日は実際に試してきます。

(今日はこんな感じのなめた調子で進みますが、きっちりしっぺ返しをくらって改心する、という民話みたいな展開が待ってますのでお許しください)

大北 栄人



このMaxValueの奥でスノボができるんだぜ、と記念写真

なんと!スノボは意外と身近にあった

なんと!とはじめてしまったが、やってる人には当たり前の情報なんだろう。スノーボードは屋内でできるらしい。

調べると溝の口(川崎市)近くに屋内施設があった。家から30分くらいのところにあるのか。スーパー銭湯くらいの感覚か。

この冬はスノボ行きました、という話は「ああいいお湯浸かったんだな」くらいに聞いておいていいかもしれない。


駐車場で長野ナンバー発見!なぜここまで!?
サーフボード載せがある車が多いのも本気度高し
入り口での記念写真はなめきった証

受付からスキー場を見て固まりました

山に行ったと思えば安いか

道具一式と滑走料金入会金で一人7000円。けっこうなお値段で。でも山に行くよりかは安いだろうし、都会に雪山作っちゃった代で妥当なとこだろう。

板でちゃーっと滑りたいがために雪山作ってしまうって、考えてみればすごい。古代エジプトではピラミッドクラスの国家プロジェクトだったろう。こんなことを思って折り合いをつけなければいけないのは、ケチな証拠である。


オーウ!?

ハロー不安!すごい早さで不安がやってきましたよ

訂正します「できない気がしなくもない」

高い。おそろしく高い。ジャンプ台ってあんなに大きいのか。あんなの飛んでこわくないのだろうか、スノボの人。

3月9日のニュースで屋内スキー場出身スキーヤーが大会で入賞し五輪への切符を手にしたことを知った。そのレベルなのか、屋内施設。

しかしおれもスノボできるんである。できるはずなのだ。今日、もしかしたら五輪への切符が用意されているのかもしれない。ちゃーっと滑り降りたらお姉さんが花輪をかけてくれて「五輪」と書かれた旗の下に連れてってくれるのだ。



スノボを知らない人に向けた
(スノボを知らない人による)技の解説

なんとなくできそうではあったが、なんにも知らないのでとりあえずは滑ってる人をよく見ることにした。

ざらっとした観察で、なぜできそうな気になっていたかわかった。基本的には2つの技で構成されているのだ。

※この青い欄は知らない人が適当に解説しているので、鵜呑みにして怪我などされないようご注意ねがいます


「かかと滑り」…かかとで斜面をえぐるイメージで下に
※知らない人が適当に名前つけてます
「つまさき滑り」…逆側、つまさきで斜面をえぐりながら降下
※知らない人が適当に名前つけてます

かかと滑りとつまさき滑りで片が付く

基本的にこの2つで構成されているのだ。なんて簡単なスポーツだろう。

これを知ってしまったら

「スノーボード=難しい?技は2つだけできそうやったらできるに決まってるやらないごろ寝でテレビ

で、あなたも結局やらずしてできてしまう天才人間になれるのだ。冬は体脂肪を貯めるいい機会だぞ。


スピードは出てるが、かかと滑りで方向を変える
同様につまさき滑りでバランスをとって

上には上がある

もちろん技はパッと見ただけでも色々ある。ジャンプして足を折りたたんだり、くるっと回るような方向転換をしたり…だけどこれはレベルがちがいすぎる。


すごい高さで一度足を折りたたんでいる。しかしこの人はプロなんだろう。年俸8億くらいの。
空中で方向転換をキメるこの方も多分プロ。年俸は7兆。

結局はターン=スノボできる人だ

できる人というイメージは、すらすら降りてくる人である。

スノーボードができる=ターンをしながら降りてくる、ということでいいんじゃないだろうか。そしてそれならかかととつまさきで用が済むのだ。


ターン。かかとに体重入れて左へ。ひざの使い方がポイント。
斜面を横滑りするとき、意外と忘れがちなのがひざの使い方だ
そして右への方向転換前、ここはひざの使い方が問題となる
今度はつまさき滑り。ひざを柔らかく、ときに力強く使いこなせ。
転換の後はスピードが乗ってくる。ひざがどう使われたいのか意識して。
つまさき滑り横断だが、ひざを使ってあげるから使わせてくださいの気持ちで

そしてかかと滑りの左ターンへ。酷使されたひざを思いやってマッサージの段取りを考えておこう。あと時給アップ。

何にも知らないけど大体わかった!ひざだ!

ターンができればスノボができる。それにはかかととつまさき滑りをマスターしさえばよいのだ。

「ひざの使い方」と言っておけばなんとなくそれっぽくなるのでひざを意識しなさいと言っておいた。そしてスノーボードは雪上の格闘技である。これも言っておけばなんとなく知ってる人っぽくなるので付け加えておこう。



まあお金払ったしやるんですけど、だんだんと不安が大きく…

ここまで分かっておいて、なぜやる必要があるのか?

さっきから斜面下でスクールが開催されてて、子供たちがずっと地味な練習をしている。ああいうことやらないと滑れないんだろうな、という思いが頭をもたげる。

いや、そんなこと思うとせっかく今までの「できる!」気が無駄になってしまう。学生時代の友人たちの誘いに「おれできるから」と断ったのもウソになってしまう。

あの心優しい友人たちにウソをつきたくない。(でもすぐウソになるんだけど)


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